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負傷者を手当てした看護師が提訴 尼崎JR脱線事故で

2008-11-14 22:03:46 | 鉄道・公共交通/安全問題
負傷者を手当てした看護師が提訴 尼崎JR脱線事故で

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 JR福知山線脱線事故で負傷者の救護にあたった兵庫医科大病院(兵庫県西宮市)の元看護師の女性(35)が、「事故の惨事に直面して心的外傷後ストレス障害(PTSD)になった」として、国に労災認定を求める訴訟を、18日に神戸地裁に起こすことが14日、わかった。

 女性側の弁護士によると、女性は事故発生直後から病院で負傷者の治療にあたったが、事故数日後から不眠や感情が不安定になるなど、強いストレスに悩まされるようになった。事故から2カ月後、女性はPTSDと診断され、今年7月に退職した。

 女性は18年3月に労災申請。西宮労働基準監督署が退けたため、兵庫労働者災害補償保険審査官に審査を請求したが、今年7月に同審査官は「女性は救急医療に長年携わっており、事故に伴う業務が症状の原因とは認められない」として再び請求を退けていた。

 同病院では事故後、この女性を含めて2人の看護師が症状を訴えたため、カウンセリングを受けさせるなどの対応をとったという。
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「女性は救急医療に長年携わっており、事故に伴う業務が症状の原因とは認められない」として労災申請が却下されたとのことだが、記事にあるとおり、他にも2人の看護師が同様の症状を見せているとのことであり、やはり業務に起因するものとしか考えられない。

逆に、救急医療に長年携わっている人だからこそ、1度に大量の負傷者を治療せざるを得なかったと想像されるわけで、病院がその後、3人の看護師の異常に気付いてカウンセリングを行ったという経過から見ても、労災を認定すべきケースである。

そもそも、看護師がPTSDになった原因は、未曽有の事故を引き起こしたJR西日本にこそあり、彼女たちにはない。労災が認定されるのは当然としても、本来ならJR西日本が彼女たちの献身的な治療行為に対して謝意を表明し、PTSD発症後のカウンセリングも面倒を見るくらいのことがあってしかるべきだと当ブログは考える。

このようなことが続けば、大規模災害や事故などの際「真面目に治療しても報われない」との無力感が医療関係者の間に広がり、ただでさえ絶望的な人手不足に苦しんでいる医療現場から負傷者の治療に名乗りを上げる人がいなくなってしまうのではないか。

事故を起こしておきながら、後遺症に苦しむ関係者に知らんぷりを決め込むJR西日本、それに加担するように彼女たちを放置し、救済の道を閉ざす労働行政に、当ブログは強く抗議する。

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