この記事の投稿は22日の朝ですが、現地時間20日の南ア政府関係者の「8月に開催されるBRICS首脳会議に関する、記者説明会で「国際法は順守しなければならない。ICCを脱退するつもりはない」との見解を引用し「プーチン大統領のBRICS出席を事実上拒否」した(と現地記者が判断し)と報じたようです。
既に、南アで行われるBRICS会議に出席すればICCに加盟する南アは「プーチン大統領を逮捕する義務が生じる」ので、ICCの加盟を重く見るか? プーチン大統領の出席を重く見るか? 政治的判断が問われていていました。
プーチン大統領は「オンライン参加」になりそうです。ロシアの大統領が海外で行けない場所が出来た事が明らかになり「顔に泥を塗られましたかね?」
記事は更にこの決定を見て、ホッとしているのはインド政府(モディ首相とは書いてありません)と言及しています。
インドはこの20日に、9月開催予定のG20全首脳に招待状を送ったと発表した。プーチン氏の出欠には言及しなかったが、南アの決定が先例となり、対面出席はほぼ絶望的だ(と記事は見ています)。
インドはICCに非加盟ですが、南アの決定を参考に(ICCの協力要請を考慮する事で)プーチン大統領の対面出席は難しいとでも伝えるのですかね?
今後プーチン氏の外遊先は、中央アジアなど一部に限定されそうだそうです。
思わぬところでICCの国際手配が効いてくるのに驚いています。
写真:プーチン露大統領(ロイター)
読売新聞:
【ヨハネスブルク=笹子美奈子】南アフリカで8月に開催される新興5か国(BRICS)首脳会議へのプーチン露大統領の対面出席が見送られた。南ア政府が、国際刑事裁判所(ICC)から戦争犯罪の疑いで逮捕状を出されているプーチン氏の出席を事実上拒否したとみられる。プーチン氏は今後、外遊先が絞られることになりそうだ。
BRICS首脳会議は、ICCが3月、プーチン氏に逮捕状を出してから初の主要国際会議となる。プーチン氏が訪問した場合、ICC加盟国の南アは、拘束義務が生じるため、判断が注目されていた。
ロシアは対面出席を認めるよう、南アに圧力をかけていた。南ア政府は7月19日、プーチン氏のオンライン参加を発表した。6月にシリル・ラマポーザ大統領が訪露した際、プーチン氏と協議の上、「相互に合意」して決めたという。
南アはICCとも協議したことを示唆した。南ア政府関係者は20日のBRICS記者説明会で「国際法は順守しなければならない。ICCを脱退するつもりはない」と述べた。
南アはロシアの友好国だ。ウクライナ侵略を受けた昨年3月の国連緊急特別総会で、ロシア非難決議などの投票を棄権した。今年2月には合同軍事演習を開催した。プーチン氏は対面出席により、ウクライナ侵略を巡り米欧と一線を画す新興国・途上国「グローバル・サウス」での影響力を誇示する狙いだったが、はしごを外された。
南アの決定により、主要20か国・地域首脳会議(G20サミット)を9月に開くインドは胸をなで下ろしたとみられる。インドはICC非加盟で拘束義務はないものの、ICCは非加盟国に対しても、協力要請状を送ることが想定される。
インド政府は20日、G20全首脳に招待状を送ったと発表した。プーチン氏の出欠には言及しなかったが、南アの決定が先例となり、対面出席はほぼ絶望的だ。今後プーチン氏の外遊先は、中央アジアなど一部に限定されそうだ。
対照的に、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は今春以降、外遊を活発化させている。欧州諸国は渡航用の航空機の便宜を図っている。国際会議ではプーチン氏の影が薄くなり、ゼレンスキー氏の演説が幅をきかせる場面が増えそうだ。
(引用終わり)