福島第一原発の汚染水浄化処理システムは、工程ごとに次の企業が受けもつ。25トンの汚染水処理に東電は531億円の予算を計上している。
・システムの基本設計・・・・東芝・日立GE
・最初の油分離・・・・東芝
・セシウム吸着装置・・・・キュリオン
・セシウムなどを沈殿・除去する除染装置・・・・アレバ
・塩分除去・淡水化・・・・日立・アレバ・東芝
システムにトラブルが続いている。本格稼働したところ、セシウム吸着装置の放射線量が5時間で交換基準に達した、6月18日には一時停止に追いこまれた【注】。
キュリオン社とアレバ社は、機材の搬入・据え付け、運転指導を行う。人が常駐するから、浄化システムの運転が長引けば長引くほど、それだけ人件費がかさむ。
フランスが原子力技術を提供したのは、今回に限らない。日本原燃が運営する六ケ所村の核燃料再処理施設の技術は、ほとんどがアレバ社のものだ。
ところが、日本原燃が核燃料の再処理事業を国へ申請した89年当時は、完成が97年12月の予定で、建設費用は7,600億円で済むはずだった。それが、竣工予定を15回も延期している。12年10月の完成をめざしているが、現在までの建設費は2兆1,930億円だ。その間、アレバ社が付きっきりだ。そして、平然と報酬を持ち去る。
フランスでも、日本のように総予算を入札する一括受注方式だ。工事の変更やスケジュールの狂いに伴う追加経費は、日本の企業は追加請求しない。しかし、フランスの企業はすべて請求している。
フィンランドでは、建設中の新型炉の工事が予定より4年も遅れ、建設コストが予定金額の9割り増しになる事態が発生した。発注元の電力会社TVOとの契約では、追加請求は無い、操業開始までアレバ社がコストをもつ、というフル納入が条件のはずだった。しかし、アレバは「保安システムの構築に時間がかかった」ことを理由に追加コストの支払いを求め、係争に発展した。
同じフランス企業だが、アレバとは別の企業「ノバルカ」は、チェルノブイリの「石棺」をさらに外側から覆う「新安全封じ込め施設(NSC)」の建設を予算10億ドルで受けもつ。
ところが、完成は2012年とも14年とも言い、完成時期は不明だ。完成したドームを移動させるレールの建設に着手したところだが、土壌汚染による作業員の被曝の問題や資金不足で、作業ははかどっていない。【現地関係者】
フランス企業に時間とカネばかり食われて、予定通りに建設が進まないのではないか、という懸念が広まっている。
以上、青沼陽一郎(ジャーナリスト)「“原発処理”フランス企業の「最低最悪の評判』」(「週刊文春」2011年6月30日号)に拠る。
【注】最近では、27日午後4時20分に「循環注水冷却」を開始したところ、注水用配管の継ぎ目に水漏れが見つかり、約1時間半後に原子炉への注水を停止した。
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・システムの基本設計・・・・東芝・日立GE
・最初の油分離・・・・東芝
・セシウム吸着装置・・・・キュリオン
・セシウムなどを沈殿・除去する除染装置・・・・アレバ
・塩分除去・淡水化・・・・日立・アレバ・東芝
システムにトラブルが続いている。本格稼働したところ、セシウム吸着装置の放射線量が5時間で交換基準に達した、6月18日には一時停止に追いこまれた【注】。
キュリオン社とアレバ社は、機材の搬入・据え付け、運転指導を行う。人が常駐するから、浄化システムの運転が長引けば長引くほど、それだけ人件費がかさむ。
フランスが原子力技術を提供したのは、今回に限らない。日本原燃が運営する六ケ所村の核燃料再処理施設の技術は、ほとんどがアレバ社のものだ。
ところが、日本原燃が核燃料の再処理事業を国へ申請した89年当時は、完成が97年12月の予定で、建設費用は7,600億円で済むはずだった。それが、竣工予定を15回も延期している。12年10月の完成をめざしているが、現在までの建設費は2兆1,930億円だ。その間、アレバ社が付きっきりだ。そして、平然と報酬を持ち去る。
フランスでも、日本のように総予算を入札する一括受注方式だ。工事の変更やスケジュールの狂いに伴う追加経費は、日本の企業は追加請求しない。しかし、フランスの企業はすべて請求している。
フィンランドでは、建設中の新型炉の工事が予定より4年も遅れ、建設コストが予定金額の9割り増しになる事態が発生した。発注元の電力会社TVOとの契約では、追加請求は無い、操業開始までアレバ社がコストをもつ、というフル納入が条件のはずだった。しかし、アレバは「保安システムの構築に時間がかかった」ことを理由に追加コストの支払いを求め、係争に発展した。
同じフランス企業だが、アレバとは別の企業「ノバルカ」は、チェルノブイリの「石棺」をさらに外側から覆う「新安全封じ込め施設(NSC)」の建設を予算10億ドルで受けもつ。
ところが、完成は2012年とも14年とも言い、完成時期は不明だ。完成したドームを移動させるレールの建設に着手したところだが、土壌汚染による作業員の被曝の問題や資金不足で、作業ははかどっていない。【現地関係者】
フランス企業に時間とカネばかり食われて、予定通りに建設が進まないのではないか、という懸念が広まっている。
以上、青沼陽一郎(ジャーナリスト)「“原発処理”フランス企業の「最低最悪の評判』」(「週刊文春」2011年6月30日号)に拠る。
【注】最近では、27日午後4時20分に「循環注水冷却」を開始したところ、注水用配管の継ぎ目に水漏れが見つかり、約1時間半後に原子炉への注水を停止した。
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