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沖縄訪問、補足

2010-06-08 22:59:05 | 鉄道・公共交通/交通政策
沖縄滞在中、地方紙「沖縄タイムス」に興味深い記事が出ていたのでご紹介しておこう。

本島縦貫鉄道要望へ ポスト振計で県が方針(沖縄タイムス)

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 県は5日までに、沖縄振興計画終了後の次期基本計画(ポスト振計)で、沖縄本島を縦貫する鉄道の整備を国に要望する方針を決めた。また、膨大な建設費による運行会社の負担を軽減するため、国の補助金を活用する新たな法制度も併せて求める考えだ。米軍基地などによるいびつな都市構造や、体系的な道路整備の遅れなどを背景に、利便性の悪さが指摘される既存の公共交通体系の改善を目指す。

 県が昨年から実施した調査の結果によると、糸満~名護市までの区間(約82キロ)を想定した場合、総事業費は約8600億円。費用に対する利用者の時間短縮や移動費用の節約、渋滞緩和などの効果を示す費用便益比は事業採択の目安となる「1」に満たない0・63となっている。

 一方、那覇~沖縄市までの区間(約26キロ)では、総事業費約4000億円。費用便益比は1・25だった。ただ、いずれも現行制度では建設費が膨大で運行会社の負担が大きいため事業化は困難。

 このため県は、インフラ整備の3分の2を国が補助する「整備新幹線事業」をモデルにした「沖縄鉄道整備法」(仮称)も要望する方針。また、運行会社の支援策として、固定資産税の免除も必要としている。

 そのほか、導入を検討するシステムも鉄道と専用軌道多用型LRT(次世代型路面電車)の二つに絞り込んだ。

 鉄道は最高速度が130キロ、1キロあたりの建設費が約200億~300億円。専用軌道多用型LRTは最高速度100キロ、1キロあたりの建設費が約20億~200億円となっている。

 現段階で事業化が決定したわけではなく、内閣府が本年度から2カ年計画で実施している調査の結果も踏まえて判断されることになる。
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沖縄県が、「本島縦断鉄道」の建設を国に要望するという。本気なのか、と思わないでもないが、採算性の試算までしていることから、ある程度具体化しているのだろう。

沖縄県が鉄道整備を要望する気持ちはわかる。ゆいレールができるまで、沖縄には到着時間、所要時間が予測できる交通機関がなかった。渋滞発生もさることながら、道路事情が悪いため、たかだか10~20km程度の距離を移動するのにバスだと1時間もかかってしまう。そんな脆弱な交通事情もかいま見えた3日間の旅だった。

実現する場合、どこが運行に当たるのかが問題だ。戦後、沖縄では国鉄が鉄道を運行した歴史がないため、JR各社はまず乗り出さないだろう。最も現実的な案は県営鉄道だと思うが、財政補助がないと立ち行かないのは確実だ。

それでも、鉄道ができることは沖縄にとって巨大なインパクトがあると思う。新幹線が必要な距離だとは思わないし、どのみち本土の鉄道とは接続できないのだから、ある程度沖縄の地域事情を反映した独自のシステムとして建設するのもいいのではないかと思われる。

沖縄の鉄道整備に独自財源を確保する意味からも、「沖縄鉄道整備法」構想はなかなか優れたアイデアだと思うものの、財政難のご時世である。「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない」(日本国憲法95条)の規定をタテに、意地の悪い財務官僚から「県民投票にかけろ」などと言われかねないが、そうなったときは県民投票で粛々と可決すればよいのだ。

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