気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

百日紅が雨の中で

2015-07-11 00:06:24 | 季節の花々

雨の中の百日紅(昨日)
雨が続き、見まわれない間に、
百日紅(さるすべり、紫薇シビ)が咲きだしました。
ああー、今年も夏がやってきました。
名前のとおり、6月の末から約100日、暑い夏の間中、
ずっと力強く紅い花を咲かせてくれるでしょう。
茶花としては夏の花で、釣舟が相応しいとされております。
しかし、掛花や置花にも使ってしまいますね。

散れば咲き 散れば咲きして 百日紅」 加賀 千代女
炎天の 地上花あり 百日紅」     高浜 虚子

晴れた百日紅(今日)
晴天が似合いますね。

玄関に
 

七夕月のお軸は『清流無間断』

2015-07-10 00:23:28 | しつらえ
初夏から夏までのお軸で、すこし遅いかもしれませんが、
荒梅雨を迎え、ジメジメしており、真夏を先取りして
心地よい瀬音とともに、涼しげなイメージを抱いてくださるように。
 
『 清 流 無 間 断 』(せいりゅう かんだん なし)
対句で次のように続いております。
 『 碧 樹 不 曾 凋 』 (へきじゅ かつて しぼまず )
禅語(禅林句集)でよくつかわれており、、
・・・清い流れが絶え間なく流れるように、
   常に活動をしているものは(碧樹:松など)、
   よどみがなく、清らかである・・・
禅宗では、「仏法の教えが代々絶え間なく、伝えられている」と
茶道においても、利休居士の教えが絶えることなく、伝えられており
実践にむけ、日々努力したいものですね。
また主菓子も水にちなみ観世水(かんぜすい)を

観世水とは渦を巻く水の模様を模しており、
能楽の観世家が定紋に使ったところからこの名があります。
扇面や謡本の表紙などに用いられるようです。
『清流無間断』のお軸と合わせ
「流れる水は腐らず」と言いますが
水の流れを味わっていただければ幸いです。

幻の菓子、良寛様お好み白雪糕(はくせつこう)を

2015-07-09 00:06:59 | 主菓子とお干菓子
 
包装紙には行灯の前で本を読む良寛さんの姿とともに、歌が添えられております。
世の中にまじらぬとにはあらねどもひとり遊びぞ我はまされる
・・・世間と交際しないというわけではないが、
   独り気ままに暮らすのが私には合っているのである。・・・
  右に歌が  
幻とされる良寛様お好み、白雪糕(はくせつこう)を頂きました。
良寛さんが出身地、新潟・出雲崎を偲び、滋養に富む
白雪糕をほしいとの手紙を出されているこのお菓子は、
三百年前の『和僕三才図会』白雪糕の項によると、今の落雁様でありますが、
生米で作られており、面倒な菓子のため忘れ去られたそうです。

昭和五年になり、出身地、出雲崎の大黒屋さんが、
『和僕三才図会』を参照して、菓子として日持ちさせるために、
炒ったもち米とうるち米を使用し、再現されております。

茶の菓子としてよく使われる落雁の由来は中国からともいわれており、
薬・滋養として発展し、良寛さんが白雪糕を所望されたのも、
身を寄せていらした家の赤ん坊のためだそうです。
良寛さんは後世、評価が分かれておりますが、
人を思っておられるこのエピソードからも
私には子供と手まりをつくイメージそのものです。
また関西では落雁のことを”はくせんこ”と呼びますが、
この”白雪糕(はくせつこう)”からなのですね。

