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米大統領選、民主党オバマ氏が当選

2008-11-05 21:12:24 | その他(海外・日本と世界の関係)
オバマ氏当選、米国初の黒人大統領(ロイター)

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[ワシントン 4日 ロイター]米メディアによると、4日投票が行われた2008年の米大統領選挙は、民主党候補のオバマ上院議員(47)が共和党候補のマケイン上院議員(72)に勝利し、米国初の黒人大統領が誕生することになった。

 オバマ氏は来年1月20日に第44代大統領に就任する。

 次期大統領は今後4年間、経済危機やイラク問題、医療制度改革などのさまざまな課題と取り組むことになる。

 マケイン氏は前回04年の大統領選で勝敗を決した場所となったオハイオ州を落としたほか、1964年以降共和党の牙城だったバージニア州を切り崩されるなど、一連の激戦州での敗北が響き、勝利に届かなかった。

 大統領選と同時に実施された連邦議会選挙では、改選前に上下両院で過半数を占めていた民主党がさらに議席を上積みし、地滑り的勝利を収めた。過去8年にわたるブッシュ政権が明確に否定される結果となった。

 キング牧師が人種差別の撤廃を目指す公民権運動を展開して45年後にケニア出身の黒人を父に持つオバマ氏の大統領就任が決まったことは、米国の歴史にとっても重要な意味を持つ。

 選挙戦の終盤になって、金融危機に対するオバマ氏のリーダーシップや提案が有権者から評価され、支持率が上昇した。出口調査では、有権者の6割が最優先課題として経済問題を挙げた。
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いろいろあってちょっとここ最近の私は鉄道ネタ以外、ブログ更新どころではないのだが、歴史的なことなのでやはりこのことには触れておこうと思う。

当ブログ管理人は、何はともあれ、ネオコン(新保守主義者)が実権を握っていたブッシュ政権の「暗黒の8年間」がようやく終わると思うとホッとする。ブッシュ政権の8年間、米国がやってきたことは戦争と破壊だけだと言っても過言ではない。

多くの人が、米国初の黒人大統領となるオバマ氏を祝福し、歓迎した。それはそうだろう。奴隷として米大陸にやってきた黒人が、差別と偏見を打破して米国の頂点に立ったのだ。建国以来、驚天動地の出来事には違いない。

しかし私は驚かなかった。既に1990年代(だったと思うが)新聞で見かけたあるニュースがずっと記憶に残っていたからである。
そのニュースとは、全米で行われた世論調査で、「21世紀の早い時期に米国に黒人大統領が誕生すると思いますか」「21世紀の早い時期に米国に女性大統領が誕生すると思いますか」の2つの質問に対し、半数以上の有権者がイエスと答えていたというものである。

私は、このニュースを見かけたとき、「黒人大統領も女性大統領も、誕生するなら民主党からで、共和党からというのは考えられないな」と思っていた。多くの日本人にとって、当時も今も「保守派の利害=共和党」「マイノリティやリベラル派の利害=民主党」というのが一般的な理解だろうと思う。

なによりも、共和党内で最近発言力を増している宗教右派(ネオコンとかなりの部分、重なり合う)が支配している地域では、学校で堂々と「進化論」否定の授業が行われているところもあるようなのだ。「人間は神がお造り給うた。アダムとイブがこの世の最初の人間だ」という、科学否定のトチ狂った教育が、本当に行われているようなのである。こんな連中が発言力を増している共和党から、黒人や女性の大統領候補が生まれるということは、ちょっと考えにくいと思う。

いずれにせよ、今回の大統領選挙は、米国史上最も興味深い選挙戦だったと私は思っている。民主党にとって不幸だったのは、マイノリティの象徴的存在だった黒人候補(オバマ氏)と女性候補(ヒラリー・クリントン氏)が同じ年の選挙で指名を競わなければならなかったことだろう。政治の世界はタイミングが重要であり、また政治家には「旬」もあるから仕方のないことではあるが、もしこの2人が別々の年に立候補していたら、そのどちらもが大統領候補の指名を受け、「初の黒人」「初の女性」の栄冠を手にしていたような気がするのだ。

もうひとつ。今回の選挙結果が私にとって嬉しかったのは、「米国民が定期的に政権を交代させる」文化を守ったことだ。実は、米国では第2次大戦後に限っていえば、同じ党が大統領を3期続けたことはない。すべて2期までで政権交代しているのである。
9.11テロ後の米国はそれまでと別の国になってしまったかのような雰囲気が漂っていたから、私は米国の戦後のこの伝統が破られることになるのではないかと心配していた。しかし、「定期的に政権を交代させ、政治の大掃除をする」という伝統は今回も守られた。このことは、米国の民主主義にとってものすごく重要なことだと思う。何があっても自民党政権から他の政権へ交代させることができない日本とは根本的に違っている。米国がうらやましいと、ふと私は思った。

ただ、オバマ大統領誕生を手放しで喜んでいいかというと、必ずしもそうではないだろう。オバマは本当にハト派なのかという論考も発表されている。やはり相手は世界の超大国なのだ。

世界初の黒人大統領が米国に、そして世界の前にどんな政策を打ち出すのか。当ブログは今、不安と期待が相半ばする気持ちで海の向こうを見つめている。

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