こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

3人の同窓会

2016年08月13日 00時30分42秒 | 文芸
旧友2人と30年ぶりにあった。
工業高校のクラスメートである。実は普通高校を中途退学して入りなおした学校である。本来なら1学年下になる彼らだが、不思議と気が合った。実を言えば変わり者同士だからかもしれない。
電気科を出たにもかかわらず、一人は警察官に。彼の一家は警察官と自衛官ばかり。話をすると、必ず右側思考になる。
もう一人は大学の宗教科を経て地方銀行員になり、あげくに京都の劇団で住み込み手伝うが、首になってから宗教新聞の記者になった。彼はどちらかといえば左側思考の会話が多い。
わたしは書店員から調理師学校を経てコックになった。わたしはいたってノンポリで口数も少なく、自然と二人の緩衝役となった。
ほかのクラスメートを見ると、大半が電気の技術を生かせる企業や公務員に就職している。
同窓会に顔を出すと、3人はどうしても異端児扱いされる。
その3人が久しぶりにに顔を合わせたのだ。
3人が3様、昔と変わっていないから面白い。
高校時代の正義感に燃える若者に戻っていた。右、左、中庸と全く変わらない立場の会話となった。
誰もが引退していたが、それぞれが抱える問題が深刻だった。
元警官は離婚問題に悩み、元銀行員崩れは高齢の母親の介護で、すっかりくたびれている。ちなみに彼は一度も結婚をしていない。
始まった会話は最初こそ盛り上がらなかったが、すぐ昔に戻った。聞き役に徹する私は昔通り。右と左の会話に適当な相槌を打ち、ノンポリぶりを発揮して間を取り持った。
半日あまり一緒に時間を過ごしたが、帰るころには、みんないい顔になっていた。旧交が功を奏した形だった。
また4年後に会おうと一人が言い出した。、その実現は叶うとは思えない。みんないい歳なのだ。しかし、いやなわけではない。
それで再開の約束をした。
案外それを目標に元気でいられるかもしれないと思うのは、旧友との会合が楽しかったからなんだろうな。
みんな年を取るなよ!と言い合って別れた。やっぱり友達はいい。
この年になって、
たった二人だが、親しい友がいてくれることに感謝した。
コメント
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