なかなか訪れる機会のない新潟へもうかがいたいものです。

錦玉かんで夏を演出

2015-07-08 00:16:00 | 主菓子とお干菓子

梅雨寒の日が続いておりますが、
涼し気な夏を演出する錦玉かん(きんぎょくかん)をつくりました。
お昼からお二人のお稽古です。
 
 
うずしお”、渦が見えるでしょうか。
寒天を煮溶かし砂糖を加えて煮詰め、型に流し入れて固めています。
透明な美しさを生かし、異なる色のものを合わせたました。
 
二種類の型に入れました。
錦玉』とは、上生菓子の一種で、金魚などの風物やみつ漬けのあずきなどを
中に入れたりして、夏の情緒をあらわしたものが多く作られます。
江戸時代には「金」と書くことが多かったらしく、
次第に「錦」が用いられ、「錦玉」や「錦玉糖」とも
また「琥珀(こはく)」「琥珀かん」「琥珀糖」ということもあるそうで、
半生菓子や棹物にも用いられています。

一足早く、真夏のひと時を味わっていただけたでしょうか。



玄関の七夕月のしつらえ

2015-07-07 00:46:51 | しつらえ
七夕月にちなんで、天の川から始まる色紙を選びました。
 
寸松庵色紙(三井記念美術館蔵)の色紙
『かな』散らし書きの優雅さを味わってください。
きのとものり あまのがわあさせ しらなみたどり
  つゝわたりはてぬ にあけぞし にける

・・・天の川、浅瀬白波、辿りながらも渉り果てずに、夜が明けたことよ       
『かな』の優雅さの典型的な古筆で完成期(11世紀後半)に当たり、
抑揚のあるダイナミックな書体で、所々に見られる
墨継ぎのリズムが相まって、全体に動きを感じさせています。
寸松庵色紙(すいしょうあんしきし)とは
『古今和歌集』の四季の歌を抜書きした写本の断簡 (きれぎれになった書き物)で、
江戸時代の茶人で織田家家臣の佐久間将監真勝が,大徳寺内に造った隠居所
寸松庵に、12枚を所蔵していたことからこの名があります。
もともとは粘葉装冊子本でしたが1紙ごとに分断され、色紙形になり、
現在は諸家に所蔵されております。
鈴木翠軒(昭和時代の書家)は『寸松庵色紙』について、
”線条の味と連綿の妙は、古筆中この右に出るものはない。
 先ず線の強さが尋常でない。意の向うところ、
 筆のゆくまま一気に書き流してはあるが、
 少しも軽躁の幣に陥っていない。ただただ敬服の外はない。”

二年前に東京のある茶道に関連する三美術館、
根津美術館、五島美術館、三井記念美術館へ伺ったおり、もとめております。
残る畠山美術館へも機会を見つけて・・・


MIHO若冲と蕪村展へ

2015-07-06 00:41:23 | 美術館・博物館

MIHO MUSEUMで昨日から始まった
『若冲と蕪村 生誕300年同い年の天才画家』展へお伺いしました。
10時半ごろ着くも、観光バスがとまり、駐車場も奥のほうです。
期待に胸を含ませ、チケット売り場へ
 
電気自動車は出たとこ
歩いていくことに
春4月10日頃、きれいな桜が

桜のシーズンはトンネル内もが桜色に染まります。


電気自動車に追い抜かれました。


着きました。

寒山拾得図(パンフレットより)

若冲と蕪村、両者引き分け、心は満足感でいっぱい。
帰るときには、観光バスが5台以上駐車場も奥まで満杯。
帰路につきました。

七夕月のしつらえ

2015-07-05 00:22:59 | お稽古
  
七夕月のしつらえです。          ”濃茶落雁””水無月”
朝からじめじめして、時おり小雨が・・・
三人さんがお見えの予定、気合をいれて、お稽古をはじめます。
 
宗旦木槿、花みょうが、ミズヒキ
一重咲きで、花の中心に、赤い紅が入り、利休居士の孫である宗丹さんが好まれた。
 *『槿花一朝の夢』
  人の世の短い栄華を、ムクゲ(木槿)の花のはかない命にたとえております。
 *「それがしも 其(そ)の日暮らしぞ 花木槿」 小林一茶

木槿は1日花(通常二~三日は咲いています)とされており、
茶道における「一期一会」の趣にふさわしく、好んで用いられております。
今年も秋まで、有難く使わせていただきます。
 
