難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

花王の字幕付きCMはなぜ全国ネットか。

2012年01月14日 09時36分29秒 | 放送・通信
花王がクローズドキャプション方式の字幕付きCMを「試験」放送する。

CMといえば、アメリカでまだクローズドキャプションデコーダーが300万台しかない1980年代には番組の字幕のスポンサー名を表示していた。○○フードの提供番組の字幕は△△薬品の提供のように。
CMに字幕が付くようになったのはいつの頃か知らない。
1990年にアメリカで字幕回路法が成立して、字幕放送の見られるテレビが一挙に拡大した頃でないか。

我が国でCMの字幕放送を行うには、地方局の設備の関係でローカル局から個別に字幕放送が出来ないので、全国ネットのキー局から同時放送で送出するしかない。1社提供の番組はほとんどない。

このことは、ローカル局から緊急災害時のニュースを放送しても字幕放送が出来ないことを意味する。

ラビット 記
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○花王、字幕付きCMの放送を開始
AdverTimes(アドタイ)
花王は13日から、一社提供番組「A-Studio」(TBS系列)で
字幕付きのテレビCMを出稿する。地上デジタル放送の一
機能として視聴者が字幕の有無を選べる、クローズド・
...
http://www.advertimes.com/20120113/article49635/

○字幕付きTV CM、花王が試験放送 (+D LifeStyle) - Yahoo!ニュース
Yahoo!ニュース(+D LifeStyle) -
花王は1月12日、“字幕付きのテレビコマーシャル”を
試験的に放映すると発表した。13.
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120113-00000007-zdn_lp-sci

○字幕付きTV CM、花王が試験放送(ITmedia +D LifeStyle) - livedoor ...
花王は1月12日、“字幕付きのテレビコマーシャル”を試
験的に放映すると発表した。13日から3月末まで、同社の提供番組「A-Studio」(TBS系列)で放映する。
http://news.livedoor.com/article/detail/6187602/

○花王、字幕付きテレビコマーシャルを自社提供番組で放送 ...
【花王(4452)】は2012年1月12日、字幕付きのテレビコマー
シャルを同年1月13日から3月末までの予定で、同社提供番組の一つ「A-Studio(スタジオ)」(TBSテレビ系列)にて 放送すると発表...
http://www.excite.co.jp/News/net_clm/20120113/Garbagenews_1883690.html

○はてなブックマーク - 花王、字幕付きCMの放送を開始 #ブレーン ...
他社とノウハウの共有も視野
花王は13日から、一社提供番組「A-Studio」(TBS系列)
で字幕付きのテレビCMを出稿する。地上デジタル放送の
一機能として視聴者が字幕の有無を選べる、クローズド・キャプション方式を採用した。放送予定期間は3月末日まで。 ...
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.advertimes.com/20120113/article49635/

東京立川市で、人工内耳入門講座

2012年01月13日 09時20分28秒 | 人工内耳
人工内耳入門講座
22日午前10時、東京・立川市の立川グランドホテル。
枝松秀雄・東邦大医療センター大森病院耳鼻咽喉科教授らが講演。
参加費一般500円。
問い合わせは、東京都中途失聴・難聴者協会((電)03・5919・2421、ファクス03・5919・2563)へ。

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=52838

なぜこれまで字幕付きCMがなかったのか。

2012年01月13日 09時07分46秒 | 放送・通信
花王が字幕付きCMを放送することがあちこちで話題を呼んでいる。

下記の記事のように2000万人に及ぶ難聴者の他に、音声を聞かない視聴スタイル、屋外大画面広告、電車内放送広告のように環境により音声が聞けない場合にも対応する意味があるだろう。

これまでクローズドキャプションによる字幕付きCMが放送されなかったのは、CM自体がどのような形で送出されているかいくつかの形態、ファイルデータなのか映像パッケージメディアなのか、があること、地方局とキー局では放送内容、時間が異なること、地方局の放送設備にも関係があることは一般には知られていない。

このことが番組の字幕放送と違った非常に技術的にも、経費の上でも大きな困難があり、スポンサー、キー局、ローカル局の技術者など多くの関係者の挑戦により実験が重ねられてきたことに敬意と感謝の意を表したい。

