電力多消費社会をつくりあげた日本で、原発に依存しない社会をつくるのは、当然苦痛をともなう。だが、脱原発に向かわなければならない理由は、少なくとも二つある。
第一は、原発に従事している従業員の被曝である。第二は危険な放射性廃棄物の累積である。もちろん事故は大問題である。
原発従業員の実状について、これを伝える新聞は少ない。その実情は、今インターネット上で評判の平井憲夫「原発がどんなものか知ってほしい」を読めばわかる。これは当初“PKO法「雑則」を広める会”での聞き書きのようであるが『みんなの森』4号(2003年5月10日)に、ついで『あごら』266号(2003年7・8号)にのって活字になった。平井さんは1996年12月に亡くなられているから、活字になったのは亡くなられてからかなりたってからである。平井さんは日立の下請の現場の責任者で、過去において福島第一はもちろん、日本原電の東海、敦賀、中部電力の浜岡の点検、現場の監督として20年近くたずさわった経験から、その実情を語ったものである。ここでは紙数の関係で割愛するが、原発維持のためにかなりの数の被爆者が生まれていることだけを記しておこう。許されない被爆者をなくするためには脱原発以外ない。これが第一の理由である。
【参考】「【震災】原発で働く作業員の現実」
「【震災】東京電力の、下請け作業員の使い捨て」
第二は、最終処理不可能で、何世代にわたって強い放射線を出す廃棄物をこれ以上累積させてはならないからである。
そのため、まず行わなければならないのは、危険性の高い--つまり予想される大地震や、断層に近い原発と、30年以上たった老朽原発の停止であろう【注】。そしてこれによって廃炉が行われることになれば、現在不確実な廃炉費用も明らかになってこよう。
【注】原発の建設費は大きく上昇した。その大きな理由は安全性強化のためである。古い原発は危ない。廃炉にすべきである。
以上、伊東光晴「経済学からみた原子力発電」(「世界」2011年8月号)の「五 脱原発から原発のない社会へ」のうち「(b)脱原発に向かわなければならない」を引用した。ただし、漢数字は算用数字に替え、また、読みやすいよう空行を挿入した。
なお、【注】は論文全体の9番目の注記で、原文では「(9)」と表記される。また、【参考】は引用者による挿入である。
↓クリック、プリーズ。↓
第一は、原発に従事している従業員の被曝である。第二は危険な放射性廃棄物の累積である。もちろん事故は大問題である。
原発従業員の実状について、これを伝える新聞は少ない。その実情は、今インターネット上で評判の平井憲夫「原発がどんなものか知ってほしい」を読めばわかる。これは当初“PKO法「雑則」を広める会”での聞き書きのようであるが『みんなの森』4号(2003年5月10日)に、ついで『あごら』266号(2003年7・8号)にのって活字になった。平井さんは1996年12月に亡くなられているから、活字になったのは亡くなられてからかなりたってからである。平井さんは日立の下請の現場の責任者で、過去において福島第一はもちろん、日本原電の東海、敦賀、中部電力の浜岡の点検、現場の監督として20年近くたずさわった経験から、その実情を語ったものである。ここでは紙数の関係で割愛するが、原発維持のためにかなりの数の被爆者が生まれていることだけを記しておこう。許されない被爆者をなくするためには脱原発以外ない。これが第一の理由である。
【参考】「【震災】原発で働く作業員の現実」
「【震災】東京電力の、下請け作業員の使い捨て」
第二は、最終処理不可能で、何世代にわたって強い放射線を出す廃棄物をこれ以上累積させてはならないからである。
そのため、まず行わなければならないのは、危険性の高い--つまり予想される大地震や、断層に近い原発と、30年以上たった老朽原発の停止であろう【注】。そしてこれによって廃炉が行われることになれば、現在不確実な廃炉費用も明らかになってこよう。
【注】原発の建設費は大きく上昇した。その大きな理由は安全性強化のためである。古い原発は危ない。廃炉にすべきである。
以上、伊東光晴「経済学からみた原子力発電」(「世界」2011年8月号)の「五 脱原発から原発のない社会へ」のうち「(b)脱原発に向かわなければならない」を引用した。ただし、漢数字は算用数字に替え、また、読みやすいよう空行を挿入した。
なお、【注】は論文全体の9番目の注記で、原文では「(9)」と表記される。また、【参考】は引用者による挿入である。
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