気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

七種の蓋置で

2015-07-21 00:46:54 | しつらえ

関西も梅雨明けです。
蜘蛛の巣も、朝早くから強い太陽を浴びています。
稽古場 玄関
昨日は、朝からお一人が稽古に見えられ、
伊予松山銘菓の一つの、薄墨羊羹をいただきました。
有難く、稽古に使わせてもらいますので、
その折に、ご紹介いたします。
お床は前日の『三友之式』のしつらえの名残で、
お濃茶点前を。
ガラスの置水指、栄螺(さざえ)の蓋置で、涼を・・・。
 
この栄螺の蓋置は、七種の蓋置の一つです。
蓋置は、台子皆具に一つで、唐銅(からかね)から始まり
陶磁器、竹(利休居士の発案とされ、引切とも)等、
趣向により楽しみのあるお道具になっていますね。(点前道具 下 淡交社より)

①火舎香炉(ほやこうろ)
②一閑人(いつかんにん)
③五徳(ごとく)
④三つ人形
⑤三つ葉
⑥栄螺(さざえ)
⑦蟹(かに)
『三友之式』稽古時に

祇園祭の岩戸せんべいを

2015-07-20 00:36:23 | 主菓子とお干菓子
祇園さん岩戸山会所で「岩戸せんべい」を買ってきており、
昨日の『三友之式』稽古後、皆さんで頂きました。
  
扇、菊などが描かれた青い包装紙に、目が行きました。
とても印象的で、末富と書かれており、
こんなところで、出会えるなんて、
この紙袋を下げて、ぶらぶらと鉾めぐりを楽しみました。

缶を開けると、薄いお煎餅に「岩戸山」の焼印が入り、
お茶うけせんべいとして、本当に、香ばしくて美味しく、
お昼過ぎもあり、あっというまに・・・。

気になったのが、地に”日 亦 出 ”墨書された短冊。
そして鳥居の上の尾長鶏?(長鳴鶏)を描かれた包み紙、
説明文には、古事記の天岩戸のお話とともに
皆様方の開運を願われていることが書かれておりました。
ということは、天岩戸の前で、を沢山集めて鳴かせ
神楽を舞い踊る騒ぎにより、天岩戸が開かれます。
び天照大神が現されて、が差し込んだ
神話に由来しているのですね。
なお岩戸山(いわとやま)のいわれは
「国生み」と「天岩戸」のふたつの神話からなりたつそうです。
7/13の様子
「山」でありながら「鉾」のかたちをした「曳山」で、
鉾柱のかわりに山の象徴である「松」がたてられています。
鉾には天照大神、
脇に手力雄尊(岩戸を開けられ、腕力・筋力を象徴する神)
屋根上に伊弉諾尊(イザナギノミコト:御神体)
の三体が祀られており、
長鳴鶏が新しい夜明けを告げながら巡行するそうで、
17日の巡行は雨の中、滞りなく行われ、良かったですね。
7/17巡行(ネットより)

三友之式を楽しみました

2015-07-19 00:25:05 | お稽古
後 ←花寄せ ←前
台風は去りましたが、かなりの大雨でしたね。
テレビでは、朝から電車や道が不通のお知らせが・・・
最近の天候は、地球温暖化で変動の激しいこと。
今朝のお稽古は、『三友之式』をします。
 :裏千家十三代圓能斎好みの式で、
  茶・花・香の三つを式中に採り入れている(茶道大辞典)
急いで、足りない花を探しに、公園へ。
玄関  
昨日のうちに6畳の襖をはずし、8畳間にしていたため、
床に軸を掛け、花入に水を入れ、
花入は5つ、置花入、掛花入等、
香の準備・・・・・
なんとか準備万端です。

皆さんご挨拶をして、花月札にて役割を決めます。
「月」「花」「一」「二」「三」 さあ席入りです。
まずは、花寄せ。
花の四清同(しせいどう)にある如く、
”青竹の清きを切り、清き水を張り、
清き心をもって、清き花を入れることが大切です。”と・・・・
他の人が入れた花を愛で、自分も花を入れる事だけに集中する。
そんなところでしょうか。
皆さんそれぞれ素敵に入り大満足です。
最後に亭主が花を入れ花台を持ったら客は帛紗を腰につけます。
 
  
折据をのせた香盆を運び花月札にて
「月」「花」 香をたく人、初花を決めます。
香をたき、順次沈香の香りを聞き、
亭主が香盆を床脇に荘り、
一同四帖半へ入ります。
 折据(おりすえ)
お薄四服、お菓子付です。
亭主は干菓子器を運び、お茶碗、建水と準備し、
仮座に入ると
初花は居前に進み最初のお薄を点てます。
三友之式では、菓子をお茶室の中でいただくので
茶巾で折据を回し、末客まで回りますと、
一同札をとって「月」「花」と名乗り
お茶を点てる花は、お茶を点て定座に出して
「松」と名乗ります。
あとは、ほぼ平花月に準じます。

