安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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草津線~信楽高原鐵道乗り潰し

2008-11-02 23:55:00 | 鉄道・公共交通/安全問題
大阪滞在2日目。今日の予定を、未乗車になっていた信楽高原鐵道乗り潰しと定め、同時にJR草津線にも乗ろうと決める。草津線は、以前1度乗っていると思ったが、不覚にも乗車記録の整理を忘れ、乗っていながらどうしても乗ったとの確信が持てないJRで唯一の線だ。この際、もう1度乗って乗車を確実なものにしておきたかった。

朝、宿泊していたホテルを出て、まずは西九条から未乗車区間の阪神西大阪線に乗る。尼崎から再び西大阪線で西九条に戻り、環状線で天王寺へ。天王寺から関西本線で木津へ行き、再び天王寺へ戻る。環状線で大阪に出たところで、ちょうど長旅を終えてきた日本海(写真)に出会った。

草津から草津線に入ると、東海道線では全く感じなかったゴツンゴツンという振動を感じる。保線が行き届いていないのか、それとも車両に問題があるのか?

草津線貴生川行きに乗り、貴生川から乗り継いで柘植まで乗り通す。乗ったかどうかあやふやだった草津線。これで乗車したと胸を張って言えるようになった。今度こそ乗車記録をきちんとつけておこう。

柘植駅は亀山鉄道部の管轄だから、icocaエリア外なのではないかと思い、貴生川では改札を出て切符を買っておいたが、正解だった。やはり柘植には自動改札がなく、手持ちのsuicaでは危うく出られなくなるところだった。柘植駅には自動券売機さえなく、窓口で貴生川までの切符を買い、折り返す。

貴生川駅は、草津線のほか近江鉄道(写真)、信楽高原鐵道(写真)が交わる要衝だ。駅のホームには安全の碑が建っており、「S53.7.1 天鉄局長 渡辺勇作」という文字も刻まれていた。鉄道安全を願って、国鉄マンが建てた碑である。

だが、この安全の碑が建つ駅を起点とする信楽高原鐵道で、JR西日本は1991年5月14日、42名が死亡する正面衝突事故を起こしてしまった。この事故の詳細は、京都新聞の特集記事「赤信号で走った列車」が上手くまとめているのでここでは触れないが、全線1閉塞だったこの鉄道が、JRからの直通臨時列車をさばくため、輸送量を増やそうとして小野谷信号場を設置した際、信号に異常があったものとされている。ちなみに、事故の原因を作った小野谷信号場は、今では廃止され、信楽高原鐵道は再び全線1閉塞運転の静かな鉄道に戻っている。(信号場跡の写真

信楽駅には、この事故を契機に発足した鉄道安全推進会議(TASK)の活動を伝えるパネル(写真)も掲示されていた。

JR西日本が、この事故の時に真摯に反省し、安全対策に全力を挙げていたら、2005年の尼崎事故は起こらなかったに違いない。107名を死亡させたJR史上最悪の事故は、この時の無反省がもたらしたのだ。JR西日本は、30年前、貴生川駅に安全の碑を建てた渡辺天鉄局長の声が聞こえなかったのだろうか? そもそもJR西日本の幹部は、ここに安全の碑が建っていることを知っているのだろうか?

信楽訪問を終えた私は、大阪に戻り、10月に開業したばかりの京阪中之島線に乗ってみた。

「なんじゃこりゃ?」が正直な感想である。路線延長自体、極めて中途半端だし、既存路線(天満橋~淀屋橋)とほぼ並行している。開業から半月しか経っておらず、ご祝儀の初乗り組が多数来ているかと思ったら、乗客もまばらだった。案の定、利便性向上に寄与しない開発優先の鉄道(JANJAN)などと批判されている。関西大手私鉄5社の中では最も経営が厳しいといわれる京阪が、こんな路線を押しつけられて、将来の重荷にならなければいいのだが…

【完乗達成】阪神西大阪線、信楽高原鐵道、京阪中之島線(新規開業線)
※草津線は、記憶が曖昧ながらも、乗車済みとして記録が整理されているので、ここで完乗達成路線には掲げない。

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