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【尼崎事故】地検説明会、「天皇」不起訴に不満噴出

2009-07-28 23:05:00 | 鉄道・公共交通/安全問題
福知山線事故で地検が遺族らに異例の説明会(読売新聞)

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 兵庫県尼崎市で2005年4月、乗客106人が死亡したJR福知山線脱線事故で、神戸地検は26日、遺族、負傷者を対象に説明会を開いた。

 JR西日本の山崎正夫社長(66)を業務上過失致死傷罪で在宅起訴し、歴代幹部11人を不起訴(嫌疑不十分)にした理由などを報告した。多数の遺族らを集め、検察が捜査結果や処分内容を直接伝えるのは異例。初公判は来年になる見通しで、地検は今後も節目に説明したいとしている。

 説明会は地検庁舎内で、遺族と負傷者らを分けて非公開で開かれ、遺族83人と負傷者ら44人が出席。地検は刑事部長と担当検事が説明した。出席者によると、担当検事は、事故現場を急カーブに付け替える直前の1996年12月、JR函館線で起きた脱線事故について、当時、鉄道本部長だった山崎社長が、同月と97年1月の2回の部内会議で「自動列車停止装置(ATS)があれば防げた」と報告を受けていたことを明らかにし、山崎社長が現場カーブの危険性を認識していたため起訴したと説明した。

 一方、井手正敬元社長(74)ら歴代3社長については、検事は「仮に会議で、ATS設置の提案があり、却下したのであれば、3人の過失責任を問うことは可能だが、そうした会議記録はない」などと不起訴の理由を説明した。

 出席者は、山崎社長の起訴を評価する一方、3社長が刑事責任を問われないことについて、「山崎社長に対する監督責任もないのか」などと不満を訴えた。

 これに対し、刑事部長は「我々も何とかしたいと捜査してきたが、限界があった。忸怩たるものがある」と話した。

 説明会後、記者会見した一部の遺族は、3社長の不起訴を不服として8月上旬にも検察審査会に申し立てることや、山崎社長の公判で被害者参加制度を利用することを明らかにした。
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「法の限界」JR旧経営陣不起訴 地検、遺族らに説明(神戸新聞)

 尼崎JR脱線事故で、JR西日本の山崎正夫社長(66)を業務上過失致死傷罪で在宅起訴した神戸地検は26日、被害者を対象に処分結果などについての説明会を開いた。午前に遺族83人、午後に負傷者ら42人が出席。遺族、負傷者の双方から、井手正敬元会長(74)、南谷昌二郎顧問(68)、垣内剛顧問(65)の旧経営陣3人を不起訴としたことに対して不満の声が相次ぎ、地検側は「刑法の限界」と繰り返した。

 地検による被害者対象の説明会としては全国的にも過去に例がない規模となった。午前、午後とも非公開で、地検は「被疑者一覧」などを配り、検事が説明したという。

 地検は、現場のカーブ付け替え時に鉄道本部長だった山崎社長が自動列車停止装置(ATS)を付けなかった理由を「路線ごとの整備に固執した」「運転士への過度の信頼とハード軽視の発想があった」などと説明。運転士を追いつめたとの指摘がある日勤教育や過密ダイヤは「何の問題もないわけではないが、運転士が死亡しており因果関係の立証は難しい」とした。会社組織の責任追及に関しては「業務上過失致死傷罪での主体は、現行法では個人に限られる」と述べたという。

 質疑応答では、井手元会長らの責任を問う意見が相次いだが、地検は「安全面の権限を山崎社長に委任していた」「企業体質を作ったことで過失を問えない」などと答えたという。

 一部の遺族は8月にも旧経営陣の処分不当を検察審査会に申し立てる見通し。被害者参加制度の活用も検討している。

 神戸地検の山根英嗣次席検事の話 今後も刑事手続きの節目ごとに遺族および負傷者の方々に、懇切な説明を尽くしていきたいと考えている。
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企業犯罪は経営幹部とともに法人にも両罰規定を適用できるようにすること、事故を予見できなくても結果の重大性のみで幹部の刑事責任を問うことができるような方向での法整備が急務と考える。

2009年ももう7月が終わろうとしているが、JR東日本・西日本両社が法令違反で行政処分や刑事訴訟の対象となった今年が国鉄民営化政策の転機の年となることは間違いないだろう。

みずからの品行もコントロールできない企業に公共交通の運営をこれ以上任せられない。安全対策やコンプライアンスも重要だが、JRの「病」はそうした対症療法で解決できるような軽いものではないのではないか。

民営JR体制22年の「過去の清算」を行い、公共交通を国民の共有財産に戻すため、大胆な「民営化見直し」を提起するときが来ているように思う。

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