気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

旧暦の重陽の節句は、秋明菊と「吹上菊」で

2016-10-11 00:18:19 | 主菓子とお干菓子
10月9日は旧暦の重陽の節句(9月9日)でしたね。
8日の薬師寺の呈茶で『秋風の吹上に立てる白菊は・・』
菅原道真の短冊を拝見して、9日のお稽古には、
菊にちなんだ主菓子をと、そして菊の花を活ければ・・・
ここまではよかったのですが、
前日の暑さの疲れからか、9日の朝の涼しさもあり、
すっかり、忘れて・・・・
秋風」と名付けました。

また我が家の庭の菊は、蕾の状態。
菊の名が付く『秋明菊』は二鉢ありますので、本来の白の
秋明菊はもうじき咲きそうなのですが、まだ蕾。
貴船菊と呼ばれる、うす紫紅色の八重咲の花が咲いており、
 
床に活け、中置で五行棚のお稽古を済ませました。
 
次の10日朝、ぐっと冷え込み最低気温は12.7℃にも、
着せ綿が出来るのではないかと思わせるほど冷え込み、
あれれー、
昨日が旧暦の重陽の節句だったことに、思い至りました。
『秋風の吹上に立てる白菊は・・』の白菊は

「浜菊」別名『吹上菊』でしたね。
主菓子は『吹上菊』として少し手を加えますと、
 
いかがでしょうか?
さらに床にも、貴船菊をもう一輪追加しております。
  
中置の五行棚の稽古も十分に楽しんでいただけ、
次は中置の大板もさせて頂きましょうかね。

参考
 菊は、古来中国では厄払いとしての薬草とされていたが、
 その後お祝い事、特に重陽の節句には、不老長寿や
 繁栄を願い、菊の花を飾り、着せ綿や菊酒として頂いたり、
 菊枕や菊湯として用いたりされております。

呈茶の短冊から主菓子を「秋風」と

2016-10-10 08:15:11 | 主菓子とお干菓子
10月8日は薬師寺・天武忌での呈茶のご奉仕でした。
始まる9時過ぎ、金堂と大講堂から若草山を望みますが、
晴れ間ですがやや霞んでおり、蒸し暑くなりそうな予感
・・・本当にそうなり、大変でした。

西回廊での野点席への案内が、

大講堂へ僧侶さんたちが向かわれ、
天武天皇のご遺徳を偲ぶ法要が始まります。
 
午前10時半 金堂前にて十二神将練供養(ピントが

午後0時 大講堂前にて、恵那農業高等学校から次米献納、
そして次米お田植おどり・抜き穂おどりが披露されており
(飛鳥池遺跡から天武天皇に岐阜県の「恵奈(恵那)」から
 米が献上されたことを記した木簡が出土したことから)
万燈会の準備ももうすでに終わっておりました。
18時から点燈され幽玄の世界が始まるのですね。
HPより 

呈茶の席に、こんな短冊が掲げられておりました。
秋風の吹上に立てる白菊は 
      花かあらぬか浪の寄するか

      古今和歌集272 菅原道真
詞書によると、この歌は菊合に添えられた歌で、
”秋風が吹いている和歌山の吹上の浜に立っている
 菊の花は、風に揺れて花なのか違うのか。
 はたまた、寄せ来る波なんだろうか。”と

この歌から『吹上』を思い描いた先人たちの感性は
素晴らしく、二つの事を忘れてはいけませんね。
一つは、唐物文琳茶入、銘『吹上』で、
小堀遠州の命名になり、中興名物、
仕覆はしじら間道、白極緞子でしたね。
松平不昧公そして五島美術館へと渡っております。

そして二つ目は、この菊の花「浜菊」で別名は吹上菊とされ、
一説にはこの歌が由来だそうで、茶花でよく使われます。

このお話を明日のお稽古に、そして主菓子は
ゆり根きんとんに安穏芋をそえてみました。
「浜菊」では?、昨日の朝は雨が止み急に肌寒くなり、
秋風』と名付けました。
 
今朝も、自宅稽古日ですので、準備しなくては!

