気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

MOA美術館・「千宗屋キュレーション 茶の湯の美ーコレクション選」茶碗編

2017-11-25 18:30:10 | 美術館・博物館
冬の晴れ間、孫のミニバスの体育館も底冷えが・・・
でも子供達は元気いっぱい走り回っていました。
 

霜月の8日から11日の富士を眺める旅での目的の一つ
リニューアルオープンされた『MOA美術館』を訪ね、

「千宗屋キュレーション 茶の湯の美ーコレクション選」を
鑑賞すること。お昼一時前に古いナビに迷わされながらも
熱海の山の中腹に建つ『MOA美術館』に着きました。
入り口から長いエスカレーターを3つ乗り継ぎ円形ホールへ

プロジェクションマッピングを使用されての幻想の世界に
  
もう一つエスカレーターを通り外の世界へ
ムアスクエアからは、目の前に相模湾そして初島も
 
3Fの正面玄関にも、借景ですね。

メインロビーからも海が
 
黄金の茶室へ
 
もう一つ、貸し出し中の折り畳み式の黄金の茶室も
 
どこかでお目に掛れるかもしれませんね。
さあ展示室へまいりましょう。
【はじまりの茶-書院広間での唐物荘厳】
・「蓮に鶺鴒・葦に翡翠」伝牧谿、南宋12-13世紀
 
・台子皆具 武者小路千家蔵

・大名物 唐物羽室文琳茶入れ 南宋13-14世紀
 
剣先金襴、青木間道、笹蔓緞子

【茶の湯の銘碗】
・玳玻天目鳳凰文茶碗 吉州窯 南宋12-13世紀
この天目は茶褐色の堅い陶質素地に内外全面に黒釉を
かけ、次いできり紙細工で作った鳥形の型紙を使用し
文様を浮き出している。外側は、失透釉を斑状にふり
かけて焼成している。鳥文様の玳玻(たいひ)天目は
遺品が少ない。
 玳玻天目鳳凰文茶碗
・井戸茶碗 銘翁 朝鮮時代16世紀
大井戸に属し、堂々とした大振りの茶碗で、鉄分の強い
粗めの土で焼かれ、琵琶色を呈す。青みを帯びた釉の中
には気泡が生じて斑文が散在する。 
 銘翁
・伊羅保茶碗 銘九重 李氏朝鮮17世紀
 
・斗々屋茶碗 銘松島 挑戦時代16世紀
比較的薄作りで轆轤目の細い筋がめぐっている。
素地は鉄分の多い粘りのある土で、褐色に焦げ、
淡緑色の釉が薄くかかって景色となっている。
 
・彫三島茶碗 銘残雪 朝鮮時代16-17世紀
高麗茶わんである古三島茶碗の作風を基調に、
日本からの注文により釜山窯で作られたと推察
やや浅い碗形の茶碗で、檜垣文や小花文を印刻で
あらわした後に、白土で象嵌している。
 
