10月26日から27日にかけて都内のイベント参加のため上京している。
まず26日は、羽田空港からリムジンバスで東京ビッグサイトに直行。GOOD LIFEフェア、ASIA DIVE EXPO JAPAN、BIOFACH JAPANに参加した。
東京ビッグサイトに来るのもずいぶん久しぶりだ。コミケに最後に参加したのは、もう10年以上前。ビッグサイト自体もずいぶんご無沙汰していた。
名前のとおり、GOOD LIFEフェア、ASIA DIVE EXPO JAPAN、BIOFACH JAPANの3イベント合同開催。私が最も興味を惹かれたのは、オーガニック食品の展示が中心のBIOFACH JAPANだった。日本での開催は8年ぶりだという。
地方自治体の出展が多かった。特に、農水省が2021年に策定した「みどりの食料システム戦略」で、有機農業を大幅に拡大する政策が示されたのをきっかけに、いち早く有機食品を学校給食に取り入れた千葉県佐倉市の取り組みは、ぜひ見たいと思っていた。
結果的に、多くの地方自治体のブースは、地場産品をPRするアンテナショップのようなものが多かった。これでは浜松町の貿易センタービルに入居しているアンテナショップでいいのでは? と思う自治体が多かったことも事実だ。
BIOFACH JAPAN自体、日本での開催は8年ぶりだったこともあり、多くの自治体は何をどう出展すればいいのか手探りの部分もあったことは確かだろう。一方で、そもそも有機(オーガニック)食品に関心を持つような、いわゆる「意識高い」系の人たちの目は肥えている。実際、自治体ブースの中でも、「出張アンテナショップ」的な出展内容しか持たないところはあまり賑わっておらず、賑わっていたのは有機食品に本腰を入れて取り組んでいる民間企業のブースだった。
興味深いのは、この広い会場内のどこにもSDGsの文字が見当たらなかったことだ。この会場にわざわざ入場料まで払って来るような「意識高い」系消費者は、「SDGs=スーツの胸にカラフルなバッジを付けること」だと勘違いしているような「日本的大企業」などそもそも眼中にもないだろう。出展する側もSDGsがまやかしに過ぎないこと、ここに来場する客がSDGsなど見向きもしないことをよく理解していると思う(SDGsのDはDevelopment=開発で、ODA(政府開発援助)のDと同じである。日本語には持続可能な「開発」目標と訳されることが多く、D=開発の文字が入っている限り、それは資本主義の枠内での目標に過ぎない)。
結局、購入したのは、民間店舗ブースで売られていた有機食品数点と、ミャンマー産のコーヒーだった。
東京ビッグサイトを辞した後は、第五福竜丸展示館を目指す。場所は同じ湾岸地区にあり、それほど遠くない。国際展示場前からりんかい線に乗り、新木場で降りる。
第五福竜丸は、いうまでもなくビキニ島で行われた米国の水爆実験で被爆した漁船だ。第五福竜丸展示館にはその船体を展示しており、それを見ることももちろん目的ではあるが、今回はそれより大きな目的がある。「ふたつの太陽~山内若菜展」が開催中なのだ。
チラシにもあるように、第五福竜丸がビキニで被爆させられて70年を記念した展覧会だ。山内若菜さんとは以前から面識がある。福島原発事故後は、放射能被害に翻弄される生命をテーマにした作品を多く発表してきた。一般的な芸術作品よりも、メッセージ性を強く持つ作品だけに、これまでの展覧会は小規模なものが多いが、それでも地元・平塚市美術館で長期にわたる展覧会も実現するなど実績を残している。当ブログでも、2022年6月10日付記事で紹介している。ここで紹介した3作品も、第五福竜丸展示館で見ることができる。
この他、今回の展覧会に合わせた新作も展示されているが、それは第五福竜丸展示館にぜひ足を運び、見てほしいと思う。来年1月19日までのロングラン開催だ。
なお、第五福竜丸事件に関しては、今年9月15日に放送されたNHKスペシャル「スクープドキュメント 封じられた“第四の被曝”-なぜ夫は死んだのか-」が大変優れた内容だった。NHK公式Youtubeチャンネルで予告編が公開されているが、NHKオンデマンドで全編が見られる。私としては、福島原発事故をめぐる「被ばく・健康被害隠し」とも通じるものがあり、料金を払ってでも見てほしいと思う。
最近都内のホテル価格が「爆騰」しており、23区内ではカプセルホテルでも7~8千円という、考えられない状況になっている。泣く泣く、東村山市内のホテルに投宿。せっかくここまで来た以上、西武新宿線の未乗車区間に乗らない手はないと思い、本川越まで全線に乗る。
【完乗達成】西武新宿線
目標5路線に対し、3倍(15路線)の完乗を達成した昨年と打って変わり、今年はスローペースで、ようやく3路線。年初目標の5路線達成は、困難な状況になってきた。