余談)
今朝、寒さで5時前に目覚め、何気なくラジオを聴くと、
ラジオ深夜便の最後の今日の誕生花の件が・・・
まあーなんと『浜菊』で友愛だそうです。

茶箱月点前の「ウグイス」って

2016-10-09 13:10:35 | お稽古
夜の間降り続いた雨も止み、
昨日と打って変わった涼しさに、つい二度寝を。
昨日の薬師寺さんの疲れもあったのでしょうか?
自宅稽古の用意をしなくてはいけません。
庭に出てみると、雨に濡れた花々が迎えてくれました。
夏の花の木槿や百日紅の花もまだ咲いておりますが、

秋へと向かっており、
ムラサキシキブの実も一段と紫色が濃くなっております。
 杜鵑草 
八月から咲きだした杜鵑草(ほととぎす)も、
花入れの主役を務めてくれており、大助かりです。
そういえば鳥の「ホトトギス」は「ウグイス」の巣に
卵を産みますが、この「ウグイス」で思い出したことが。
二月にも『鶯点』の話をさせて頂いておりましたが、
秋にも・・・・・
二月のウグイス
ウグイスといえば、秋の間に、一度はしたいお点前、
お茶箱「月点前」です。
先日、やっとお稽古をさせていただきました。
器据をはらりと広げ羽で清め
その上に、諸道具を置き合わせます。
ここで登場する「ウグイス
U字形の金具で器据に差し立て、
茶筅を立てるために使用しますが、
どうして「ウグイス」と呼ばれているのかと
いつも不思議に思っておりました。
調べてみると
参照)・茶箱の鑑賞と点前(p78-97、淡交社)
   ・茶箱Ⅱ(p49-97、淡交社)
   ・組香入門、谷川ちぐさ(P25
香道の七種の道具の一つを有用したもので、
出香した後の香包を順次刺しておく為に用いるそうです。
昔は竹を用い、竹藪をくぐる意で
」の名があるそうです。

茶箱の中でこの点前だけは点前中にお香もたき、
すべての道具を並べ、ウグイスも飛ぶ
茶箱点前の中で
最も美しい点前と言われる所以なのですね。

神無月の玄関は「吉野龍田図屏風」色紙を

2016-10-08 17:16:20 | しつらえ
今日10月8日は、薬師寺の天武忌
昨年に続き、朝から薬師寺さんへお手伝いに伺いました。
昨日の予報では昼から雨でしたが、夕方まで降らずに。
でも日中は真夏日の30℃に、蒸し暑く、15時の終了まで
なんとか終えることが出来ました。
18時からの万燈会もきれいのに残念ですが、片付けを済ませ
早々に16時ごろには家に。疲れたーーー。

神無月の玄関のしつらえを書かせていただきます。
昨年は団栗と鈴虫の色紙でしたが、
今年、選んだ色紙は「吉野龍田図屏風」6曲1双の左隻の一部、
江戸時代 17世紀の作で、根津美術館所蔵。
錦のごとき龍田川の紅葉が描かれております。

先日、信貴山仲秋の茶会からの帰り、竜田川沿いの道からは
見る限り、紅葉はまだまだ早いようでした。
 
お稽古では、一足早い紅葉狩りになるのでしょうか?。
なお昨日の昼からの自宅稽古があり、
主菓子は、4日と同じ「いかるがの里」のつもりが、
彩が、鮮やかになり過ぎ、どうしましょう。
 10/4
『嵐吹く三室の山のもみぢ葉は龍田の川の錦なりけり』
       能因法師(69番)『後拾遺集』秋・366
から、「みむろのやま」とでもしましょう。
  
お稽古は茶箱をさせて頂きましたが、
手数が多く、”ボケ防止に、いいですね”とおっしゃって
お帰りになられており、本当にそうかもしれないですね。

金木犀の香りで、「西王母」椿も

2016-10-07 12:47:22 | 季節の花々
良い天気に誘われ、金木犀の香りが隣の生垣から漂い、
玄関先には藤袴などの鉢が置かれています。
今年も秋が、やって来ましたね。
  
でもこの好天も昼過ぎからは曇り始め、
明日はまた雨、この三連休は雨で始まるのでしょうか。

一方我が家の庭では紋白蝶やアゲハ蝶も舞うなか、

今年も、西王母椿が咲きだしており、
9/21 10/7
日を受けて西王母てふ冬椿
           愚句
本当は、週初めには咲きだし、これは三花目なのです。
残念なことに雨が続き、気が付いたときには虫に。
あとひと月、炉開きの日まで我慢の日々になります。

