難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

聴覚障害者と病院バリアフリー(1) 病院の情報バリアフリー

2007年02月14日 21時47分41秒 | バリアフリー
知人から、病院のバリアフリーをすすめる出版の案内をうけとった。
ガンを宣告されて、入院したら普通の精神状態ではいられない。筆者は診察と治療を受ける中で、医者と看護士や関係者に聴覚障害に対する誤解や無理解を何とかしたいと、入院中に本書を執筆した。尋常の人には出来ることではない。

ラビット 記
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病院の皆様.jpg・年賀状でもご案内いたしましたが、「拝啓、病院の皆様」-聴覚障害者が出会うバリアの解消を-
・四六判・280頁、
・2100円(税込み)

3月3日、耳の日に現代書館から発売いたします。
・ガンの宣告を受け、検査、入院、手術を通して医者、看師、検査技師などとのやり取りをする中で出会った聴覚障害に関する無知、勘違いなどの数々。病気と不安と情報バリアフリーと苦闘する体験から、医療現場での情報保障のあり方を具体的にまとめました。医療機関は障害者の身近な場所だけに早急な意識改革が求められます。

・社団法人、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会などの取り組みも紹介しました。
表紙に耳マークが載っています。褒美下さい。
・マスコミでも取り上げてもらいたいです。お知り合いの記者がおられましたら声をかけていただければ嬉しいです。



ビデオリレーサービスのコマーシャル(1)

2007年02月12日 22時03分20秒 | バリアフリー
アメリカのビデオリレーサービスのコマーシャルを見つけた。
ビデオリレーサービスは、テレビ電話システムによる電話リレーサービスで、手話で音声通話の相手と電話が出来る。
コマーシャルの内容は、電話しようとしたろう者がビデオリレーサービスの会社のオペレーター(画面では通訳と出ている)に電話番号を指文字で表しているがスキルの低いオペレータがゆっくりとかもう一度かなかなか読み取れない。そこへ一発で読み取れる通訳が登場し、プロフェッショナルな通訳の要るわが社へと言うものだ。
ビデオを見るには、▲をクリックする

ここまで実現しているアメリカに比べて、日本は一体どうなっている。IT大国を目指す政府の計画はどうなったのだ。

ラビット 記

<object width="340" height="280"><param name="movie" value="http://www.youtube.com/v/SNedlvEoALs"></param><param name="wmode" value="transparent"></param><embed src="http://www.youtube.com/v/SNedlvEoALs" type="application/x-shockwave-flash" wmode="transparent" width="340" height="280"></embed></object>

別のバージョンもある。
http://www.youtube.com/watch?v=JEVc3yuohHo


動画サイトに字幕が 難聴者の新しいメディアに期待

2007年02月12日 19時19分21秒 | 生活
ブログが社会的なメディアになり、今はアメリカなどはビデオブログが普及している。ソーシャル・ネットワーキング・サービスSNSが新たなコミュニティとして発達してきた。
グーグルが買収したことで有名になった「YouTube」は動画が多く投稿されている。

ニンテンドーのWiiがアメリカでも大人気だが、このゲームに熱中する様子が多く投稿されている。50万ヒットと記録したこのブログでWiiの熱中ぶりが分かる。
日常生活をビデオで投稿する時代になっているということだろう。
http://www.youtube.com/watch?v=_wczw4PlKuE
<object width="340" height="280"><param name="movie" value="http://www.youtube.com/v/_wczw4PlKuE"></param><param name="wmode" value="transparent"></param><embed src="http://www.youtube.com/v/_wczw4PlKuE" type="application/x-shockwave-flash" wmode="transparent" width="340" height="280"></embed></object>

「hard of hearing」、「deaf」、「sign」などを検索すると多くの聴覚障害関係や聴覚障害者自身ビデオブログが投稿されているのが分かる。
<object width="425" height="350"><param name="movie" value="http://www.youtube.com/v/2CAah9fptdc"></param><param name="wmode" value="transparent"></param><embed src="http://www.youtube.com/v/2CAah9fptdc" type="application/x-shockwave-flash" wmode="transparent" width="340" height="280"></embed></object>

この動画に字幕をつけて投稿するjimaku.inという
「字幕で動画を楽しもう!
 YouTubeの動画にブラウザ上から字幕を作成できるサービス」 http://jimaku.in/
があることが報じられていた。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0701/23/news063.html