ラビット 記
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花王、字幕付きテレビコマーシャルを自社提供番組で放送:Garbagenews ...
花王の字幕付きのテレビコマーシャル
【花王(4452)】は2012年1月12日、字幕付きの
テレビコマーシャルを同年1月13日から3月末までの予定
で、同社提供番組の一つ「A-
Studio(スタジオ)」(TBSテレビ系列)にて放送すると発表し
た。同社では「難聴者やテレビ ...
http://www.garbagenews.net/archives/1883690.html

京王線で全線ストップ。あちゃ。

2012年01月12日 19時25分53秒 | 日記(つぶやき)
いま退社。駅まで来ると人身事故で電車が止まっていた。
電光掲示板の運行情報を見ていると運行情報メールが入ってきた。

昼の緊急地震警報の時は、運行情報メールがなかったから揺れも軽微なものだったらしい。

運行情報メールは昨日も届いていたが時間が1時間間違っていた。情報の信頼性に関わるのでよく確認して欲しい。

明日の総務省の研究会のプレゼン資料を仕上げようと思っていたが仕方がない。駅前のマックで練るか。

ラビット 記
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京王電鉄運行情報に関するお知らせです。

【京王線 運転見合せ】18時36分頃、芦花公園~千歳烏山駅間で人身事故の為、京王線は上下線で運転を見合せています。振替輸送を利用できます。運転再開は19時30分頃の予定です。

今後の情報は、以下のURLを参照ください。
http://www.keio.co.jp/j/

このメールの内容に関してのお問い合わせはご遠慮いただいておりますので、ご了承ください。

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KEIO MOBILE NEWS
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全難聴の国連の障害者権利条約に対する取り組み

2012年01月10日 05時24分39秒 | 真冬のニューヨーク
国連inNY 現地リポート
「国連障害者権利条約」傍聴・サイドイベントのリポートです

第8回特別委員会(12)2006年8月
http://kokuren2005.269g.net/category/229682-4.html
http://kokuren2005.269g.net/category/229682-3.html
http://kokuren2005.269g.net/category/229682-2.html
http://kokuren2005.269g.net/category/229682-1.html

サイドイベント2006年1月(9)
http://kokuren2005.269g.net/category/229681-3.html
http://kokuren2005.269g.net/category/229681-2.html
http://kokuren2005.269g.net/category/229681-1.html

第7回特別委員会(11)2005年8月
http://kokuren2005.269g.net/category/229679-4.html
http://kokuren2005.269g.net/category/229679-3.html
http://kokuren2005.269g.net/category/229679-2.html
http://kokuren2005.269g.net/category/229679-1.html

ロンドン五輪のスーパーハイビジョン、それよりも大事なことが。

2012年01月10日 00時00分30秒 | 放送・通信
これは、巨額の予算がかかると思うが、それより緊急災害時の字幕、手話、解説音声の体制を整備するのに使うべきではないか。

ラビット 記
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NHK、ロンドン五輪をスーパーハイビジョンで撮影!日本でも公開上映
2011年11月9日(水) 18時16分

日本放送協会(NHK)は9日、ロンドンオリンピックでスーパーハイビジョンの公開上映(パブリックビューイング)を実施すると発表した。

OBS(オリンピック放送機構)、BBC(英国放送協会)と共同で実施するもので、開会式や競技(具体的な撮影競技は未定)をスーパーハイビジョンで撮影し、日本3ヵ所(秋葉原、渋谷、大阪)、イギリス4ヵ所(グラスゴー、ブラッドフォード、ロンドン、IBC(会場))、アメリカ1ヵ所(ワシントン)で上映する。

スーパーハイビジョンは、ハイビジョンの16倍の超高精細映像と、22.2チャンネルの立体音響が特徴。現地で撮影された映像は、グローバルIP実験網を通して前述の3ヵ国に伝送される予定で、あたかも会場にいるかのような臨場感を味わうことができるとしている。

http://www.rbbtoday.com/article/2011/11/09/82816.html

マルチメディア放送のアクセシビリティの確保は?

