16日朝の産経新聞がNYタイムズの15日電子版を紹介しています。
米国と欧州の当局者の話として、「ウクライナ軍が6月上旬に開始したロシア軍に対する反攻作戦の最初の2週間で、戦場に投入した兵器の20%を失った」と報じています。
プリゴジン氏による「モスクワへの軍司令部に対する抗議の行進」も僅か2日ほどで終息しロシアのプーチン体制への長期的な影響はともかく、目に見える形でウクライナの反転攻勢に役立ったとは素人目にも見えません。
そして、話は、その後ウクライナ軍が(正面突破の)戦術を変更したため、2週間目以降の損害率は10%まで低下したという。
長距離砲・ミサイルによる攻撃は兵器の損傷を抑えたでしょうが、前進する距離は計画通りにはなっていない様です。
つい1週間前にはcccでNATO首脳会議が行われ、更に長期にわたる支援とG7による保証も取り付けましたが、反攻作戦が拙速でも機能しないとウクライナ側にもウクライナ側にも不都合な事情が出てきそうです。
どちらも妙手より下手を打たない方が有利になるような気がしますが、どうなるでしょうか? 気になります。
写真:反攻当初のウクライナ兵(AFP/BB)
産経新聞:
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT、電子版)は15日、米国と欧州の当局者の話として、ウクライナ軍が6月上旬に開始したロシア軍に対する反攻作戦の最初の2週間で、戦場に投入した兵器の20%を失ったと伝えた。失われた兵器には欧米から供与された戦車や兵員輸送車なども含まれている。その後、ウクライナ軍が戦術を変更したため、2週間目以降の損害率は10%まで低下したという。
NYTは損害率が低下した理由について、ウクライナ軍が露軍の防衛線の突破を狙う強攻策を中止し、長距離攻撃で露軍を疲弊させる方針に転じたためだとした。この結果、ウクライナ軍は兵力や兵器を温存できたとしている。
NYTは一方で、損害率の低下は反攻速度の鈍化を反映しているとも指摘。ウクライナ軍は当初、露軍の支配下にあるアゾフ海沿岸の「陸の回廊」の分断を狙ったが、現時点ではそのために必要な100キロの前進のうち、10キロの前進にしか成功していないとした。
ウクライナのマリャル国防次官も13日、回廊の分断を目指す南部ザポロジエ州方面での反攻で「ウクライナ軍は確保した陣地を強化しつつ、露軍の弾薬庫の破壊を続けている」とし、強攻策の見直しを示唆した。
反攻に関し、ロシアはウクライナ軍に2万6千人以上の人的損害を与え、戦車など3千以上の兵器を破壊したと主張。ウクライナはザポロジエ州方面でこれまでに計168平方キロメートルの領土を解放したとしている。
一方、露治安機関「連邦保安局(FSB)」は15日、ウクライナ諜報機関の指示により露国営メディアグループ「RT」のシモニャン編集長と露著名ジャーナリスト、ソプチャク氏の暗殺を企てた「ネオナチグループ」を摘発したと発表した。タス通信が伝えた。
FSBは、グループがウクライナ側から殺害1件当たり150万ルーブル(約230万円)の報酬を約束されていたと主張した。
ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は15日、暗殺計画へのウクライナ側の関与を否定した。同国メディアが伝えた。
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