これを開発している字幕YpuTubeの開発ブログの「字幕Youtubeじまくゆーちゅーぶ」をみると特に聴覚障害者に関係ある方のようには見えないが、いろいろな人が関わっているようだ。
http://blog.livedoor.jp/zimaku/archives/52236696.html

これは、これまでのビデオや映画に字幕をつける活動をしてきた要約筆記者などとは違う方々のようだ。著作権問題なども含めて、字幕制作上のノウハウなどが共有できればいろいろな課題が解決できそうだ。
難聴者にとっては、こうした字幕の必要性、効果が社会に広がることを期待したい。

ラビット 記


家電量販店の車椅子リフトと放送事業者

2007年02月11日 20時36分47秒 | バリアフリー
070211_1818~001.jpgヨドバシカメラの地下の店内の階段の脇に車椅子リフトがあった。
これも新バリアフリー法の効果なのだろうか。
バリアフリーは法律で規定されると、よほどの技術的経済的困難がなければ普通はそのとおりにする。それが合理的配慮だ。
この場合もリフトを設置する費用に加え、商品を置くスペースは少なくなったかも知れない。しかし、リフトを設置することで障害者や高齢者などの車椅子利用者がが買い物に訪れることが出来るようになる。車椅子利用者だけではなく、車椅子利用者を同行する人と車椅子利用者を同行する人も来られる。
障害者などに対応していることで社会的アピールにもなる。

これを見るにつけ、放送事業者の手話放送、解説放送を必要とする人への対応は非常に冷たく思える。
あれこれの困難があることはわかる、これまで字幕放送で懸命に拡大してきたことも感謝したい。
しかし、あるある事典事件でわかるように社会的影響力の大きいメディアなのだ。その公的責任に正面から向き合い、国にも必要な施策を要求すべきだ。
これまでのところ、手話放送、解説放送の拡充に付いて、業界としてどういう取り組みをしてきたのか見えない。

解説放送の台本を書ける脚本家が少ないと言うなら、養成のために何が必要で誰が何をすれば良いのかあきらかにする努力をしたのか?音声に解説放送の音声がかぶるので入れるのが困難というならば、視覚障害者に分かるか分からないか調査したのか、分かるような工夫を考えたのか?
手話放送の通訳が不足していると言うが全日本ろうあ連盟や手話通訳団体など相談したのだろうか。人材育成が必要なら国にも目に見える金額の予算と養成システムを要求すべきだ。
こういう姿勢が見られれば、数値目標のあるガイドラインは後で策定することにしても良いが、やる気のなさを言うなら、あくまでも法的義務化を要求するしかないと思ってしまう。

車椅子の障害者は署名運動はもちろんデモもするし、座り込みもするし、命がけの行動をする。
私たちはおとなしいのかも知れない。

ラビット 記



名古屋登要会「スキルアップ講座」の教材の集大成

2007年02月11日 00時37分34秒 | 要約筆記事業

坂のイルミネーション
名古屋登要会から、以下の案内を受け取った。

ラビット 記
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名古屋登要会 http://touyoukai.exblog.jp/ が昨年の1月頃から、「スキルアップ講座」という名前で要約筆記再履修の取り組みをしていることはご存じだと思います。その取り組みの資料(教材などを集成したもの)がようやくまとまりました。もっともっと早く発行するつもりだったのですが、やってみると意外に大変な作業になってしまいました。それは自分たちがやってきたことをまとめるだけだから簡単だろうと思っていたのですが、実際には試行錯誤の連続だったので、参加していなかった人に分かっていただけるような形までまとめるのにものすごく時間がかかってしまったのです。
 各地で同じような取り組みをしているところ、あるいはこれからやってみようと思っているところの参考になるのではないかと思い、ご案内する次第です。