昼過ぎから、お稽古に見えられ、茶箱の予定、
これから準備を始めても間に合いますね。

簀戸から障子へ切り替え、主菓子は「斑鳩の里」で

2016-10-06 17:33:50 | 主菓子とお干菓子
火曜日の朝からは簀戸のまま、五行棚でのお稽古が済み、
昼二時から、11月の茶事に向けたお稽古の予定でしたので
この空き時間を逃すわけにはまいりません。
簀戸から障子へと切り替えますと、稽古場全体に、
障子を透した淡い光が差し込み、明るくなりました。
清濁のあはひ障子を入れにけり
           岡崎るり子
 
気分が一新しますね。
炭も再度熾して、湯を沸して釡を掛け、
水も撒き直し、さあいつでもどうぞと準備を済ませ、
主菓子も、出来立てをと造りました。
 
斑鳩の里』と名付けましたが、それというのも
先日の信貴山仲秋の茶会からの帰りに、竜田川そして
斑鳩の法隆寺・五重の塔、西ノ京の薬師寺・西塔を
車窓から眺めていたことを、思い出したからです。

 
二時間半の密度の濃い稽古になりましたが、
私もしておかなくてはいけません。
お帰りになられて、直ぐ始めます。
釣瓶落としの夕闇がせまり、
見難いことに気が付くまで・・・、相方は呆れ顔。
夢中になれるって、年を重ねても良いものです。

でも、簀戸に”ご苦労様、来年も”という願いを込め
お掃除をしてあげなければなりませんね。
また仕事が増えました。

「二文字搔上灰」の灰形と神無月のしつらえ

2016-10-05 12:05:01 | しつらえ
台風18号が日本海を進み、日本海側に上陸するという
前例(4例のみ)の少ないコースをたどりそう。
ほんとうに何もないように!

ここ奈良も夕方には風雨が強くなると予想されており、
昼前には風と共に雨が。
昨日は、神無月最初の自宅稽古日、
前もって神無月のしつらえをしておけばよかったのですが
いろいろ用事が立て込んでおりました故(言い訳ばかり)
当日の朝になり、大慌てで準備にかかりました。
床のしつらえで、収穫の秋ですから

お軸は今年も、扇面画賛で『寿楽』と稲穂
東大寺二百三世別当 狭川明俊大僧正(明治24年生まれ)

そして『栗香合』を

竹組籠花入れに、吾亦紅、水引、紫式部、杜鵑と木槿、
軸と合わせ、ススキを採りに行きたかったのですが・・
10分の時間の余裕もなかったのです。

中置のお稽古をさせて頂きますので、
苦労しましたが、これだけは済ませておりました。
土風炉に「二文字搔上灰」の灰形
木火土金水で五行になりますね。

お見せするには、少しはずかいのですが・・・
七本の筋は、流水に見えますでしょうか?

墨を熾し、湯を沸かせますと、
五行棚に、『徳風棗』を置き釜を掛け
 
準備完了、早く着物を着なければ。
ふと、稽古場を見ると『簀戸』にしたまま
障子に替えないと、もう時間的に無理です。
すみません・・・・・、
このままで、お稽古をさせて頂きました。

信貴山仲秋の茶会へ

2016-10-04 00:05:20 | お茶会・お茶事
仲秋も終わりに近い10月2日(日)、
『信貴山仲秋の茶会』に行ってきました。

「しぎさん」と親しみをこめて呼ばれており、
正式には信貴山「朝護孫子寺」、通称「信貴山寺」で、
大阪と奈良の境にある信貴山の奈良側の山腹にあり、
どちらからも訪れることができます。、
四大絵巻物の一つ、国宝『信貴山縁起絵巻』が有名ですが、
世界一大きな「張子の福虎」を含め、多数の虎がおられます。
謂れは、聖徳太子さまが「寅の年・寅の日・寅の刻」に
祈願をされると、毘沙門天さまが現れられたことからで、
阪神タイガースの選手も肖り、お見えだとか・・・

