楽しんでこそ人生!ー「たった一度の人生 ほんとうに生かさなかったら人間生まれてきた甲斐がないじゃないか」山本有三

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リンデンバウムの話

2017年02月08日 06時13分36秒 | つれづれなるままに考えること
題名を見て、すぐに音楽の名曲「菩提樹」を思い出された方を、
ボクは尊敬します。

なぜならボクは戦争のお陰で、
音楽の授業が受けられず、音楽たるや何もわからないで、卒業して来た。

息子や娘たちには、音楽が理解できなくて、
恥ずかしい思いをしないように、
しっかり音楽を教えたつもりである。
ボクの二の舞をさせたくないと思ったからだ。

子供たちには幼稚園に入るころからピアノを買い与え、
先生について音楽を習わした。
他に習わしたのは水泳、ボクは水泳が出来ないから、
これも泳げなくて恥ずかしい思いをさせないためである。

話を戻そう。

先の昭和天皇がヨーロッパ旅行をされた時、
ドイツで菩提樹の花が咲いているのを指さして、
「あれは何という木ですか?」
と侍従長に聞かれた。

侍従長は、ドイツ人のガイドさんに訊ねて答えた。
「はい、あれは菩提樹でございます。」と。

昭和天皇はさらにお訊ねになった。
「菩提樹と言うことは解っています、なんという菩提樹ですか?」
と重ねてお訊ねになったのだ。

昭和天皇のご趣味は植物学で、著名な植物学者として知られる。
侍従長は、それを思い出し、はたと弱ってもう一度ドイツ人のガイドさんに訊ねたが、
ガイドさんはそれ以上は知らなくて、侍従長ともども黙り込んでしまった。

しばらくして、一計を案じた侍従長が答えたそうだ。
「陛下、あれは西洋菩提樹でございます」と。

事情を察知して、天皇が、
「あっ そう」
と答えられたと言う。

有名なエピソードだ。

この回答の、
「あっ そう」
は天皇の口癖であることは国民がみんな知っている。


その天皇がイタリアに巡行された晩さん会で、
イタリアより饗応されたワイン、
「モンテプルチアーノ」

その後、

イタリア旅行をしたとき酒屋を訪ね、
見つけたこのワイン「モンテプルチアーノ」を自分の土産に買って帰った。
一国の主に饗応されたワイン、Royal of Japan とラベルに書いてある。
余程おいしいに違いない、そう思って・・・・。

旅行から帰り、落ち着いたところで、
このワインを飲んでみたが、ロイヤルと思い過ぎてか、
ワインに飲まれてしまったようで、味がよく解らなかった。

カミさんに言わせると、
「ワイン好きでなくても口当たりが良くていただけます」
との事であった。

イタリアで一番美味しいワインはこれだ、と言うのではなく、
ひょっとすると昭和天皇にも飲み易いように、
イタリアのシェフが選んだのかもしれない。

そう思ったとたん、急に気軽になって、
次の夜、そのワインの残りを気持ちよく平らげてしまったのは言うまでもない。




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