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 今回作成したのは、紙の資料とDVDです。すぐに地元で取り組みが始められるように、という視点で整理しました。
紙の方は、全部で125頁ほどで、内訳は、
(A)解説(考え方などをまとめたもの)
(B)実際の取り組み用のレジュメ
 (名古屋の18回を解説し、そのときの使ったレジュメも参考用に収録)
(C)参考資料
 (練習に使った教材や研究誌にまとめた再履修プログラムまとめなど)
という形になっています。
 それからDVDですが、中に収録したのは、
(1)名古屋で行なわれた講演の要約筆記画面(筆記は東京の要約筆記者)
(2)表記やそぎ落としのための練習問題
です。
(1)は、目指そうとしている要約筆記の実例です。見ていただくと分かりますが、この要約筆記は、話し手の言葉をそのまま使って書くのではなく、要約筆記者が理解した話し言葉の意図を、要約筆記者の責任で短くまとめていく、書き言葉によって再構築していくというものになっています。私たちが目指そうとした「役に立つ要約筆記」の実例、今まで学んできた要約筆記との一番大きな違いが、実例として分かっていただけるのではないか、という意図で添付しています。
 それから(2)は、実際にスキルアップ講座でやってきたドリルを収録したものですが、音声だけではなく字幕付きで作成されています。これは地元の難聴者の人と一緒に学んで欲しい、学ぶべきという意図から作成されています。
 難聴者は、ろう者が手話を母語として育つようには要約筆記を母語としていません。つまり難聴者といえばも要約筆記は学ばなければ使いこなせないものなのです。使いこなすために要約筆記を学んで欲しい、一緒に学ぶためにはどうしたら良いか、それを考えたのがこれらの教材です。


ろう者の口型は手話のリズム

2007年02月10日 21時21分17秒 | 生活
070208_2146~001.jpg近着の手話研究誌を読んでいると、日本手話と日本語対応手話の話に関係して、「手話のリズム」に付いて書かれていた。
日本語環境の中で生活しているろう者の手話は日本語の影響を受けている。そのひとつが口型だ。発声のための口型ではなく、読み取られるための口型で、名詞などを伝える際に手話と一緒に使われる。しかし、音声とともに動く口型は読みにくい。理由が手話のリズムと違うからだということが書いてあり、なるほどそういうことが
あるのかと思った。

オンを聞いて理解するのとそれを仮名漢字混じり文で読んで理解するのと明らかに脳の負荷が違う。
文字を読む時にそれをオンに変え、さらに文字の記号性を理解して、文字列である文章の意味を理解するので、負荷が大きいと思う。

言語である手話はその手指と体の動きや位置、顔の向き、表情、口型などを視覚から意味を認知するので、文字を見るのは大変負担があることは容易に理解できる。

ラビット 記
写真は新潟の地酒とへぎそばを出す居酒屋の看板、マスターはユニークな人物



名古屋登要会がスキルアッブ講義の資料とDVDを頒布

2007年02月10日 09時37分17秒 | 要約筆記事業
070204_1655~001.jpg名古屋登要会からお知らせを受け取った。
通訳としての要約筆記を個人ではなく、団体として追及してきた記録でもある資料集を公開するのはその取り組みの大きな意義を理解し、その方向の確信がなければできないことだ。

ラビット 記
写真は通勤路の桜?
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今回これらの資料を実費頒布することにして、前から問い合わせなどをいただいた地域におわけしています。
何部か余分に作りましたので、興味があれば、お申し込みください。
なお、実費頒布価格は3000円です。少し高いのですが、125頁製本済み+DVD1枚ということで、この値段になりました。
ご了解ください。

今回の資料は、名古屋市登録要約筆記者の会、として作成しました。したがって、今後のご連絡は、
touyoukai.nagoya@gmail.com
(名古屋市登録要約筆記者の会事務局)
までお願いします。またメールの件名も「スキルアップ資料申込み」として頂けると、助かります。
実費頒布をご希望でしたら、
(i)希望部数
(ii)発送先(郵便番号、住所、名前、電話番号)
をお知らせください。
残部がある限りということで、申し訳ありませんが、ご承知おきください。どうぞよろしく。

見ていただいて、また感想など聞かせてください。よろしく。


<要約筆記再履修資料.txt>
<要約筆記再履修資料.doc>




音楽などの難聴になる危険性の高い聞き方

2007年02月05日 11時21分31秒 | 生活
音楽プレーヤーのイヤホンやヘッドホンが難聴になる危険性を高めると警告されたのは、ザ・フーのギタリストがipodは難聴になると警告した2006年1月のことだ。
http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20060106303.html

これに関する質問がはてなクエスチョンに出ている。
http://q.hatena.ne.jp/1138902914
難聴になるのは、その音圧が大きすぎるか、長時間いているか、高音が多いかだとある。
http://homepage1.nifty.com/jibiaka50/nantyouheddohonegaisyou.htm
これに関連して、虫の音が何故聞きにくいかの説明がり、高齢者がカンタンという虫の音に好意的な理由や生活音の周波数などについても説明されていて、難聴者にも興味深い。
http://puh.web.infoseek.co.jp/mushinone.htm