2012年01月09日 23時42分20秒 | 放送・通信
新しい放送がまもなく始まるが、アクセシビリティはどのようになっているのだろうか。
テレビ電波を移行して空いた電波を利用した放送は、障害者の情報保障に役に立つ用途があっても良いのではないか。

ラビット 記
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【テクニカルレポート】携帯端末向けマルチメディア放送サービスと技術の概要……NTT技術ジャーナル
2011年7月2日(土) 12時00分
2011年7月に予定されている地上アナログTV放送終了後の周波数帯を用い、2012年春からISDB-Tmm方式による携帯端末向けマルチメディア放送がサービス開始される予定です。本サービスのシステムの一部にはNTTのR&D技術も適用されています。本稿ではサービスとそれを支える技術の概要について解説します。

■マルチメディア放送とは
 2011年7月の地上アナログTV放送終了後の207.5MHz~222MHzの周波数帯を用い、2012年の春よりISDB-Tmm( Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial Mobile Multi-Media)方式を用いた携帯端末向けマルチメディア放送(マルチメディア放送)が開始される予定となっています。
 ISDB-Tmm方式は、地上デジタルTV放送(地デジ)で使用しているISDB-T(Terrestrial)方式に基づく放送方式であり、通信と放送という特徴の異なる2つの媒体の組み合わせでサービスを提供します。

 地デジの持つ優れた移動受信特性はそのままに、映像の高品質化、映像や音声をはじめとするさまざまな大容量ファイルの伝送、通信との連携強化などの拡張が行われた方式を使用することが大きな特徴です。また、システム構成は大きく「放送系システム」と「情報系システム」に分けられます。ここにNTTのR&D技術が適用される予定です(図1)。

http://www.rbbtoday.com/article/2011/07/02/78538.html

聴覚障害者のために防曇(ぼうどん)マスクの普及を。

2012年01月09日 14時29分52秒 | バリアフリー
口元が見える防曇(防曇)マスクのメーカーから案内があった。
特に医療、教育関係者には着用して欲しい。

ラビット 記
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平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
この度、感染予防・防曇透明マスク「ルカミィ」として、来年1月10日より「試験販売」を開始致します。
販売会社の連絡先、掲載URLを下記にご案内致します。
販売価格、注文方法は、「株式会社ミノウラ」SP事業部のホームページに掲載しておりますので、ご確認ください。
皆様の購入申込み、お待ち致しております。

◆お詫び◆
本情報掲載以前に、一部の方に誤った販売価格をご案内しておりました。正しくは、ホームページ掲載の通りとなりますので、ご容赦ください。
また、予告案内より掲載が遅れましたことお詫び申し上げます。

【製造・販売会社】 株式会社ミノウラ SP事業部
          〒130-8506 東京都墨田区緑1-24-4
          TEL 03-3632-6131
          e-mail Lookatme@mnr.co.jp
【試験販売情報掲載のURL】
          http://www.mnr.co.jp/sp/

以上、よろしくお願い申し上げます。

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ネットメロン有限会社
村松 英和
〒431-3114静岡県浜松市東区積志町126
(Tel&Fax)053-433-9217
(Mob)090-9204-5230(外出時)
URL: www.netmelon-inc.com
e-mail:h-muramatsu@netmelon-inc.com
(@は小文字に変更して下さい。ラビット)
twitter:Netmelon_Mura3
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「父娘」の主題は何か?

2012年01月09日 13時32分45秒 | 日記(つぶやき)
ろう者の抱える問題を取り上げたドラマか、父娘の愛のドラマかというと、どっちの意味合いが強いのか。

聞こえる世界と聞こえない世界はどうしようもない隔たりはある。聞こえない人は聞こえないだけでなく、コミュニケーションつまり関係性の障害を持つ。家族からも孤立してしまうことは珍しくない。

ネイティブの難聴者だが、幼少時は難聴であることの発見が遅れ、難聴者としての生き方は母には知らず、教師も分からず、腫れ物にさわるようだった。筆談も手話もない。家族との会話も教師の授業もほとんど記憶にない。
補聴器装用を勧めてくれた教師は難聴でも他の人と変わることはないと教えてくれた。今でも感謝している。

ラビット 記

パッケージソフトの字幕配信システムと今後の課題

2012年01月09日 12時20分19秒 | バリアフリー
「図書館所有DVDライブラリのバリアフリー化事業」
http://d.hatena.ne.jp/josei003-11/
に聴覚障害者用字幕と権利制限についての記事を見たので、以下のようなコメントを投稿した(一部加筆)。

MASCの字幕配信システムは、パソコンでパッケージソフトを視聴する時にサーバーにある字幕をダウンロードして同期してみるものだが、インターネットに接続した地デジテレビの普及や各種の動画サイトで映画の配信が行われるようになって来た今、効果的なシステムだ。

