難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者の情報保障はまず聴覚を重視すべき。

2010年09月10日 23時53分51秒 | 日記(つぶやき)
こと難聴者は音声を重視した情報保障が重要だ。

難聴者、中途失聴者、ろう者など聴覚障害を持つ全体に対しては、ユニバーサルデザイン、情報バリアフリーのために字幕、手話、補聴援助システムが必要であることは論を待たない。

その上で、音声を聞くことの重要性を主張したい。
最近の体験から感じたことがある。

会議の模様を全部文字に起した議事録を読んで、その会議では磁気ループもPC要約筆記も利用していたのに、えっこういうことだったのそれは聞いていないよということが余りにも多かった。(PC要約筆記の限界)
介護実技講習で手話通訳の読みとりに注視すると実際の動作が見えず、動作を見ていると話しかけていることが分からない。(手話の限界)

一方ちゃんと話が聞こえていると話が頭の中を駆けめぐる。つまり聞きながら何かを考える。聞いている話のこともあれば全然別のことを考えていることもある。
ちゃんと聞こえている状態とは人工内耳や補聴器で磁気ループで聞いている場合だ。
数百万人単位の多くの難聴者はフィッティングされた補聴器と磁気ループでかなりの効果がある。

なぜか。難聴者の場合字幕も手話も後天的に獲得するのに対して、難聴者は乳児の頃から言葉を聞いて育っているからだ。とにかく聞くことが大事だ。

このことをきちんと社会で追求すべきだろう。

ちなみに優れた要約筆記はあたかも聞いているかのようにその内容が頭を駆けめぐるのだ。えっ、今の何?何?と思うこともない。ノートすら取れる。
これは何度も経験している。
しかし要約筆記に身を委ねないとだめだ。身体ごと要約筆記に委ねてこそそうした体験が出来る。

難聴者の聴覚補償論を難聴者自身が立てないと。


ラビット 記

修理から戻ってきたフリーダム

2010年09月10日 22時20分12秒 | 人工内耳
帰宅すると病院から修理されたフリーダムが戻ってきていた。
このフリーダム本体は3カ年保障があるがちょうど2年8ヶ月を経過したところで本体は初めての修理を受けた。
前はアンテナケーブルの断線だったのだ。

電池を入れ替えて聞くと、おおーちゃんと聞こえる。良かったなあという感じだ。なんといっても「聞こえる」というのは良い。

昨日は台風の影響で雨がすごかったがその雨音もすごかった。外から中に入り扉を閉める度にその音が小さくなる。
一昨日は出張先で若い女性たちにものを尋ねて後にすると笑い声が背中でした。何を笑っているんだろう、変なことを聞いたかな、別のことかもしれないと思ったりした。
電話で何度も聞き返して、ようやく聞き取れた言葉を復唱する。向こうもこちらが分かるまで何度も言ってくれる。いや言わざるを得ないのか、こっちが購買者だから。


送ってきたゆうパックにはお荷物の価格として7桁!の金額が書いてあった。


ラビット 記
※カバーはパープルに変えてみた。

佐賀県内に人工内耳の病院がないことについて。

2010年09月10日 19時09分27秒 | 人工内耳
我が国における人工内耳はかれこれもう20年以上に及ぶ歴史があり、成人、乳幼児とも普及が進んでいる。
しかし、欧米諸国に比べれば健康保険が適用され、自己負担がごくわずかであるのに、装用者が少ない。

理由はいろいろあると思うが、その一つに聴覚関係で雇用される言語聴覚士の数が少ないことにあるのではないか。
養成される言語聴覚士のほとんどは言語関係で聴覚を仕事にされる方は少ない。
病院で聴覚の専任となる言語聴覚士を雇用する余裕がないのも一因だろう。
県立病院であっても経営上の問題が大きいと思われる。人工内耳の普及が日本の医療問題に関わっていることは政権が変わってもこの問題にメスを入れようとしない。


ラビット 記
※実習先の少女が書いたバイキンマン。手話も発語も出来ないので絵を描いてコミュニケーションしていた。


=== 「難聴者」の Google ウェブ アラート ===

見:難聴者の聴力補う「人工内耳」 身近に病院開設を/専門医の確保 ...
装用者「身近に病院開設を」/県難色「専門医の確保困難」 難聴者の聴力を補う「
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100906-00000214-mailo-l41

韓国のスティーブン・ホーキング博士 講演会

2010年09月10日 12時19分02秒 | 日記(つぶやき)
DINFアドバイザーの皆さま

(財)日本障害者リハビリテーション協会の有田です。
いつも有益な情報をいただき、ありがとうございます。

9月21日に韓国のスティーブン・ホーキングとして話題になっているイ・サンムク教授の講演会を開催することとなりました。
海洋学者のイ・サンムク教授は2006年、米国にて交通事故にあい、首から下が動かなくなりました。
3日間昏睡状態だったのですが、そのときに考えたのは「自分はもうもとのようではない。では、どうしよう?一日も早く仕事に戻りたい」とういことでした。
電動車椅子とITを駆使し、半年後には教壇に復帰しました。
現在、イ・サンムク教授氏は韓国政府のプロジェクトの障害学生の支援にも取り組んでいます。

ご都合がよろしければご参加いただければ幸いです。
また、ご興味のある方々、学生さん等にご紹介いただけましたら感謝申し上げます。
以下転送自由です。
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講演会
「理工学分野における高等教育の障害者入学支援プログラム:韓国でのとりくみ」