・黒楽茶碗 銘あやめ 長次郎 桃山時代16世紀
長次郎の名品、総体に掛けた黒楽の釉薬が黒褐色に
かせ、極めて侘びた風情を見せている。口作りは
内に抱え込み、胴はわずかにくびれている。
1587年に利休が茶会に用いたとされる。
 銘あやめ 
・信楽茶碗 銘初時雨 桃山時代16-17世紀
塗り土をして焼成し、胴が高台にかけて一部に赤味を
帯びた朽ち葉色の灰釉がかかっている。この景色を
初時雨に見立てたのであろう。
豪快で侘びた風情のある茶碗である。
 銘初時雨
・瀬戸黒茶碗 銘ワラヤ 桃山時代16世紀
高台がきわめて低く、裾の角張った半筒形をした、
典型的な美濃の瀬戸黒茶碗である。胴をわずかに
すぼめ、口縁には外返りにしている。口縁には
山の端状の変化が見られ、胴には縦に篦削りが
認められる。
 銘ワラヤ 
・志野遠山檜垣文茶碗 銘山路 桃山時代16世紀
作意の強い茶碗で、口縁は山の端風に変化があり、
腰に山路風の箆目を一筋廻らせている。胴には
素朴で力感のある檜垣と、遠山に松を鉄絵具で描き
その上にたっぷりと厚くかけた志野の長石釉が
柔らかに溶けている。
 銘山路
・黒織部沓沓形茶碗 桃山時代 17世紀初期
豪快なひだのある口作りは、波のように高低をつけて
いる。胴には鉄釉を掻き落として抽象的な模様を作り
その上から長石釉をかけている。模様以外にも前後に
長石のたまりが模様になっているのが面白い。
 黒織部沓沓形茶碗
・奥高麗茶碗 銘蓬壺 桃山時代 16-17世紀
腰が高く、口縁が端反りとなった唐津焼茶碗を俗に
奥高麗と称している。この茶碗は長石釉の酸化に
よって枇杷色を呈し、土見せには、唐津独特の
縮緬皺をみせている。
 銘蓬壺
・膳所茶碗 伝本阿弥光悦 江戸時代17世紀
1636年将軍家光の御殿山お成りに際し、小堀遠州の
依頼により本阿弥光悦が膳所の土を用いてこの茶碗を
焼いたといわれる。白土に透明釉がかかり、黒釉が
幔幕をしぼったごとくに流れ景色となっている。
 膳所茶碗
・色絵金銀菱文重茶碗 野々村仁清 江戸時代 重文
銀菱文茶碗の中に金菱文茶碗が収まる。入子式の重ね
茶碗である。極めて薄い作りで内側に漆黒釉、外側に
白地を残して菱繋ぎ文を配し、裾に蓮弁紋をめぐらせ
ている。後水尾天皇の皇后・東福門院への献上品。
 色絵金銀菱文重茶碗
一室は終わり、

・大井戸茶碗 銘本阿弥/玉川 朝鮮時代16世紀
口縁部は厚手に少し面取られ、胴は轆轤目が荒く
廻っている。高台周りは箆で削り出し、竹節上で
青みを帯びた飼いら梅花皮(かいらぎ)が見事で
高台内には兜巾がはっきり立っている。見込みは
深く、目跡は不規則に四つ認められる。 
 銘本阿弥/玉川
・井戸茶碗 銘常盤 朝鮮時代16世紀
小井戸ながら古格を備えた茶碗である。口造りが薄く、
胴に3段の轆轤目を見せ、高台は竹節上でやや高く、
一気に削り出されている。総体にかけられた釉は
枇杷色を呈し、高台付近にはおとなしい梅花皮が
生じている。
  
・赤楽茶碗 銘小手巻(おだまき)長次郎作16世紀
造形は歪みなく丹念に削りあげられ、小振りな姿に
比して底土が厚い。こうした姿が長次郎の茶碗には
黒茶碗が多く、赤茶碗では希少である。見込みに
一段深く茶溜りが付けられる。高台は小振りで、
高台際に強く箆がまわる。
 銘小手巻
・御所丸茶碗 朝鮮時代17世紀
轆轤成形され、生乾きの時に両側から押して楕円形に
した御所丸の形は、織部の沓形茶碗の良く似ている。
17世紀初頭に我が国から注文されたと考えられ、
素地は純白に近い磁質で、透明性の白釉が柔らかく
溶けている。
 
・御本半使茶碗 銘霜夜 朝鮮王朝時代17世紀
 ごほんはんすちゃわん
・黒楽茶碗 銘五湖 道入 江戸時代17世紀
「のんこう」と通称される楽家三代道入は、千宗旦との
親交を通して多くの茶碗を制作した。この茶碗は、
口部から高台にかけて丸みのある作りで、見込みは
広く大きい。黒釉がよく溶け光沢があり、胴に
幕のごとく垂れている。
 銘五湖
・灰被天目茶碗 秋葉天目 宋~元時代13-14世紀
鉄釉系の釉薬が、灰を被ったような侘びた趣をみせる
ことから、灰被(はいかつぎ)と称される。腰部分の
土に、下掛けした釉薬が黄色を呈している。
  

茶碗の殆どをMOA美術館の解説文とともに示し、
写真は空いておりましたので、遠慮なく撮らせて
いただき、感謝いたします。
今後の勉強とさせて頂きます。