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【尼崎事故】山崎前社長の初公判、年内にも

2010-08-30 22:55:42 | 鉄道・公共交通/安全問題
山崎前社長の初公判、12月下旬にも(読売新聞)

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 JR福知山線脱線事故で、業務上過失致死傷罪で神戸地検から在宅起訴されたJR西日本の山崎正夫・前社長(67)について、神戸地裁(岡田信裁判長)が12月下旬にも初公判を開く方向で調整していることがわかった。昨年7月の起訴以降、長期化が予想された公判前整理手続きが順調に進んでおり、検察側も年内に開くよう求めているという。

 関係者によると、地裁は年内に初公判を開き、年明けに証人尋問など証拠調べの手続きに入りたい意向という。審理は月数回のペースで進めたい考えで、今後、検察、弁護側双方と公判日程を協議する。

 公判前整理手続きはこれまで4回行われた。弁護側が6月、公判で起訴事実を否認し、無罪を主張することを表明。主張内容をまとめた書面も提出し、検察側が証人申請したJR西社員ら二十数人の大半について採用に同意した。今後9、10月に各1回予定され、弁護側が証拠や証人を申請。地裁が検察側の意見を聞いて採否を決める。

 一方、改正検察審査会法に基づき、検事役の指定弁護士から4月に強制起訴された井手正敬(まさたか)氏(75)らJR西の歴代社長3人については、公判前整理手続きも始まっていないため、公判は来年以降になるとみられる。

(2010年8月30日 読売新聞)
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山崎正夫・元社長の裁判は、大方の予想に反して年内にも開かれる見通しになった。公判前整理手続きが順調に進んでいることが原因らしい。

通常、同時期に起訴された類似の事件は併合審理となることも多々あるが、山崎社長は検察による起訴、歴代3社長は検察審査会の起訴議決を受けた指定弁護士による起訴で、手続き的にも併合のしようがなく、公判は別々に進むことになる。

もちろん、裁判で無罪を主張することはどんな被告人にも認められた人権であり、そのこと自体は否定できない。しかし、4人の社長が揃って無罪を主張する見通しが強まったと聞くと、やはりふざけた奴らだ、という感情が湧いてくる。

公共交通の事故における業務上過失致死罪は、事故の予見可能性が証明されなければ有罪とならないケースがほとんどだ。山崎社長は、法廷戦術としても、また自分自身の率直な気持ちとしても、事故を予見などできなかったと主張するつもりなのだろう。

もちろん主張は自由ではあるが、社長がそのように主張することは、JR西日本が現場から上層部へ危険情報が伝わらない、意思伝達のない会社だということを認めることになってしまう。上層部が危険を予測できない会社、現場からの危険情報が共有されない会社とは何かということが根本から問われるだろう。

もっとも、遺族・負傷者の願いは処罰よりも原因究明にある。107名が死亡したこの事故の原因はなんであったのか、山崎社長が社内でどのようなことを考えてどのように動き、それがJR西日本という企業風土の中でどのように事故発生に関与したのか。遺族・負傷者が聞きたがっている答えはそこにこそある。山崎社長は私心を捨て、公判では公共交通の安全のため、未来につながる証言をして欲しい。

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