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【金曜恒例】反原発北海道庁前行動(通算326回目)でのスピーチ/福島原発神奈川訴訟判決について

2019-02-23 19:44:57 | 原発問題/一般
 皆さんお疲れさまです。昨日の地震、驚かれた方も多かったでしょう。昨年9月6日の地震での全道大停電を思い出した方も多いでしょう。

 さて、私は3週間、風邪を引いたり仕事が忙しかったりで、この間お休みをいただきました。今週の19日(火)~20日(水)にかけては埼玉に仕事で出張していました。

 その出張中の2月20日、福島原発神奈川訴訟の判決がありました。福島からの避難住民原告175人のうち152人に対し、総額4億2000万円の損害賠償を国と東電に命じるものでした。

 国を被告に加えて行われた原発避難者訴訟はこれまで、今回を含めて6件ありましたが、国の責任を認めなかったのは千葉訴訟だけです。6件の裁判のうち5件が国の責任を認めており、この流れはすっかり定着したと言えるでしょう。国会事故調査委員会の福島原発事故報告書が「国などの規制当局と電力会社の関係が逆転し、規制当局が規制の虜に陥っていた」と指摘したとおり、国は電力会社を規制する責任も権限も持っていながら、現実には電力会社を甘やかしてきました。福島原発事故が、国がやるべき電力会社への指導や規制を行わなかったことによる不作為犯罪であるということは、今回の神奈川訴訟でもはっきり認められています。住民避難には合理性があると、しっかり認めたことも今回の判決の大きな意義でしょう。

 原告1人当たりの賠償額では、実は国の責任を認めなかった千葉の判決が最も高水準になっています。今回の神奈川訴訟判決が大きな意義を持っているのは、国の責任を認め、さらにその上で1人当たりの賠償額も千葉に近い水準を獲得した点にあります。東電の責任は当然として国の責任も認めるか、賠償額がどれくらいか、避難に合理性があるとはっきり認める表現になっているか。さらに、ICRPが採用している、被曝に閾値がないとするLNT仮説を認めているか、の4点が避難訴訟の大きな争点ですが、LNT仮説について、排除すべき理由はないが直ちに認められるものでもない、とあいまいな表現をとっている点は、日本政府がこれまでICRPに従って採用してきた放射線防護体系を司法みずから放棄しているという意味で不満です。しかし、それ以外の3つの点を総合すると、間違いなく、今回の神奈川判決は今までの最高水準と言えます。

 さすがに20日の午前中から裁判所には行けませんでしたが、東電本社前で夕方に行われた抗議行動に参加してきました。原告団長でもある村田弘(ひろむ)さんは、「賠償の額にははっきり言って不満がある。しかし、それ以外は大いに評価できる」とマイクを握って述べました。昨年、軽い脳卒中で一時入院していたとは思えないほどお元気そうで安心しました。

 国を相手取った福島原発訴訟でこれまで唯一、国の責任を認めなかった千葉訴訟は、現在、2審の東京高裁で争われていますが、裁判長が「6月頃に福島県の現地を見たい」と言い出しています。裁判長が現地を見るか見ないかは、その後の判決の行方を大きく左右することが多いです。国の責任を認めなかった1審の判決をよい方向に変えるためにも、原告を支える闘いが必要だと思います。

 来週のこの道庁前行動はもう3月になります。またあの3.11がやってきます。日本政府、安倍政権の辞書に相変わらず福島の反省の文字はないようです。しかし、社会のあり方を決めるのは、実は政治ではなく経済です。すでにコスト高になってしまった原発からは輸出企業も逃げ出していて、原発の今後については廃炉に向かうしかないということで決着がついたと思います。1月に「国民が合意しない原発はできない」と述べた中西宏明経団連会長は、自分が公開討論会をしたいと言っておきながら、小泉純一郎元首相から公開討論の申込があるとうろたえ、逃げ回るという醜態をさらしています。3.11に向け、今年こそ脱原発の決意を新たにしましょう。

(写真=横浜地裁前で「勝訴」の垂れ幕を掲げる原告。「ひだんれん」(福島原発事故被害者団体連絡会)提供)

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