語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【震災】原発>東電仕分け第三者委員会 ~東電解体の始まり~

2011年06月04日 | 震災・原発事故
 賠償スキーム策定の段階で、政府は公的資金を投入して東電を救済する案を飲む代わりに、6つの条件を突きつけた。その中で、東電が最後まで拒み続けてきたのが、第三者委員会の設置だった。
 その第三者委員会が本格的に動き始めた。
 「東京電力に関する経営・財務調査委員会」がそれ。東京電力の資産をすべて洗い出し、徹底したリストラを促す。

 5月13日に賠償スキームが閣僚懇談会で了承されるや、水面下で“東電仕分けプロジェクト”が進行し始めた。キーマンは、仙谷由人・官房副長官だ。
 仙谷副長官は、経産省、財務省、金融庁から官僚を集めて作業部会を立ち上げた。このタスクフォースが早速査定に入った。ここにコンサルタントや投資銀行などのM&A部隊が集められているらしい。
 “仕分け”はビッグチャンスなのだ。東電は、総資産14兆円、純資産3兆円。この処理を決めるのだが第三者委員会で、委員の人選も仙谷副長官が中心となった。

 5月24日に委員5人の顔ぶれが公表されると、東電に衝撃が走った。
 委員長は、下河辺和彦・日弁連元副会長。幾多の企業再生を手がけ、産業再生機構の社外取締役も務めた改革派だ。この名を聞いて、東電幹部は「これでは本当に丸裸にされてしまう」と警戒心を露わにした。
 吉川廣和・DOWAホールディングス(旧同和鉱業)会長は、仙谷副長官と親しい。実質的に第三者委を仕切るのではないか、と目される。吉川会長は、業績不振に喘いでいた老舗企業をわずか7年でV字回復させた実績を持つ。
 葛西敬之・JR東海会長も仙谷副長官から一本釣りされた。葛西会長いわく、「仙谷氏は合理的で現実的な考え方をするので、彼のやることなら応援したいと思いました」。もともと原発推進論者だが、東電改革に意欲的なようだ。国鉄の分割民営化を実践した改革3人衆の1人であり、「四季の会」を通じて荒木宏・東電元会長や勝俣恒久・東電会長とも親交がある。
 引頭麻美・大和総研執行役員は、金融庁の審議委員も務めている。企業会計のエキスパートだ。金融実務を担う、と目される。
 松村敏弘・東京大学社会科学研究所教授は、発送電分離論者だ。東電が最も恐れるのがこの人だ、と言われる。

 民主党関係者も、発送電分離が第三者委の“隠しテーマ”だ、と指摘する。 
 第三者委では、東電の利益の源泉、発送電一体にメスを入れ、競争原理を持ちこむことで発電コストを下げ、配電部門の売却まで視野に入れた議論になりそうだ。
 ちなみに、吉川委員も発送電分離論者だ。本人はいう。「原発を含めたエネルギー政策には健全な競争があるべきだと思う」
 将来の東電社長と噂される葛西委員はいう。「今は誰も長期的なシナリオを考えていない。まずは電力の安定供給を維持することで国民負担の軽減を最優先にしたい。安定供給ができなくなれば日本経済は弱体化する。それは国民に跳ね返ってくることです。緊急措置を施し、発電、送電、配電の体制はこの委員会で少し長いスパンで話し合って行きたい」

 以上、記事「東電仕分け第三者委員会 次期社長に浮上したメンバー」(「週刊文春」2011年6月9日号)に拠る。
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【震災】原発>小沢一郎と東京電力「蜜月21年」+原発事故に関する小沢語録

2011年06月04日 | 震災・原発事故
 1955年、自民党が誕生し、その直後に原子力基本法が制定された。以来、50年以上にわたって自民党と電力業界の蜜月は続いてきた。
 他方、電力総連も野党に議員を送りこみ続け、その系譜は現在の民主党に引き継がれている。
 東京電力を始め、電力業界の触手は政界に網の目のように張りめぐらされてきたのだ。 

 現役議員の中で、東電と最も長く深い関係にあるのは、小沢一郎・民主党元代表だ。東電と小沢との関係は、20年以上の長きに及ぶ。
 小沢の財界における最大の後ろ盾は、長らく平岩外四・東電元会長だった。経世会旗揚げ前の竹下登が、平岩に「小沢のための会を作ってやってくれ」と頼み、財界人で小沢を囲む「一政会」ができた。1980年代半ば、小沢が自民党幹事長になる前のことだ。
 90年11月、豪腕幹事長として絶頂にあった小沢は、日米の草の根交流を図るべく「ジョン万次郎の会」を設立した。平岩は、その発起人にも名を連ねた。
 93年6月、小沢が自民党を飛び出し、8月に細川連立政権を作った。その直後の9月、当時経団連会長だった平岩は、それまで長年おこなわれてきた自民党への政治献金の斡旋を中止した。自民党殲滅をめざした小沢は喜んだ。
 平岩を源流とした小沢と東電との深い関係は、随所で力を発揮した。たとえば、阿部力也・世田谷区会議員は、小沢が自民党幹事長だった頃の秘書で、その後東電のグループ企業、東電不動産に入社し、区議選に立候補。今も同社から給料を貰いながら、区議の仕事をしている。
 また、前述の「ジョン万次郎の会」は、今も小沢が会長で、東電の勝俣恒久会長が理事を務めている。
 その勝俣は、小沢の囲碁仲間だ。六本木のANAホテル37階に高級会員制囲碁サロンがあり、ここで小沢と勝俣は「手談」する。09年の政権交代後、幹事長として小沢が鳩山政権を牛耳っていた頃、勝俣は小沢に食事会を持ちかけ、上島重二・三井物産元会長、今井敬・新日鐵名誉会長と4人で数回会食した。

 小沢、勝俣のそれぞれが囲碁で縁のあるのが与謝野馨・経済財政担当大臣だ。葛西敬之・JR東海貴重が発起人を務める「四季の会」は、与謝野と安倍晋三・元総理を財界人が囲む会で、そのメンバーの一人が勝俣だ。
 与謝野は、中曽根康弘・元総理の薦めで東大法学部から日本原子力発電に就職した。
 与謝野は、今回の大震災後、東電擁護の発言を繰り返している。

 以上、記事「小沢一郎と東京電力『蜜月21年』」(「週刊文春」2011年6月9日号)に拠る。

    *

 小沢は、5月末、外国紙からのインタビューにおいて、こんな発言をしている。
 「日本の領土はあの分減ってしまった。あれは黙っていたら、どんどん広がる。東京もアウトになる」
 「再臨界に達するかもしれない。あそこが爆発したら大変だ。爆発させないために放射能を出しっぱなしにしている。爆発するよりたちが悪い。本当のことを言うとだ。ずっと長年にわたって放射能が出るから」
 復興財源は、「金なんぞ印刷すればいい」。

 以上、記事「民主・自民『敗者復活戦』完全実況中継」(「週刊文春」2011年6月9日号)に拠る。
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