●原子炉のメルトダウン
5月15日、東京電力は、福島第一原発の1号機がメルトダウンしていたことを認めた。24日には、2号機、3号機もメルトダウンしている、と公表した。
多くの専門家が、事故直後にメルトダウンの可能性を指摘していた。これを政府が知らなかったはずはない。
3月12日前後の段階で原子炉のメルトダウンが始まっていたとしたら、溶融物に水をかけることで大規模な水蒸気爆発が起こり、壊滅的な被害が出る可能性があった。多数が避難できないまま急性被曝で死ぬ可能性があった。そんな危機的なときに、東電は「これはチェルノブイリとは違う」と言っていた。【後藤政志】
●大気汚染
東京都内や関東近郊では、大気中の放射線量を18~20mなどという“鳥の目線”で計測している。数値が実は地表より低く出ていることを説明していない。
●海洋汚染
魚の頭・内臓・骨を抜き取って測定し、“安全”をアピールした。
●文部科学省の研究報告書
文科省は、管轄下の財団法人・放射線影響協会に調査委託し、研究報告書『原子力発電施設等放射線業務従事者等に係る疫学的調査』を10年3月末にまとめている。これによれば、次のように累積10mSvから死亡率が増加するなどの危険性があるのだが、政府は知らぬ顔で、大人も子どもも区別なく年「間の被曝許容量20mSv」に引き上げてしまった。
食道ガン、肺ガン、肝臓ガン、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫は、放射線累積線量とともに有意に増加する傾向が認められる。その増加は、累積10~20mSvから現れている。
ガンの死亡率は、累積線量とともに有意に増加する傾向を示す。死亡率の増加は、累積10mSvから認められ、累積20mSvからは、さらに高まっている。
●放射線医学総合研究所の資料
放射線医学総合研究所は、原発事故後の3月25日に「甲状腺等価線量評価のための参考資料」を報告した。これは体内被曝に係る資料で、きちんと公表していれば避ける方法はいくらでもあったのだ。資料は次のように記す。
3月12日から23日までの12日間、甲状腺に0.2μSv/時の内部被曝をした場合【注】、
1歳~3歳未満児・・・・108mSvの被曝
3歳~8歳未満児・・・・64mSvの被曝
18歳以上・・・・16mSvの被曝
【注】福島第一の3号機が爆発した3月15日、東京の一部には20μSvの内部被曝に相当する放射性物質が降り注いだ。
●政府発表の放射性物質の数値
セシウムとヨウ素が中心で、プルトニウムやストロンチウムなどの数値はほとんど公表されていない。
プルトニウムは、政府が公表しているγ線の20倍の悪影響がある。ストロンチウムは、新陳代謝が活発な子どもが骨に取り込むと、骨の成長を阻害する。しかし、政府には、福島の子どもを疎開させる、といった発想はない。
以上、記事「捨てられた日本国民」(「週刊現代」2011年6月11日号)に拠る。
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5月15日、東京電力は、福島第一原発の1号機がメルトダウンしていたことを認めた。24日には、2号機、3号機もメルトダウンしている、と公表した。
多くの専門家が、事故直後にメルトダウンの可能性を指摘していた。これを政府が知らなかったはずはない。
3月12日前後の段階で原子炉のメルトダウンが始まっていたとしたら、溶融物に水をかけることで大規模な水蒸気爆発が起こり、壊滅的な被害が出る可能性があった。多数が避難できないまま急性被曝で死ぬ可能性があった。そんな危機的なときに、東電は「これはチェルノブイリとは違う」と言っていた。【後藤政志】
●大気汚染
東京都内や関東近郊では、大気中の放射線量を18~20mなどという“鳥の目線”で計測している。数値が実は地表より低く出ていることを説明していない。
●海洋汚染
魚の頭・内臓・骨を抜き取って測定し、“安全”をアピールした。
●文部科学省の研究報告書
文科省は、管轄下の財団法人・放射線影響協会に調査委託し、研究報告書『原子力発電施設等放射線業務従事者等に係る疫学的調査』を10年3月末にまとめている。これによれば、次のように累積10mSvから死亡率が増加するなどの危険性があるのだが、政府は知らぬ顔で、大人も子どもも区別なく年「間の被曝許容量20mSv」に引き上げてしまった。
食道ガン、肺ガン、肝臓ガン、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫は、放射線累積線量とともに有意に増加する傾向が認められる。その増加は、累積10~20mSvから現れている。
ガンの死亡率は、累積線量とともに有意に増加する傾向を示す。死亡率の増加は、累積10mSvから認められ、累積20mSvからは、さらに高まっている。
●放射線医学総合研究所の資料
放射線医学総合研究所は、原発事故後の3月25日に「甲状腺等価線量評価のための参考資料」を報告した。これは体内被曝に係る資料で、きちんと公表していれば避ける方法はいくらでもあったのだ。資料は次のように記す。
3月12日から23日までの12日間、甲状腺に0.2μSv/時の内部被曝をした場合【注】、
1歳~3歳未満児・・・・108mSvの被曝
3歳~8歳未満児・・・・64mSvの被曝
18歳以上・・・・16mSvの被曝
【注】福島第一の3号機が爆発した3月15日、東京の一部には20μSvの内部被曝に相当する放射性物質が降り注いだ。
●政府発表の放射性物質の数値
セシウムとヨウ素が中心で、プルトニウムやストロンチウムなどの数値はほとんど公表されていない。
プルトニウムは、政府が公表しているγ線の20倍の悪影響がある。ストロンチウムは、新陳代謝が活発な子どもが骨に取り込むと、骨の成長を阻害する。しかし、政府には、福島の子どもを疎開させる、といった発想はない。
以上、記事「捨てられた日本国民」(「週刊現代」2011年6月11日号)に拠る。
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