主菓子:したたり(菊水鉾)

干菓子
和やかな中に、緊張感のあるお稽古でした。
初めての方、お花とお香の扱いなどを
新たに覚えていただけたでしょうか。
「新たな体験ができ、うれしいです」
「楽しかったです」などと言っていただけ、
準備の甲斐があり、うれしさがこみあげてまいりました。
次は・・・


祇園祭の粽は

2015-07-18 00:16:54 | 散策
  長刀鉾(13日夜)
台風で、どうなることかと気をもんでいた山鉾巡行も
雨と風の中、無事行われましたね。
BSフジで生中継を見せていただき、
例年とは違った雰囲気が感じられ、
関係者の”途絶えさせてはいけない”続けるんだという、
強い気持ちもくみ取れました。
粽(ちまき)の威力もあるのではないでしょうか。
御札に「蘇民将来之子孫也(そみんしょうらいのしそんなり)」と書かれ
伝説に基づく、厄除けの意味があるそうです。
・・・蘇民将来の子孫と名乗り、
茅の輪を腰につけていれば災厄を免れることを約束する。・・・
「茅の輪」は「茅」を束ね「巻」かれ、
「茅巻(ちまき)」へ変化し、
音を担いで「粽(ちまき)」になったそうです。
通常「粽」は笹の葉だけですので、
あの「道喜の粽」のようには食べられませんが、
最近、黒糖風味の生ちまきが登場しています。
岩戸山や黒主山(麩太)に来年お出かけください。
菊水鉾の粽・御札、ミニ粽
菊水鉾のちまきは三色の短冊が鮮やかですね。
一番左の黄色の札が「菊水鉾」
真ん中の緑の札は「蘇民将来子孫也」
右端の赤い札が「福寿海無量」(ふくじゅかいむりょう)
 ・・・福徳が海のように広大に集まること・・・

何事につけても『継続は力なり』ですね。

朝顔や(に)・・・、どちらに

2015-07-17 00:23:09 | 主菓子とお干菓子
昨日は台風11号が近づき、蒸し暑いさなか
稽古に二人がお見えになりました。
もらいみず
香合:朝顔
夏は「錦玉かん」が似合いますね。
実は簡単に作れるので・・・あいすみません。
作った主菓子に名を付けるのも楽しいものですが、
なかなか、難しいものです。
香合をなすびから朝顔に替え飾りましたので、
朝顔や(に) つるべとられて もらい水
                加賀千代女
から「錦玉かん」の名前を”もらいみず”に。

千代女35歳の時に「や」→「に」詠み直されており
「や」に比べ、「に」にすると
朝顔に対するが印象が変わり、
川柳ぽく感じられますね。
一字の違いですが、私にはどちらも、いい句ですね。

俳句と川柳の違いについて少し調べてみました。
*俳句のルーツは発句(ほっく)で「切れ」があり、
 イメージで勝負する文芸である。
 川柳のルーツは平句(ひらく)で「切れ」がなく、
 明晰さで勝負する文芸ある。
というご意見もあります。
なを千代女は、生涯に千七百句を残しておられ、
朝顔は、この句以外にも詠まれております。
「あさ顔や蝶のあゆみも夢うつゝ」
「朝顔や宵から見ゆる花のかず」
「あさがほや帯して寝ても起はづれ」
「朝がほや宵に残りし針仕事」 等

玄関
稽古場のしつらえ

(香合はなすびから変更しています。2枚目の写真を)
 
宗旦木槿、梶の木


笹と竹って

2015-07-16 00:11:01 | しつらえ
今日の稽古は昼からお一人、お見えになります。
七夕の節句も過ぎ、遅いのですが、
『ササの葉さーらさら』ならぬ、
『竹』ということで実朝さんの歌でお軸を。
  
 
相生(あひおひ)の 袖のふれにし 宿の竹
      よゝは経(へ)にけり わが友として

竹を友として年月を送ってきた・・・
なんとも孤独な歌なのですが、さほど孤独感が感じられず、
さわやかな雰囲気で詠まれている歌のように思われます。
北条政子との確執・・・
さわやかであればあるだけ、心の闇が覘かれますね・・・

思い出せば、スーパーや保育園などで飾ってあった
大きな七夕飾りには、竹がつかわれていましたよね。
竹の葉っぱの部分を、笹として代用しているの?
笹と竹の違いは何気なく、大きさで区別しておりますが。

文部科学省の見解もあるそうなので??・・・
   (探せませんでした
「竹と笹のどちらでも、利用する場所によって、
言葉を使い分けても良い」と
・・茎の部分を利用したものが竹、 
  葉っぱの部分を利用したものが笹・・
分類では間違いですが、言葉として学校では竹を使っているのですね。
お役所仕事そのもの。

