難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者協会の地域の市民と社会資源への働きかけ

2008年10月02日 10時38分09秒 | PHSから
080930-084053.jpg難聴者協会は、難聴者問題の理解と聞こえのバリアフリーの啓発の活動、難聴者支援として例会やサークル活動を通じた交流、手話や読話のコミュニケーション方法の学習支援などを行っている。
広く都内の難聴者に結集を働きかけて来たが、地域の社会資源を通じた難聴者への働きかけ、社会資源に対する支援の必要性の啓発は十分ではなかった。

今後、民生委員や地域ボランティアの集まるところに難聴者の抱える問題や補聴システム、筆談などの支援を出前講座形式で啓蒙していきたい。


ラビット 記
ーーーーーーーーーーーーー
 「第23回東京都中途失聴・難聴者の集い」は今月19日、八王子市南大沢文化会館で開催されます。

 今年の「集い」のテーマは「ご近所にも聞こえのふれあいを ~生き生きと暮らせる地域を目指して」というものです。「ご近所」というのは地域社会のことです。私たちは住まいの近くで買い物をしたり、行政のサービスを受けたり、会社などに行き、同じように生活している町内の方々がいます。大勢いらっしゃる難聴者はどこにいらっしゃるのでしょう。まだ私たちとは縁(えにし)がありませんが地域にお住まいです。

 私たちは聞こえないために地域と「ふれあう」ことが少ないのです。地域の方々と接することをみずから避けている面もあります。しかし、難聴に対する暖かい理解とサポートがあれば普通に暮らすことが出来ます。災害の発生した時にも声をかけてくれたり、ファックスやメールを下さるでしょう。要約筆記が付けば自治会の集まりにも老人会にも出られます。PTAの役員だって出来ます。公民館に磁気ループがあれば一緒に楽しめます。

 難聴になるのはどなたも年を重ねてゆけば避けられません。10人に一人は難聴になると言われています。非常に多くの方々が聞こえに困っています。呼びかけられても気付かない、電話やテレビが聞こえない、自動車が急に来てハッとして危険も感じることがあります。

 ご高齢の方が耳が遠くなると隣近所の方との会話にも不自由するようになって、お付き合いも減ってしまいます。一人暮らしのお年寄りが増えている中、楽しみがなくなってしまいます。

 多くの難聴者の方々はどこにいらっしゃるのでしょう。地域の住民の福祉的な問題をすくいあげるために民生委員の方々が配置されています。地域では多くの趣味のサークルやボランティアグループが活動しています。こうした方々は耳が遠い方とか知っていらっしゃるかもしれません。補聴器店には補聴器を求める方が多くいらっしゃいます。老人介護施設にも高齢難聴者が大勢いらっしゃるでしょう。

 私たちは地域の難聴者の会を作って交流していますが、もっと多くの方々が毎日の生活に不自由されています。そうした方々にも、これらの方々を通じて、行政やボランティア、協会の支援の手を差し伸べる必要があります。
 集いのアピール文は「市民の皆さん」で始まっています。この市民は、一人ひとりの生き方、個性が尊重される市民社会の「市民」です。これは、差別のない、障害者の権利の擁護された社会につながります。

 東京都中途失聴・難聴者協会は、コミュニケーション支援事業を全ての区市に広げ充実させること、東京都の要約筆記者派遣制度の維持を求めています。また区市に手話、読話などコミュニケーション講座、相談支援事業など新しい難聴者支援施策の開拓を求めています。
 
 今年の集いは、字幕・手話・アニメ付き胃部検診車や聴覚障害者外来、医療の手話、指差し問診書など聴覚障害者の医療のバリアフリーを追求されてこられた高橋英孝先生のご講演、八王子伝統芸能の車人形に字幕、補聴援助システムを付けて行います。
 午前中から、聞こえない人の健康相談、聞こえない家族のための機器展示会、補聴器相談を行っています。

 秋晴れの中、「東京都中途失聴・難聴者の集い」にお仲間、ご家族、ご近所の方々とお出かけ下さい。
 南大沢駅は京王線新宿駅から準特急と急行でわずか34分です。