難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

聴覚障害者と病院バリアフリー(3) 指さしで説明する受診便利帳

2007年02月14日 22時32分39秒 | バリアフリー
聴覚障害者だけではないが、病院で診察を受ける際に、自分の病状を説明しようとして、どこから説明すれば良いか分からず、あれこれ話し始めることは多い。今日、昨日の体調や食事内容、便通ではなく、自分の出生からはては家庭内の不和まで話す人もいるそうだ。
病院で診察や薬の調法、受付等、コミュニケーションが必要な場面は多い。しかし、医療に関わることだからよけいきちんとコミュニケーションが必要にも関わらず、おっくうがって病院に行かないか、あるいは家族に代わりに聞かせたり、よくわからないのにはいはいと曖昧に聞いて、薬の飲み方も分からないで帰って来たとか、よくある。
そうした、医療の場面のコミュニケーションをスムーズにすすめるために考案されたのが、この

診察用指さし本「聴覚障害者のための受診便利帳―病院で役立つ指さしでわかる」 (出版社 法研、著者 高橋 英孝)
だ。
医者や医療機関が、「どこが痛いのですか」「熱があるのですか」「いつからですか」とか設問が文字で示され、回答は口頭でも書かれている選択肢を示してもよいように書かれている。
聴覚障害者と言っても手話が分かる人とは限らないので、文字によってコミュニケーションが出来るようになっている。
もちろん手話による表現もたくさん掲載されているそうだ。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4879546437.html

昭和大学の聴覚障害者外来にも、この本が採用されるとのことだ。

ラビット 記


聴覚障害者と病院バリアフリー(2) 聴覚障害者外来の誕生

2007年02月14日 22時08分34秒 | バリアフリー
昭和大学は、3月3日に、聴覚障害者外来を始めることを発表した。
http://www.showa-u.ac.jp/hospital/hatanodai/SUH/

滋賀県の琵琶湖病院の聴覚障害者外来が有名だが、都内に内科疾患全般を診てもらえるようになるのは大変嬉しい。特に内科疾患はその病状を説明するのがなかなか困難であり、手話通訳が付いた診察が行われれば、
聴覚障害者は、ややもすると診察や受付のコミュニケーションがスムーズにいかないことから、病院から足が遠ざかっている人も多い。そのために、病気が慢性になってしまったり、重病になってしまうことも珍しくない。
いつでも、きちんと診察を受けられることは聴覚障害者にとっていのちと健康を守る上でも重要な問題だ。

昭和大学の取組みが成果をあげ、全国に普及して欲しい。

ラビット 記
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昭和大学外来





聴覚障害者外来について(昭和大学ホームページの案内より)

現在、聞こえの障害をもつ人は、全国で400万人以上の人がいるといわれています。これらの方々が医療機関に受診される際、コミュニケーションの不自由さから不便さを感じられているのが現状です。
当院では、聞こえの障害をもつ方々に、患者様と医療スタッフがコミュニケーションを取り、安心かつ十分な医療が受けられるように、聴覚障害者外来を設置いたしました。

http://www.showa-u.ac.jp/hospital/hatanodai/SUH/notice1.html


聴覚障害者と病院バリアフリー(1) 病院の情報バリアフリー

2007年02月14日 21時47分41秒 | バリアフリー
知人から、病院のバリアフリーをすすめる出版の案内をうけとった。
ガンを宣告されて、入院したら普通の精神状態ではいられない。筆者は診察と治療を受ける中で、医者と看護士や関係者に聴覚障害に対する誤解や無理解を何とかしたいと、入院中に本書を執筆した。尋常の人には出来ることではない。

ラビット 記
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病院の皆様.jpg・年賀状でもご案内いたしましたが、「拝啓、病院の皆様」-聴覚障害者が出会うバリアの解消を-
・四六判・280頁、
・2100円(税込み)

3月3日、耳の日に現代書館から発売いたします。
・ガンの宣告を受け、検査、入院、手術を通して医者、看師、検査技師などとのやり取りをする中で出会った聴覚障害に関する無知、勘違いなどの数々。病気と不安と情報バリアフリーと苦闘する体験から、医療現場での情報保障のあり方を具体的にまとめました。医療機関は障害者の身近な場所だけに早急な意識改革が求められます。

・社団法人、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会などの取り組みも紹介しました。
表紙に耳マークが載っています。褒美下さい。
・マスコミでも取り上げてもらいたいです。お知り合いの記者がおられましたら声をかけていただければ嬉しいです。