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ブルトレとともに運転士も引退

2008-02-23 23:43:11 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
ブルトレとともに運転士も引退(産経新聞)

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 3月14日が最後の運行となる寝台急行「銀河」と寝台特急「なは・あかつき」の廃止を惜しむのは、鉄道ファンばかりでない。国鉄時代から33年にわたり機関車を運転してきたJR西日本大阪電車区の運転士、宮城日出男さん(59)は今年5月、これら3本のブルートレイン(ブルトレ)に続いて現役から退く。「定年退職したら、教え子が運転する客車に乗りたかったのですが…」。あとわずかとなったブルトレの乗務に、自らの半生を重ねる。

 宮城さんは昭和43年に国鉄に採用。当時としては若い26歳で機関士となった。最初はビールやセメントを運ぶ貨物列車を運転し、なめらかに減速するブレーキ操作を身につけていった。ブルトレに乗務できたのは10年余りたってからのことだ。

 「寝台料金と特急料金をいただくのに、お客さんを下手な運転で起こすわけにはいかない。食堂車の皿を割ってもいけませんしね」。無駄な操作をしないよう、坂やカーブなどの位置を必死で覚えたという。

 現在は電車乗務が8~9割を占めるようになったが、銀河の大阪-米原間、なは・あかつきの京都-姫路間を運転している。夏場は室温40度以上にもなる運転席で集中力を保たねばならず、勤務は深夜や早朝に及ぶ。

 けっして楽ではないブルトレの乗務だが、熟練した運転士しか任せられない花形の仕事でもある。今も希望する若手は多く、親子ほど年の離れた運転士からよく相談を受けるという。

 宮城さんは言う。「運転士はいい列車があると、いつか自分が乗るんだという目標を持って技術を磨いていくんです。そういう意味でも、ブルトレの引退は寂しい」
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…2007年の鉄道ブーム、「鉄子」ブーム以来、産経新聞は「我ら鉄ちゃん」コーナーまで設けて鉄道記事に力を入れているが、この力の入れようはいったいなんなのだろうか?

そのように力の入っている産経の鉄道記事の中には、半分くらいの割合で外したり滑ったりしているものもある。が、この記事は鉄道ファンの目で見て最も秀逸な部類に入る。
労働集約型産業である鉄道を支えるのはなによりも「人」である。そこに着目し、ひとりの鉄道マンの「生き様」を追った視点がすばらしい。

「運転士はいい列車があると、いつか自分が乗るんだという目標を持って技術を磨いていくんです。そういう意味でも、ブルトレの引退は寂しい」という古き良き時代を知る鉄道マンの言葉には重みがある。

戦前の鉄道省職員は、みんなSL機関士に憧れたという。鉄道作家の故・宮脇俊三さんは、みんながSL機関士になりたいと言っている時代に自分は通勤電車を運転したいと言ったら変わり者扱いされたと述懐している。

機関車は今も昔も運転士、鉄道ファンにとって憧れの的である。その機関車が牽引する客車列車がどんどん廃止されていくのは、たまらなく寂しい。

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