しかし、方式がパッケージに字幕が含まれているか、配信した字幕を見るかの違いがあってもコンテンツ制作者は字幕、手話、解説音声などを提供する義務があると考える。これが映像コンテンツのユニバーサルデザインだろう。
その上で、コンテンツ制作者の事業規模により字幕制作等の制作補助金が受けられる制度が必要となる。

ラビット 記
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いつもお世話になっています。

映像に対する字幕配信は、パソコン通信の時代からテレビ放送に対してチャット方式で行われていました。その後インターネットの普及にともない、IRCによる字幕配信が行われています。
パッケージソフトに対する字幕配信をするMASC方式の原型は、電話キャプテンサービス回線で著作権者の許諾を得た字幕をダウンロードしビデオ映像の音声と同期させてみる飯田電子設計の「見栄多」TOD2000により技術は完成していました。
http://www.normanet.ne.jp/~mimi/mimi365.html#MIETA

なぜ、映像の複製を障害者団体が求めたかと言うとテレビ放送番組の手話付加のためです。それも緊急災害時の放送番組に手話と字幕を付与して再配信するためには、映像、音声が不可欠だったのです。普段見る番組を録画してみる人はいませんから、字幕・手話を再配信した時に元の映像がありません。

今後のことですが、コンテンツそのものに字幕・手話、解説音声を入れて販売、提供する。それを視聴者がオンオフしてみるのが一番妥当だと思います。
今はNHKオンデマンドでさえ、字幕が付いていないものがあります。字幕放送の字幕はストリーム配信の時には再利用出来ない何かがあるようです。
この問題も解決して欲しいものです。
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聴覚障害者用字幕と権利制限について
http://d.hatena.ne.jp/josei003-11/20120108/1325993685

平成22年1月1日。「著作権法の一部を改正する法律」が施行されました。

この中で、障害者のための著作物利用に係る権利制限の範囲の拡大が行われ、映画や放送番組の字幕の付与,手話翻訳など,障害者が必要とする幅広い方式での複製等を可能とすること。また、障害者福祉に関する事業を行う者で政令で定める者(視聴覚障害者情報提供施設や大学図書館等を設置して障害者のための情報提供事業を行う者や,障害者のための情報提供事業を行う法人等のうち文化庁長官が定める者)であれば,それらの作成を可能とすることとなりました。

当メディア・アクセス・サポートセンター(以下MASC)は障害者福祉に関する事業を行う者として文化庁長官が定める指定団体です。(以下、略)

難聴者の「手話言語法論」(5) 人工内耳

2012年01月08日 20時32分42秒 | 権利
外国では手話言語法があることで新生児スクリーニングで難聴の疑いがあると人工内耳や補聴器の装用のすすめに加えて、手話によるコミュニケーション、教育の提示がされなければならなくなっているとのことだ。

以前は、ろう・難聴の乳幼児の人工内耳の装用そのものを批判していたが人工内耳・補聴器に対比した手話という選択肢の保障を求めることになったのか。

乳児の感覚器、言語野の発達プロセスに聴覚補償がよいのか手話が良いのか、どっちが先かとか研究はあるだろうが結論が出ていないのではないか。
大人の人工内耳装用者からすれば手話も有用だ。

諸外国で手話言語法が制定される際に、他の障害者、難聴者等がどのような態度を示したのか、今年6月にはノルウェーベルゲンの国際難聴者会議で聞いてみたい。
しかし、国際的には難聴者は手話を使わない人の組織になっているので、日本の難聴者が手話も筆談も使っているのは特別な存在だ。

ラビット 記

難聴者の「手話言語法論」(4)NHK「ろうを生きる、難聴を生きる」

2012年01月08日 20時22分47秒 | 権利

1月8日にNHK「ろうを生きる、難聴を生きる」で、全日本ろうあ連盟の手話言語法制定事業の取り組みが放送された。
全日本ろうあ連盟の手話対策部長の西滝氏が出演して、司会の問いに答える形で構成されたものだ。

手話言語法は何をねらいとしているかの問いに、言語とされた手話を使う人が差別をされない、権利が保障されるための法律という。
手話を言語して規定する法律ではなく、手話を使う人の権利を守るための法律ということだ。
手話を使う人はろう者以外にはあげられていない。

