安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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核とカジノとラスベガス~東京の未来はラスベガスか?

2014-10-30 22:03:50 | 原発問題/一般
すでに1ヶ月近く前のニュースだが、9月30日付け「ITmediaニュース」が次のように報じている。

「FC2」サービスの「ほとんどを開発」──家宅捜索受けた企業とは

無修正アダルト動画の配信など「無法地帯」と化していたインターネットサイト「FC2」が京都府警の強制捜査を受けた、という当ブログ的にはかなりどうでもいいニュースであり、当初、当ブログでは全く取り上げるつもりはなかった。だが、この記事の中の『FC2は1999年7月設立で、所在地は米国ネバダ州のラスベガスになっている』という記述が私の目を引いた。

当ブログ管理人は恥ずかしながらラスベガスがネバダ州にあることを、今回の記事で初めて知った。ラスベガスといえば、世界最大級のカジノとギャンブルの都市だ。そして、ネバダ州と言えば…?

ピンと来た方も多いだろう。世界最大といわれる米国の核実験場のある州--それがネバダ州である。そこで、今回、ラスベガスとネバダ核実験場の位置関係を調べてみることにした。同じ州なのだから、至近距離ではないとしても、そう遠くない位置関係にあるはずだ。

そして、私を待っていたのは、驚愕すべき結果だった。


ラスベガスとネバダ核実験場の位置関係~出典:ブログ「いたたた・・タイ」さんよりお借りしました

この位置関係を見て、ああなるほど、と私はすべてに合点がいった。ラスベガスとネバダ核実験場との距離は、わずか100km。東京を起点にすれば熱海や宇都宮とほぼ同じ距離。福島第1原発からの距離であれば、栃木県・那須塩原とほぼ同じ距離だ。福島第1原発事故によって、この那須塩原市がホットスポット化したのはよく知られている。その放射能汚染度は、私が福島時代に住んでいた白河地域よりも酷いくらいなのだ。

1963年に米国も加盟して部分的核実験禁止条約が締結され、地上での核実験(大気圏内核実験)は禁止されたが、それまでにネバダ核実験場では100回の大気圏内核実験が行われた。条約締結後の地下核実験を含めると1951~92年までに928回もの実験が行われたという。地下核実験でも、少なくない量の放射性物質が地上に放出されると言われる。

東京都民にとっての熱海や宇都宮と同じ距離のところで、100回もの大気圏内核実験が行われたのだ。実験は、西から東へ偏西風の強く吹く日を選んで行われたとされるが、これだけ至近距離にあるラスベガスが無事であろうはずがない。そして、この事実は何を意味するのか。

核実験が始まった後のラスベガスは強い放射能汚染都市となった。当然、農業は論外。それ以外に目を転じても、このような場所でまともな産業が育つはずもない。被曝させられた住民も、放射性物質の影響で疲れやすくなると長時間の労働は不可能となる(実際、チェルノブイリ事故後のウクライナやベラルーシでは、子どもたちが40分の授業に耐えられないため、授業ひとコマが20分に短縮されている例すらある)。結果として、ラスベガスは一攫千金の不労所得を目指す人たちの溜まり場になっていく。そうすると、ますますカジノが隆盛を誇り、まともな産業は淘汰されていく…。

歴史的に見れば、ラスベガスでカジノ建設が始まったのは第2次大戦終結直後の1946年であり、ネバダ核実験場の設置は1951年だ。カジノのほうが核実験場より先に作られたのだから、厳密に言えばラスベガスの「カジノ都市化」は核実験場が原因とは言えない。しかし、ネバダ核実験場稼働後のラスベガスの運命は、どう見ても核実験場を抜きにしては考えられない。

そのように考えると、今、安倍政権が「成長戦略」の一環として東京をカジノ特区にしようとしている「隠された真の理由」が見えてくる。カジノ構想自体は3.11以前からあり、天下り先を増やす野望に燃えた警察官僚が主導している、との根強い噂も聞こえてくる(注)。そうした下心が見え見えだったこともあり、一時は下火になりかけたカジノ構想が3.11を経て再び政治の表舞台に上ってくるのである。

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注)実際、カジノ解禁を目指して国会に提出されている「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」は、現在審議中の衆議院では内閣委員会に付託されている。内閣委員会は、内閣府に関する法案を扱う委員会で、これはすなわちこの法案が成立後は内閣府の所管法律となることを意味している。警察を所管する国家公安委員会が内閣府の外局であることを考えると、警察官僚が主導しているという見方は間違いではない。
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天下り先を増やすという警察官僚の野望がカジノ推進の理由なら、別にカジノ特区は東京でなくてもよく、北海道でも沖縄でも構わないはずだ。それがなぜ東京、しかも都内では最も放射能汚染が激しい地域であるお台場なのか。日本の支配層は口にこそ出さないが、ひょっとすると気づいているのかもしれない。「福島原発事故によって放射能に汚染されてしまった東京では、今後、まともな産業は育たない」「育つのはカジノくらい」だということに。

世界最大のカジノの街にして、世界最大の核実験場からわずか100kmの街・ラスベガス。その姿は、もしかすると放射能汚染都市、東京の近未来なのかもしれない。

もうひとつ、余談だが重要な事実を指摘しておく。ネバダ核実験場は米国「エネルギー省」が管理している。軍事部門である国防総省ではなく、原発産業を所管するエネルギー省がネバダ核実験場を管理しているという事実こそ、原子力「平和利用」の正体を余すところなく表している。未だに原発が原子力の「平和利用」と思っている人がいたら、この事実が何を意味するか、もう一度考えるべきだ。

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