語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【震災】原発>日本原子力文化振興財団による「国民洗脳マニュアル」

2011年07月18日 | 震災・原発事故
 日本原子力文化振興財団【注1】による原発推進のための「国民洗脳マニュアル」【注2】は、次のように大衆操作のコツを伝授する。

 「停電は困るが、原子力はいやだ、という虫のいいことをいっているのが大衆である」
 「『原子力はいらないが、停電は困る』という虫のいい人たちに、正面から原子力の安全性を説いて聞いてもらうのは難しい。ややオブラートに包んだ話し方なら聞きやすい」

 「原子力による電力が“すでに全電力の3分の1も賄っているなら、もう仕方ない”と大方は思うだろう」
 「サラリーマン層には“1/3は原子力”、これを訴えるのが最適」
 「電力会社や関連機関の広告に、必ず、“1/3は原子力”を入れる。小さくともどこかに入れる。いやでも頭に残っていく。広告のポイントはそれだ」

 「文化系の人は数字を見るとむやみに有難がる」

 「女性(主婦層)には、訴求点を絞り、信頼ある学者や文化人等が連呼方式で訴える方式をとる」
 「主婦の場合、自分の回りに原子力発電所がなければ、原子力発電を他人事としか受け取っていない。したがって、情報に対する興味が初めからない。興味がない人に注意を喚起する必要があるのか」
 「(主婦は)反対派の主張に共感しやすい」
 「チェルノブイリ事故によって、輸入食品の汚染が言われるようになり主婦層の不安が増大した」
 「環境、自然食品などエコロジーに関心の強い女性は、地域の消費センターのような所を頼りにしている」
 「そういったところのオピニオンリーダーを理解者側に取り込めたら、強い味方になる」
 「テレビの何々ショウといった番組で影響力の強い人がしゃべったのを聞いて、賛成になったり反対になったりする主婦もいる」
 「原子力に好意的な文化人を常に抱えていて、何かの時にコメンテーターとしてマスコミに推薦できるようにしておく」
 「コメンテーターにふさわしい人の名をマスコミが自然に覚えるよう、日頃から工夫する必要がある」

 「マスコミ関係者と個人的なつながりを深める努力が必要ではないか。接触をして、いろんな情報をさりげなく注入することが大事だ。マスコミ関係者は原子力の情報に疎い」
 「テレビディレクターなど製作現場の人間とロビー作りを考える(テレビ局を特定してもよい)。特定のテレビ局をシンパにするだけでも大きい意味がある」
 「人気キャスターをターゲットにした広報を考える。事件のない時でも、時折会合を持ち、原子力について話し合い、情報提供する」

 「繰り返し繰り返し広報が必要である。新聞記事も、読者は3日すれば忘れる。繰り返し書くことによって、刷り込み効果が出る」

 「誰が考えても、原子力は危険なものだ」
 「危険でも安全に注意して扱えば安全になる。青酸カリでも火でも、なんでも同じだ」

 【注1】「原子力への国民の理解増進に寄与するための様々な広報活動を展開」する組織(日本原子力文化振興財団事業報告書)。
 【注2】91年に日本原子力文化振興財団がまとめた「原子力PA方策の考え方」。PAは、パブリック・アプセプタンスの略。

 以上、記事「税金で『国民洗脳マニュアル』を作っていた 呆れてものが言えない『原発推進』行政」(「週刊現代」2011年7月30日号)に拠る。
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【震災】原発>勝俣恒久・東京電力会長らを刑事告発

2011年07月18日 | 震災・原発事故
 明石昇二郎および広瀬隆は、平成23年7月8日付けで、東京地方検察庁に対し、刑法第211条(業務上過失致死傷罪)の廉で勝俣恒久・東京電力会長ら32名を告発した。被告発者は、次のとおりだ。

1 東京電力等
(1)東京電力株式会社
 東京電力代表取締役会長 勝俣恒久
 同前代表取締役社長 清水正孝
 同前代表取締役副社長兼原子力・立地本部長 武藤栄
 同監査役/元東京大学総長 小宮山宏

(2)国(原子力安全委員会)
 原子力安全委員会委員長長 班目春樹
 原子力安全委員会委員長代理 久木田豊
 原子力安全委員会委員 久住静代
 同 小山田修
 同 代谷誠治
 前原子力安全委員会委員長/日本原子力研究開発機構理事長 鈴木篤之

(3)国(原子力安全・保安院)
 原子力安全・保安院院長 寺坂信昭

(4)国(原子力安全・保安院専門委員)
 総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会耐震・構造設計小委員会地震・津波、地質・地盤合同WG主査/東京大学地震研究所教授 纐纈一起
 同WG委員/東京工業大学名誉教授 衣笠善博(東京工業大学名誉教授)
 同WG委員/産業技術総合研究所活断層・地震研究センター長 岡村行信

(5)国(原子力委員会)
 原子力委員会委員長 近藤駿介

2 学者
(1)山下俊一
 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長【注】/日本甲状腺学会理事長/福島県放射線健康リスク管理アドバイザー 山下俊一

(2)久住静代
 原子力安全委員会委員 久住静代

(3)国(文部科学省)
 文部科学大臣 高木義明
 文部科学省生涯学習政策局長 板東久美子
 文部科学省初等中等教育局長 山中伸一
 文部科学省科学技術・学術政策局長 合田隆史
 文部科学省スポーツ・青?年局長 布村幸彦

(4)国(原子力安全委員会)
 原子力安全委員会委員長 班目春樹
 原子力安全委員会委員長代理 久木田豊
 原子力安全委員会委員 小山田修
 同 代谷誠治

(5)放射線専門家
 広島大学原爆放射線医科学研究所長/福島県放射線健康リスク管理アドバイザー 神谷研二
 福井大学教授 寺沢秀一
 国際被ばく医療協会名誉会長 長瀧重信
 広島大学大学院教授 谷川攻一
 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科教授/福島県放射線健康リスク管理アドバイザー  高村昇
 (社)日本アイソトープ協会常務理事 佐々木康人

 【注】山下俊一は、7月15日付けで福島県立医科大学副学長に就任した。

 以上、「告発状(東電用)」及び「告発状(学者用)」に拠る。

   *

 欧州議会に設置されている「ヨーロッパ放射線リスク委員会(ECRR)」は、国際原子力機関(IAEA)と日本の公式データをもとに、福島県の近隣地域で今後発症すると予想されるガン患者の数を発表した。福島第一原発から100km圏内では、今後10年間に10万人以上がガンを発症する。100~200km圏内では、12万人以上となる(この圏内の住民人口が多いため)。ドイツのメルケル首相はこの報告書を読んで原発全廃に政策転換した、という。

 以上、田中龍作「【福島原発事故】 東電最高幹部、山下教授ら張本人32名を刑事告発~下~」(自由報道協会<ザ・ニュース>)に拠る。
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