具体的には5つの権利があると説明された。この中で一番基本的な権利として手話を獲得する権利としている。

5つの権利はどれも守られなければならない。同時に難聴であっても音声で教育を受ける権利、生活する権利も守られなくてはならない。
障害者権利条約のコミュニケーションの定義に音声、補聴援助システムによるコミュニケーションが明記され、言語の定義は音声言語と手話は対等だ。
これにどのような法整備が必要か、早急に検討したい。

ラビット 記
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難聴者の「手話言語法論」(3)難聴者の手話学習の意味

2012年01月08日 12時33分36秒 | 権利
手話はろう者だけが使っているのではない。
中途失聴者、難聴者も手話を学ぶ人が増えている。東京都の中途失聴者・難聴者対象の手話講習会は入門から上級まで三田4クラス、多摩3クラスあり、毎年100人以上が手話を学び2年間で修了する。
その他に協会主催の応用クラスが合計4クラス、手話サークルが昼と夜とある。高齢難聴者生きがい講座でも手話を学ぶ人で会場がぎっしりだ。さらに手話はどうしても指が動かないという人のために、「手を動かす会」がある。手話を「学んでいる」人だけで月に延べ数百人になる。

難聴者が手話を学ぶのは、聴覚以外の新しいコミュニケーション方法のひとつとして身につけるためだ。中途失聴者、難聴者(以下難聴者等)は音声言語を母語にしているので、音声の補完的な利用をしている。完全失聴者も音声を手話をキーにして「聞いている」とも言える。会話の環境、相手のコミュニケーション方法に応じて読話、手話、音声、要約筆記のミックスされたコミュニケーション方法を使っている。
もう一つの理由は、難聴者としての自分を確立するためだ。難聴者として生きることを同じ難聴者等と手話を学びながら自覚して行く。家庭や社会から孤立した自分を蔑みと哀れみを受ける惨めな人間から一人の尊厳を持った個人へと改革する。これこそ手話の力だと思う。

手話で会話している難聴者等の「手話」が何か、日本手話でないとか手指日本語であるとかの議論は、社会から孤立した難聴者等の生きようとする気持ちを支えるものにはならない。
難聴者の手話は言語学的な意味付けよりは、難聴者等のコミュニケーション、自立支援の意味付けが重要だ。

東京都の中途失聴者・難聴者手話講習会は、昭和47年頃からベル会館廃止反対運動の中で、中途失聴・難聴者こそ手話を学ばなければならないとして当時の東京都と交渉して昭和50年から始まった。運動の中で始まったことは象徴的だ。
東京都の中途失聴者・難聴者向け手話講習会は何度となく廃止の危機にあったが、その事業の意義を理解した関係者の努力で以来36年以上も続いている。

社会の差別を受けているのは、手話を母語とするろう者だけではなく難聴者等もまた差別を受けて虐げられている。難聴者等が手話を学ぶことはこの差別を自覚した難聴者になるためでもある。
手話言語法制定の運動の中に、このことを含めたい。
(続く)

ラビット 記

難聴者の「手話言語法論」(2) 手話言語法等言うと

2012年01月08日 00時56分16秒 | バリアフリー
手話言語法の取り組みに弾みがついたのは、昨年7月29日障害者基本法の改正法案が成立したからだ。

第3条(地域社会における共生等)
「三 すべて障害者は言語(手話を含む。)その他の意志疎通のための意志疎通のための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られること。」

言語に手話を含むとされたことで、手話が言語として認められたとしている。もちろん日本の法律にこのことが記述されたのはもちろん初めてだ。

ここで、やっと手話が言語として認められた、「手話言語法」が必要だとして、「手話言語法」というネーミングで取り組みが始まったことで、関係者に戸惑いと誤解が生じることになった。
「手話言語法」という名称からは、手話を言語と規定するための法律のように受け取れるからだ。
法律で言語問題に入ると手話がどのように言語として機能しているかとか、言語をどのように獲得するかという問題に入っていってしまうのではないか。日本語はどうなんだということにならないか。

この手話が言語に含むとされたので、言語的な位置づけではなく、手話をコミュニケーションや思考の手段とする人々の問題、社会で差別を受けている問題を解決するための梃子にする法律であるべきだろう。
そういう視点がなければ他の障害者や市民の理解が得られない。

手話を用いるろうあ者が日本の歴史の中で、救済施策もない中で劣悪な生活を余儀なくされ、未だに就労や就職、教育で差別を受けている実体がある。
(続く)

ラビット 記