少年カメラ・クラブ

子供心を失わない大人であり続けたいと思います。

意味を考える

2005-01-27 22:58:37 | 写真
すべての物事には意味がある。

実験のデータや世の中で起こる事件、一枚の写真、何気なく読んだ本、僕たちが触れるるすべてのものには意味がある。

その意味をどうすれば知ることが出来るのか。それは対象を素直に見ること。じっくりと観察すること。

でも、じっくり観察した結果、その意味はどこから来るのか。そう、意味はその実験データからくるのではない。僕の心の中からヒョッと顔を現す。突然に。

その意味を取り出すために、心に向けて分析データを送り込む。データを送り込むときには、あれこれ考えてはいけない。あくまでも素直に分析を繰り返す。考えずに分析をするという、ちょっと高度な技を使うのだ。

芸術家は絵や彫像やいろんな作品を作り出す。写真のような分かりやすいものもあれば抽象的でよく分からないものもある。以前は、ああいう抽象的な芸術と言うのがさっぱり分からなかった。

でも、今その考えは大きく変わった。芸術家の作品というのはモチーフのコピーではない。モチーフを分析したデータを作家自身の心の中に放り込んだ結果、その心から飛び出てきたものが作品となったに違いない。だから、作品がモチーフと同じである必要は全くない。

そんな風に考えるようになってから、抽象的な芸術も楽しめるようになった。全体をパッとみて、それを自分の心の中に投影する。何かがそこで共鳴するか。するときもあればしないときもある。わー、いいなあと思える作品にであったとき、なんとも言えず満たされた気分になる。

写真も同じ。写真はただの記録のための道具ではない。フォトグラファーが被写体を分析して心に情報を放り込んだ結果、心の中に浮かんだイメージを印画紙に焼き付けるのだ。道はまだ遠いけど。