お茶席は午前10時から午後3時までで、
・成福院 裏千家 淡交会奈良青年部
・千手院 裏千家 堀川宗敬の会
・玉蔵院 表千家 よしの会
三席設けられており、着いたお昼前から
最終まで、三席とも楽しんでまいりました。

玉蔵院 表さん(よしの会)のお席では、
 
伊賀焼の巨匠新歓嗣さんの花器に
草花が・・・

仲秋の風を感じるいいものでした。
伊賀の山々を現した力強い水指は
”息子さんの新学さんの作品で”
と亭主のお話しを聞いていた処に
サプライズで、ご本人新さんが登場され、
焼き物の談義に花が咲き・・・

千手院でのお裏さん(堀川宗敬の会)のお席は
御園棚で立礼、
トルコブルーの水指に
トルコブルーの帛紗が印象的でした。

最後に、淡交会青年部のお席は
窶れ風炉に藁灰の中置で、
信貴山縁起絵巻を題材に
米俵のお茶碗が飛んでおりました。

三席とも、皆さん趣向をこらされており、
とてもよいお席でした。

お弁当を玉蔵院でいただき、
信貴山詣でをして

”来年も寄せていただきます”との思いで
帰途につきました。

山を下ると”龍田のもみじ”で有名な竜田川です。
嵐吹く三室の山のもみぢ葉は龍田の川の錦なりけり
       能因法師(69番)『後拾遺集』秋・366
まだ紅葉は早く、11月過ぎになるのでしょうか?

小学校の運動会と徳風棗

2016-10-03 06:30:11 | 日記
稲穂が頭を垂れる頃
運動会があっちこっちで開催されておりますが、
今日は孫の運動会、
天候には気をもみましたが、30分遅れでの開催の運びに、
朝からお弁当持参で出かけました。

一生懸命走り、踊り、飛び跳ねる
小学生の身体は、全身バネでできてるみたい。
 
どんな形にも伸びていく
これこそ一粒万倍です
民を治める者ではありませんが
じじ、ババとしましては
この子達に善い風を吹きかけてあげたい!
 
この季節、『一粒万倍』と甲に書いてある
徳風棗がお稽古に顔をだします。
徳の風が吹いたら一粒が万粒になる
民を治める者の徳は風のようなもの
民の徳は草(稲穂)のようなもの
善い風を吹きかければ善い方になびき
悪い風を吹きかければ悪い方になびく

なお、明後日の十月五日は『一粒万倍日』になります。

春日大社国宝殿開館ー千年の秘宝と珠玉の甲冑刀剣を一堂にー

2016-10-02 17:00:58 | 美術館・博物館
春日大社の仮殿での拝観も今日2日(日)で最後。
11月28日には御本殿の御修繕なった御本殿へお還り頂く、
『本殿立柱上棟祭』を迎えられます。
この正遷宮に合わせ奉祝行事が予定されております。
一つは、あまり知られておりませんが、春日大社には
国宝が352点、需要文化財971点もあり、展示施設として
今まであった宝物殿(S48年)を増改築し、10月1日から
『春日大社国宝殿』として開館されております。


今回は国宝41点、重要文化財4点が一緒公開されており、
国宝殿導入の暗闇に光と水で聖地が表現されている
『展示室 神垣(かみがき)』へ、御蓋山を仰ぐ
「神奈備」と「春日」など表されております。

一階、鼉太鼓ホール
春日若宮で使用される高さ6.5mの日本最大の鼉太鼓が

二階は大展示室と小展示室に分かれ

大展示室は王朝時代の名宝や甲冑を集中して展示。
国宝 赤糸威大鎧(鎌倉時代)

二階小展示室は刀剣類や工芸品が展示
国宝 金地螺鈿毛抜形太刀(平安時代)


二つ目は、
お砂持ち行事・国宝御本殿特別拝観が10月6日からで
神様がお還りになるこの時期に、本殿前に敷き詰められる
お砂をお運び頂く江戸時代以来の行事で、新装なった
国宝御本殿をまじかに拝観できる20年に一度の機会、
なお10月23日(日)までです。

秋の訪れとともに、三連休には
奈良公園の鹿の角きり』も予定されております。