こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

めだか一匹

2016年08月14日 00時09分26秒 | 文芸

暑いので玄関の三和土に水を撒こうとして、目に留まったのが水を張った鉢。竹をひもで編み上げた蓋をしている。
開けると水が少し濁りかけている。
「おい、元気か」
声をかけたのは、メダカ。
ほぼ1年前、10匹前後水鉢にはなしたのが、いまは1匹だけが生き残っている。
鉢のふちをコンコンとたたくと、スィ~っと浮かび上がってくる。餌をもらえるのを知っているからだ。
パラパラと餌を撒いてやると、小さな体と口を器用に使って餌をつつきだす。
名前はないが、やはり可愛い。
これもウサギたちと一緒で、末娘が飼い始めた。
しかし、学校生活が忙しくなると、こちらに世話係が回って来る。以来、気を付けているものの、世話が行き届かなかったせいなのかどうか、ついに1匹になってしまった。
こいつもダメかなと覚悟をしていたが、それがなんと3か月以上もたくましく生きている。
覗けばちゃんと泳いでいる。やはり情が移ってしまう。
「暑さが落ち着いたら、仲間を増やしてやろうか?」「ひとりぼっちじゃ可愛そうだよね」夫婦でメダカの購入を確認しあっていると、「あたしが買ってくる」と娘がしゃしゃり出てくる。
彼女も親に似て熱しやすく冷めやすい。メダカも最初のころは卵を育てるのに夢中になるほどだったのに、いまは親任せ。それが新しいメダカを購入となると、「あたしの出番よ」となる。
まあ娘の気のすむようにすればいい。後の始末は任せておけという心境だ。
「もうすこし我慢しとけよ。友達をつくってやるからな」
呼びかけはするが、(ひとりでいるのもいいもんだ。もしかしたら、お前もヒト見知りするタイプなのか)そう思ってしまう。一人でいるほうがいいタイプの私だからである。へへへ。
コメント
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