永遠のスタンダードナンバー・「白鳥」

ＴＶ「題名のない音楽会・レーピンの音楽界」で、ロシアのヴァイオリニスト、レーピンさんの演奏を聴かせてもらいました。
世界的な演奏家なのに、絶えずにこやかな笑みをたたえた　優しそうな人です。
バレエダンサーの奥さまと共演するときだけに弾く、という曲を、特別に弾いてくれました。
今回　奥さまは客席にいらしたので、その彼女に向けて。
曲は「白鳥」です。
フランスのサン・サーンスが作曲した組曲「動物の謝肉祭」の中の１曲で、オリジナルはチェロの曲ですが、本日はヴァイオリンによる演奏で、チェロで聴くのとはまた違った、繊細なイメージでした。

この「白鳥」、もともとの「動物の謝肉祭」としてよりむしろ、組曲を飛び出し、単独で演奏されることの方が多いかもしれません。
本来のチェロ演奏はもとより、その他にもヴァイオリンやヴィオラ、フルート、ピアノ・・・
バレエのジャンルでは「瀕死の白鳥」というタイトルでの　優雅な踊りで、多くのバレエダンサーが演じています。
私も、これまでに何度も演奏したことがあります。
一人でピアノソロをしたこともありますし、エレクトーンで弾いたこともあります。
ヴィオラとの共演、フルートとの共演、また　バレエダンサーの方との共演も。
そして生徒や友人のためにアレンジして、ピアノとエレクトーンのアンサンブルや　ピアノの連弾を設定したこともあります。

作曲者のサン・サーンスが、「動物の謝肉祭の中で、たった１曲、マジメに作った曲」と言っていた「白鳥」。
作られてから約１３０年も経った今日でも、いまだその新鮮さや魅力をそのままに、世界中で　いろいろなスタイルで演奏され続けている「白鳥」。
この「白鳥」のような曲こそ、真のスタンダードナンバーと呼ばれるにふさわしい楽曲であると、わたくしヒバリピーコは思うのであります。
考えてみましょう。
クラシック音楽の歴史の中（それ以外のジャンルの音楽を加えたとしても）これほどの長い間、コンスタントに「現役」としてあらゆるジャンルに生き続けている曲が、ほかにあるでしょうか？
あなたも、一度は演奏してみては。
ピアノで、あるいはオルガンで、キーボードで。
なんならフルートやリコーダーで、ヴァイオリンやヴィオラやチェロのような弦楽器で。
バレエで踊るのもまた。
永遠のスタンダードナンバー、「白鳥」を　あなたもぜひ！