難聴者の感音性難聴は、自分のように皆が高い周波数の音が聞こえにくいと思っていた。
もう少し、勉強しなくてはならない。

ラビット 記


難聴者の映画を観た体験

2007年02月04日 22時22分28秒 | 生活
070204_1848~001.jpg久しぶりに映画を観た。
「ディパーテッド」はレオナード・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソンなどハリウッドのスターの迫真の演技が見ものだ。

不思議に思ったことがある。英語の音(オン)がパッと聞き取れる時がある。ツワイス、フーアーユー、コール。字幕の前に聞き取れる。これは頭に刷りこまれているオンが意味や文字を呼び出すのだろう。
そのオンが意味を持っていることを認識しているから言葉になる。
韓国語や他の国の言葉は文字として知っていても聞いたことがないと意味不明のオトにしか過ぎない。

文字で読んで意味を理解するのは、オンを聞いて理解するより、頭の働きに「力が要る」ということだろう。
そのため、音ではなく、読んで、言葉をスムーズに理解するためには、そのオンを「力の要らない」文章にしなければならないのだろう。

ラビット 記



反戦集会の手話通訳

2007年02月04日 12時19分19秒 | 生活
反戦集会手話通訳.jpg1月27日、ワシントンの連邦議会前広場でイラクからの米軍撤退を政府と議会に求める集会で、ベトナム反戦運動に積極的に参加したジェーン・フォンダさんが34年ぶりに演説したと報じる記事にロイターが配信した写真を見ると手話通訳が写っていた。
自発的なボランティアなのか、手話通訳者組織やろう団体が反戦運動と関わっているのだろうか。
日本のイラク反戦集会が開かれたら、手話通訳や要約筆記が付くだろうか。

アメリカは字幕放送が発達しているが手話放送はほとんど皆無だ。しかし地域の集まりやイベントの市民的レベルでは手話通訳は当たり前に付いているのか。
手話放送がないのはテレビ放送事業が合理的配慮の範囲を越えていると反対していると思われる。連邦通信委員会FCCの定めた視覚障害者のための解説放送すら裁判でひっくり返したくらいだから。

地域のろう、難聴の人々の暮らしはどうなっているのか知りたい。

ラビット 記
 



要約筆記者派遣事業の応益負担 2月、3月議会に気を付けて

2007年02月03日 21時39分06秒 | 要約筆記事業
070130_2121~003.jpg新年度まで後二ヶ月もない。
コミュニケーション支援事業で要約筆記者派遣事業を実施するか決めかねていた市町村も来年度予算を決める議会が始まるのに合わせて形を出してくる。
他の市町村の様子見をしていた自治体も右にならえで要約筆記者派遣事業を始めるだろう。
問題は県がしっかり無料化を「指導」していないところは移動支援事業に合わせて有料化の条例や派遣規定を作り兼ねないことだ。
議会に出てしまうと障害福祉課レベルでは対応出来ない。議会に働きかけるしかない。
もう一つは県に団体派遣を要望しているところは県が独自の予算で派遣費を確保しているところ以外は市町村に団体派遣を個人派遣に切り替えること、委託事業先で集団投影に調整することも認めさせる必要がある。

全難聴は各都道府県協会に緊急の対応を出した。

ラビット 記




難聴者の見たことのない5000回のライオンキング

2007年02月02日 00時09分09秒 | バリアフリー
070201_2310~001.jpg070201_2311~001.jpg電車の吊り広告に劇団四季のライオンキングがあった。
キャッチコピーが「もう誰も止められない5000回」とある。
5000回というのは並大抵の数字ではないとはわかる。毎週1回やって10年間で500回である。年間625回演じて8年間!

しかし、5000回の中に何回聞こえない人の参加保障したのだろうか。商業演劇とは言え、聞こえない人も鑑賞したいと思っているに違いない。
何年も前に、ニューヨークのブロードウェーでキャッツを見たことがあるが台詞が分からないので見ているだけでは眠くなってしまった。

一般客に混じって聞こえない人が鑑賞するために仕組みはある。
鑑賞者が字幕が表示される眼鏡をかける方式や透明な板に字幕が映るリヤウインドウ式、航空機や国立能楽堂のように前の座席シートの背に字幕が出るディスプレイパネル、電光ニュースのように表示する方式など幾つもの方式がある。
主催者が字幕を付けると鑑賞者が増えると考えて設置をしてくれれば良い。
韓国語を表示すれば、韓国の観光客も来るかも知れない。
難聴者向けの補聴援助システムは、磁気ループや赤外線、FM式とももちろん聞こえる人には何の支障もない。

ラビット 記