人生チャレンジ20000km~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

アキバについていきたかった私

2007-09-27 23:05:29 | 芸能・スポーツ
アキバに付いていきたかった私(日経ビジネスオンライン)

読んでみた。
申し訳ないが私の感想は「ご苦労様」の一言に尽きる。
そうまでしてオタク文化に付いていきたいという理由がよくわからない。

メガヒットが続き、本当の意味で活況を呈するオタク界がインターネットという新しい武器を得て輝いていた90年代末~2000年前後ならともかく、今頃になってオタク文化への新規参入ですか、という「後追い感」は否めないし、文章全体にどことなく「空回り感」も漂う。

それに、オタク界に入るきっかけというのはこのような意識的なものではなく、無意識的なものが大きいのではないだろうか。
噛み砕いて言えば、体育会系サークルじゃないんだから、オタク界に本当に入りたいならもっと斜に構えるくらいの意識で肩の力抜けよ、ということである。この人のように一大決心をして「よし、入るぞ」と両手の拳に力を込めて入るのがオタク界だとはどうしても思えないのである。
むしろもっと単純に、たまたまなんとなく見たアニメがおもしろかったとか、あの声優が素敵だとか、このキャラに萌えてしまい、気づいたら引き返せなかったというような、ある種の「運命の出会い」的なものがきっかけの人が多いはずである。
私には、申し訳ないが降旗氏がオタク青年を追いかけ回して何も引き出せなかったのは当然と思える。なにせ入り口からすでに間違っているのだから。認識してほしいのは、この世界には入れる人とそうでない人がいるということである。中には私のように、最初は合い鍵を持って入れたとしても、自分の鍵が次第に合わなくなり、入っていけなくなる人もいるのだ。

今、何も知らないマスコミの論調に踊らされて、「日本のオタク文化がこれから世界を席巻する」とか「ハリウッドも評価してやまないジャパニメーション(この用語自体がある種の蔑称で、オタクがこの用語を使うことはない)」とか思っている人がいるとしたら、とんでもない思い違いだと指摘しておく。むしろ事態は全く逆であり、今のままでは日本のアニメ業界はあと5年持つかどうかという崖っぷちに来ている。

信じられないと思う方もいるかもしれないが、今、古くからのオタク仲間と再会して話をしてみると彼らもだいたい同じ認識を持っている。ストーリーも物語の筋もなく、ただ萌えやネタだけを追求するアニメの粗製乱造。どんなキャラクターのどんな声でも演じられることが声優の真の実力であるにもかかわらず、「このキャラの声にはこの声優」的な発想で場当たり的に組まれるキャスト、そしてその結果起こっている声優の育成放棄と使い捨て。すべてが猛スピードで衰退の道へ向かっている。
真のオタク達がこの世界に見切りを付けようとしているときに、肩に力を入れてこの世界の扉を叩こうとしている人が滑稽に見えて仕方ないのである。

オタクからはあまり受けはよくないが、きちんとストーリーを立ててそれを中軸に据えた作品を送り出している宮崎駿のほうがよほどまともだと思えてくるし、彼を評価する海外のほうがある意味、本当の眼を持っているのではないかと最近私はよく思う。
箱物行政や産業への補助金投入には積極的でも、文化にはケチ臭い金しか出さない日本人は、オタク趣味においても本当の審美眼を失いつつあるのではないか。そのことのほうが私にはずっと深刻なように思う今日この頃である。

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