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原子力推進派 今週の暴言・失言集【第2回】「50年後に生まれた子供が全部片輪になるやらわかりませんが、タナボタ式の街づくりが出来る原発をお勧めしたい」/高木孝一・元福井県敦賀市長

2021-10-11 23:34:25 | 原発問題/一般
●原子力推進派 今週の暴言・失言集【第2回】

●50年後に生まれた子供が全部片輪になるやらわかりませんが、タナボタ式の街づくりが出来る原発をみなさんにお勧めしたい(高木孝一・元福井県敦賀市長/1983.1.26 石川県羽咋郡志賀町での原発講演会で)

「原子力推進派 今週の暴言・失言集」第2回は、かなり古めですが、福井県敦賀市長(当時)だった高木孝一氏の絶対に許せない発言をご紹介します。地元の商工会主催の原発講演会で、出席者は原発推進の経済人ばかり。オトモダチに囲まれ、リップサービスのつもりでつい本音が出てしまったのだと思います。森喜朗元首相の「神の国発言」も神道政治連盟主催の会合という「内輪の場」で出ました。政治家が口を滑らせるのはたいていこんなときです。参加者に菓子折とICレコーダーを渡して録音を依頼しておくと、トンデモ発言がうまい具合に釣れるかもしれません。

この発言が「鬼畜以下」であることは論じるまでもありません。言語道断です。しかし、同時に読者のみなさんには、40年近く前、それも中央政界の政治家ではなく地方の自治体首長に過ぎない人物の発言を、なぜ今頃になって取り上げるのかという疑問もあることでしょう。

端的に答えを申し上げましょう。この高木孝一・元敦賀市長、実は岸田内閣発足と同時に自民党国対委員長に就任した高木毅衆院議員の父親なのです。世間では高木毅氏ご本人の過去のパンツ泥棒事件のことばかり取り上げられていますが、日本の大手メディアはパンツよりも高木氏の父親である、この元敦賀市長の発言こそ問題にすべきだと思います。

この発言を私に教えてくれたのは「原発への警鐘」(講談社文庫、1986年9月)という1冊の本です。著者は、この9月に逝去された経済評論家・内橋克人さん。福島原発事故後に復刻されているようです。新自由主義の本当の恐ろしさを教えてくれた「悪夢のサイクル」も内橋さんの「必読文献」としてこの機会にぜひご紹介しておきたいと思います。人間が幸せに生きるためにどんな経済・社会が必要かを深い洞察力と鋭い視点で明らかにした力作です。

「原発への警鐘」は、1986年9月に出版されています。1986年4月にチェルノブイリ原発事故が起きており、それが出版の契機になったことがよくわかります。日本の原発推進派、電力業界がこの大事故を他山の石として反省するどころか「日本の原発はソ連と違って黒鉛など使っていないので絶対に事故は起こりません」とソ連との違いばかり強調し、全くの無反省だったこと、その連中の驚くべき無反省ぶりを見て「次の原発事故が起こるとすれば、多分日本だな」と子供心に思ったことを私は今もよく覚えています。その私の「予感」は、四半世紀の時を経て、福島で最も悲しい形で現実になりました。あのとき連中を少しでも反省されることができていれば……。

内橋さんにはこの未来が見えていたに違いありません。その警告を無視した連中、そして日本国と日本人に原発を動かす資格はありません。内橋さん、このような愚かな連中をのさばらせ、あなたの警告を活かすことができなかったことをいち日本人として恥じたいと思います。あなたが始末できなかった愚か者たちを、命あるうちに1人残らず始末することが私に課せられた使命です。いずれあなたの墓前に「日本の原発絶滅」を報告しに参ります。少し時間がかかると思いますので、お茶でも飲みながら待っていてください。

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