先日、お稽古仲間から頂いた半夏生
根付は庭に、来年が楽しみです。

夏野菜の収穫

2015-07-04 00:42:17 | お稽古

今朝の家庭菜園の収穫です。
夜明け前は大雨で、朝になると日差しが、困った梅雨。
きゅうりは2週間続けて、日に4・5本は採れておりますが、
今年はツルが四方八方へ、伸びてしまい、
一日収穫が遅れると、大きすぎ、食味も落ちるため、念入りに捜します。
食卓に毎日きゅうり料理、さすがに食傷気味。
明日はお稽古日、さしあげましょう。
さあ、風炉の灰形を完成させなくては・・・

あっという間に、お昼に
巻紙の書き方を教わりに、京都へ伺いました。

やさしい京言葉で茶の湯の手紙のみならず、
京都の心使いもお教えていただき、目からうろこ。
帰りに、以前買っておりました
佐山宗準先生の本『贈答のしきたりと茶の湯の手紙』に
サインをいただき、本当にありがとうございました。

薬師寺さんのお話を伺って

2015-07-03 00:05:29 | 日記
 
薬師寺 玄奘三蔵の精神を今に伝える」という4回にわたる講座を
近くの公民館で、楽しく、和やかに受けさせていただきました。
講師は、薬師寺 伽藍主事 村上定運さん、
30歳で、上から9番目で偉いんですよ。でも僧は12名です・・・(笑)
二代管長高田好胤さんから12歳で「定運」という名をいただいたが、
2か月後には亡くなられており、最後の弟子です。
教えは受けておりませんが、子供のころにお菓子をくすね、怒られておりました。
会場は笑いのうず・・・

薬師寺は世界遺産で法相宗本山、檀家さんを持たず、お葬式もうけないで
どうしたら、2018年食堂再建をもっての諸堂再建できるのでしょうか。
4年後完了の国宝東塔、修理中のため、お参りの方が少なく
是非お写経(2000円)もお願いします。
今、西ノの京ロータスロードとして蓮とご朱印めぐりもありますので。とのこと
印象に残ったのは仏教における三宝:仏 法 僧が伽藍に昇華されていることと、 
東塔に関しての写真、基礎の版築のすばらしさを見せていただき、
古代の技術に感心しました。
早く、薬師寺さんで宮大工さんのお話を聞きたいものです。

『 蓮葉の濁りに染まぬ心もてなにかは露を玉とあざむく
   はちすばのにごりにしまぬこころもてなにかはつゆをたまとあざむく 』
                     遍昭 古今和歌集 夏・165


山の辺の道にある歌碑の拓本をお軸に

2015-07-02 00:32:12 | しつらえ
七夕月のしつらえに、この拓本のお軸・・・どうでしょうか。
この軸は、職場の元上司から随分前にいただいたものです。
鵬雲斎筆の拓本です。
私がお茶をしているという事で下さいました。ありがたいことです。

先日久しぶりにお会いし食事を一緒にさせていただきました。
なんともお元気で今も拓本を極めていらっしゃいます。
そういえば、お弟子さんもいらっしゃるとか・・・・
それだけではなく料理やパソコン(ホームページ開設)等もされ
もう傘寿だと記憶しておりますが、何事にもアグレッシブそのもの
先生を見ていると年令を重ねることが待ち遠しくなります。
お会いした日は元気をいただいて帰りました。
  
万葉集、巻7-1092 作者不詳
筆者:千宗室、裏千家15代家元、鵬雲斎。
鳴る神の 音のみ聞きし 巻向の 
     桧原の山を 今日見つるかも

原文: 動神之 音耳聞 巻向之 桧原山乎 今日見鶴鴨
(なるかみの おとのみききし まきむくの ひばらのやまを きょうみつるかも)
意味:噂にだけ聞いていた、この巻向の桧原の山を、今日は見たことよ
『鳴る神の』は「音に聞く」に掛る枕詞で、
雷を神格化して『鳴る神』と言っております。

三輪山の麓に、桧原神社(元伊勢、大神神社の摂社)があります。
振り返れば、大和三山や二上山が