韓国のスティーブン・ホーキングとして話題になっている車椅子の海洋物理学者である国立ソウル大学の李尚黙(イ・サンムク)教授が来日する機会に、障害者が高等教育の機会を得て職業的に自立するシナリオについて、韓国の新しい動きについて報告を受け、日本の関係者と意見を交換する。

李氏は米国での交通事故により首から下は動かず、口で操作するマウスで電動車いすとITを駆使している。ご自身の経験を踏まえて、理工学分野で活躍すべき障害者の育成について、特に障害者の大学への入学を支援する取り組みを始めており、米国のAHEAD、日本、北欧諸国とも連携して支援技術開発を進めるためネットワークを構築中である。

講演後、日本において理工学分野で障害者支援に取り組んでいる鈴木昌和氏と井上剛伸氏を交え、河村宏氏の司会によりパネルディスカッションを行う。

■主催:財団法人 日本障害者リハビリテーション協会
■期日:平成22年9月21日 (火) 14:00-16:10
■会場:戸山サンライズ大研修室(新宿区戸山)
http://www.jsrpd.jp/static/place/index.html
東西線早稲田駅 より徒歩10分
大江戸線若松河田駅より徒歩10分

■定員:70名
■参加費:500円
■逐次通訳付
■情報保障
 希望に応じて手話通訳、要約筆記、テキストデータ
(印刷物を読むことが困難な方対象)、磁気ループ有り

■参加申込先:
 財団法人日本障害者リハビリテーション協会 情報センター
 担当:有田・太田・野村
 TEL: 03-5273-0796  FAX: 03-5273-0615
Eメール: dinf-j@dinf.ne.jp

【プログラム】
14:00-14:10
開会挨拶
14:10-15:30
講演
「理工学分野における高等教育の障害者入学支援プログラム:韓国でのとりくみ」
李尚黙 (ソウル大学 地球環境科学部教授)
15:30-16:10
パネルディスカッション
司会:河村宏
(特定非営利活動法人 支援技術開発機構 副理事長、DAISYコンソーシアム会長)
パネリスト
李尚黙 (ソウル大学 地球環境科学部教授)
鈴木昌和(九州大学大学院数理学研究所 名誉教授)
井上剛伸(国立障害者リハビリテーションセンター 福祉機器開発部 部長)

16:10
閉会挨拶

詳細URL:
http://www.normanet.ne.jp/info/kouenkai100921.html

<関連記事>
NYタイムズ
‘韓国のスティーブン・ホーキング’報道
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=99044&servcode=700§cod
e=400


NYタイムズ
The Saturday Profile
>From a Wheelchair, a Scientist Pries Open South Korean Minds
http://www.nytimes.com/2008/04/19/world/asia/19lee.html(英語)

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講演会(2010年9月21日)お申込み
下記にご記入の上、FAX(03-5273-0615)または
メールdinf-j@dinf.ne.jp までお申込下さい。

お名前(ふりがな)
ご所属
ご連絡先
□〒
□住所
□Tel
□FAX
□e-mailアドレス

下記に該当します(該当するものに○を付けてください。)
1)車イス使用
2)手話通訳が必要
3)テキストデータが必要
4)磁気ループが必要
5)パソコン要約筆記が必要
6)その他

難聴者の介護のコミュニケーション技術習得。

2010年09月10日 00時30分34秒 | 社会福祉の学習
実は介護実技試験は再試験になってしまった。課題の介護が途中から全く頭にイメージできなかったのだ。

介護を行う際、利用者は失語症だったり、脳性麻痺だったりすると発語が難しいので、介護支援について許諾を取ったりの説明が重要になる。
利用者との信頼関係を築くためにも、日常的な声かけが重要なコミュニケーション技術の一部になる。

介護実技講習会で、講師がモデルで説明をしている。
「今12時ですがおトイレどうしましょうか。それではかけ布団を取らせていただきます。寒くはないでしょうか。右手で左の腕を持っておなかの上まで上げて下さい。右足で左足をすくい取って右の端まで移動して下さい。身体を右に向けて下さい。それから右肘を使って身体を起こして下さい。私が身体を起こします。足の位置を直して下さい。」

利用者に分かるように具体的に話している。
それを手話通訳は次のように通訳する。
「12時ですからトイレ行きますか。布団を取ります。寒さ大丈夫?右手で左手を持って下さい。右足を左足の下に入れて下さい。右に動かして下さい。右肘で起きて下さい。足を直して下さい。」

通訳としてはいつもはこれで通訳は事足りる。見て分かるからだ。
しかし、今回の現場は介護支援技術とコミュニケーション技術が同時に行われており、どういう言葉遣いをするかのコミュニケーション技術が分からないことに気づいた。

その後手話通訳に言葉遣いも分かるように通訳の表現を要望した。その後はその言葉をメモしたりしていた。

実技試験で介護の動作がイメージできなかったのはそれが記憶されていなかったからだ。
何故記憶できなかったのかを試験終了後考えてみたら、言葉の読みとりに注意するあまり動作が見えていなかったことに気づいた。
動作を見ているようで見えていなかったのだ。

再試験前に短時間説明を受け繰り返しやってみて、再試験ではパーフェクトでパスした。


ラビット 記