私的には、
『竹』は英語で”bamboo”中国原産で、温帯植物のため北海道にはなく、
(本来は、狭義のタケに、竹、笹、バンブーと分類)
『笹』も英語だと”sasa”日本固有植物のため日本語名そのままで、
寒さに強く、北海道(チシマザサ等)にも生えており、
『笹』という言葉をつかうのは、この日本だけなんです。

観世水(かんぜみず)
足利義満が能楽の観世大夫に与えた屋敷に観世井(かんぜい)
と称した井戸があり、その井戸にできる渦(うず)を模した
「観世水(かんぜみず)」は、紋様としても広く使われています。

菊水鉾にて

2015-07-15 00:41:29 | 散策
夕方近くになり、提灯に火も入り、人が増えてきました。

←拡大
鉾頭に天向きの金色の透かし彫の十六菊が
車軸にも御紋と名前が
 
水指と見比べてください。

唐獅子図の胴懸
唐破風造りの屋根に海老名峰彰作の鳳凰の懸魚を飾っています。
横には8人が並びます。
軒下に翠簾(すいれん)を掲げています。
粽をかって、上らせていただきました。
30人でいっぱいになるそうです。(写真は禁止)
 
混んできましたので、帰宅へ。
 
菊水鉾の粽を玄関に飾りました(昨年の粽と並べて)

台風11号が巡行日に通過しそうだといわれており、
中止になったことは百何十年かないそうで、
どうなるのか、心配ですね。

昨年の菊水鉾巡行の様子です。

飛鶴図の前懸、外国の方も参加され、国際的ですね。
 今年も会館内
枕慈童(じどう)の稚児人形が能装束の舞姿で。
 
孔雀図の見送は皆川月華作だそうです。

菊水鉾のお茶券にて

2015-07-14 00:05:30 | お茶会・お茶事

鉾建てが終わったばかりの菊水鉾のお茶席に伺いました。
 
菊水鉾の水指がすばらしいですね。 
 
町内にあった名水「菊水の井」を利休居士の師である
武野紹鴎がこよなく愛し、菊水鉾と茶の湯は
中世より切っても切れない縁があるそうです。

したたり(亀末廣):『菊の葉からしたたる露』に因み命名。
 


お運びご苦労様 


 
若干15歳?初披露だそうです。
見守ってる半東(はんとう)さんも
緊張感が伝わってきます。
終わった後の笑顔が・・・・
お道具を紹介します。

むくげ、秋かいどう、水引草、とらのを、すすき、藪みょうが。手付かご。

茶杓:祭ばやし、棗:菊慈童蒔絵大棗 
 
皆具:南燎

亀蔵棗(きぞうなつめ)を

2015-07-13 00:29:13 | しつらえ
七夕月にちなみ、天の川に思いを・・・
 
亀蔵棗(きぞうなつめ)、写し、山中塗り
赤漆と青漆で、蓋甲には五黄を意匠化し、
側面に一白、二黒、三碧、四緑、六白、 七赤、八白、九紫
それぞれ点で星の数を書き入れております。

亀蔵棗は十三世円能斎鉄中(1872~1925)の好みとされ、
本歌は中棗、一閑張の飛来一閑作で、
一燈居士百五十年忌記念として五十個作られているそうです。
円能斎は何故これを好んだのでしょうね。
調べてみると、あの角倉了以のお名前も挙がってきます。

円能斎は明治に入り衰退気味だった茶道を、
禁否だった点前教本を著すことにより、
女学校や一般庶民の手が届く近しいものにされ、
また家元や内弟子の稽古を受けられるよう、
門戸も押し広げられたそうです。


観世水(かんぜすい)

葉蓋の扱いにてお稽古を

2015-07-12 00:21:21 | お稽古
今朝はお二人と、夕方仕事帰りの方がみえられ、葉蓋の扱いにてお稽古を。
 
葉蓋はこの季節、七夕の趣向では、梶の葉できまりなのですが、
庭にある梶の木は、葉が小さいため、
ツワブキの葉を使わせていただきました。
蓮の葉などに、わざと露をためておくのもいいかもしれません。

葉蓋とは(茶道大辞典:淡交社より)
水指の蓋の替わりに木の葉を蓋とする扱いで、
薄茶点前だけで、主に暑中に行われており、涼味を演出します。
この扱いは十一世家元玄々斎の創案によるもので、
七夕の趣向の茶会に、好みの末廣籠の花入の受け筒に、
梶の葉を蓋にして水指に使用したのが始まりと。
(辞典より)
葉蓋として使用する葉は、他に桐、蓮、蕗、里芋などの大きな葉がよく、
葉茎から汁が出たり、悪臭のある葉は用いません。
葉はよく洗い、葉表を濡らして水指にのせます。
必ず葉表を上に向け、葉柄を手前にして用い、
葉茎は斜めに切っておきます。
葉蓋は使い捨てです。

なお末廣籠の受け筒というのは、
黒塗りの桧の曲に、切箔を散らしたものなのですが、
陶磁器の水指でもさしつかえないそうです。