NHKは定時ニュースで選挙報道をしている。
しかし各党首の演説になると字幕が出ない。出ないのではなく、明らかに出すのをやめている。選挙報道の後は普通に字幕が出るし、毎日、同じことが続いているからだ。
多くの難聴者、聴覚障害者が見ていることを知っていて、字幕を出していないのだ。放送中に音声が出なくなったら重大問題だ。事故ともかく意図的にとめたら、それこそ、視聴者から抗議が殺到するに違いない。
選挙報道で、生放送の字幕が間違えると候補者と政党から抗議が来ると、気兼しているとしか考えられない。
これは、二重,三重に問題がある。一つは、聴覚障害者の長い運動、それも強い要求の結果、ニュースの字幕放送が始まったのに、それを自ら裏切っていることだ。あれだけ署名運動を行い、国会で何度も質問され、阪神淡路大震災、東海村原子力事故など多くの教訓から、生放送の困難さを乗り越えて、始めたのではないか。
二つ目は、総選挙という国民が最大の関心ごとを持っている事柄について、報道する責任を放棄し、自ら情報を覆い隠していることだ。民主主義は情報を広く公開し、提供することから醸成される。NHKの使命は何か、忘れているとしか思えない。
三つ目は、選挙の公平性に関して、NHKの目の向けるところが間違っていることだ。候補者や政党からクレームが来たら、これは聴覚障害者にNHKが責任を持って情報を伝えている、生放送の字幕である以上、間違いはある、その場合は後で訂正すると答えれば済む。裁判になれば、全国の聴覚障害者が支援するだろう。
NHKは国民のための放送機関として、時の政府や政権党におもねることなく、「不偏不党の公平な」放送をする責任がある。NHKの情報操作という体質が多くの国民の視聴料の不払いを引き起こし、前会長の退陣に繋がったのに、経営陣の一新した理由でもなかったか。
ラビット 記