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発達障害の基礎2・ADHD低い自己評価と不安

2010-09-08 04:12:30 | 普通教室に特別支援を
2010/9/8up全ページ目次
発達障害の基礎2・ADHD低い自己評価と不安

ADHDの講習に行きました。
だいぶ古い資料ですのでもしかすると現在では異なる解釈が存在するかもしれません。
ご了解ください。
また、出張扱いにして頂き校内職員に還元した内容なので
ブログアップしても良いと判断しました。
もし、公開に問題がある場合はご指摘ください。

■上林靖子氏■(当時:中央大文学部)「わが国におけるAD/HD臨床の現状」

<ADHDの症状>
(1)三つの特徴
 ① 不注意
   (集中時間が短い・注意がすぐ他に移る)
 ② 多動
   (動き回る・そわそわ・もじもじ・多弁)
 ③ 衝動
   (結果を考えずに行動・判断する)

(2)その結果A
 ① 攻撃的性格を持つ。
 ② 不安・抑うつ感を持つ。
   (自分はだめだ。また失敗するのではないか。)

 ③ 学習に対する不安感を持つ。
 ④ 仲間からの孤立を感じる。

(3)その結果B
 ① 『低い自己評価』
★ADHDにおける、もっとも有害な影響
 ② 人より劣っているという感覚
 ③ どうせだめだ、信頼されない

(4)特徴
 ① 出現率=3~7%。
   (50人いれば1人~3人)
 ② 併存障害が多い。
   (ADHDの症状だけを持つ子は、全体の20パーセントだけ)
    ア. 行動障害=57パーセント(大人と険悪になる。反抗挑戦性障害
    イ. 情緒的障害=26パーセント(脅迫症状。不登校。)
    ウ. 発達障害=33パーセント(LD)
 ③ [見過ごされる]+[放置]=リスク増大
    ア. 学習・仲間関係に支障。
    イ. 社会的問題を起こす。(壊す。けがをさせる。)
    ウ. 自己評価低下。
    エ. 家族が難問を抱える。
    オ. 長期にわたり、大人になるまで影響が残る。
 ④ 『行動を抑制する機能』が欠けている。
    =つまり、無理に静止しようとしても無駄。
 ⑤ 「チェックリスト」による診断が必要。
    (症状が6ヶ月以上続く・年齢相応の行動がとれないなど)
 ⑥ 神経生物学的障害であり、遺伝や家族環境にも影響される。

<ADHDの治療>
 1 薬物治療 
 2 家族に対する治療プログラム 
 3 ソーシャルスキルの獲得……他。

<薬物療法について>
 ※「リタリン」が第一選択。
 ① ADHDの70~80パーセントに有効。
 ② 多動・衝動・不注意の軽減。
 ③ 攻撃性が減る。
 ④ 反抗も挑戦性も減る。
 ⑤ 20~30分で効いて、3~5時間で効力は消える。 
 
 「薬が効いている時間帯に、正しい学習をすることを通して変わっていく。」

 
 「治療が成功か失敗かは、子どもの利益に基づいて判断を。大人の利益ではない。」

■小野隆行氏■
 ★ADHD[基本的な内容]効果がある指導・効果がない指導
   ○効果がある指導//×効果がない指導
[ 国語 ]
 ① 漢字指導
    ○授業で行なう「ゆび書き」「なぞり書き」「うつし書き」のステップ
    ○『あかねこ漢字スキル』
    ×体力勝負で何回も練習させる
    ×宿題にする
    ×長時間の練習
 ② 音読指導
    ○題名の横に○を10個書かせ、1回読んだら赤で塗る。
    ×音読カード
 ③ 作文
    ○書き出しなど、書き方を教える。
    ×「何でもいい。思ったとおり書きなさい」という指導
 ④ 意味調べ
    ○辞書引き競争
    ○辞書を作る人になって意味を書く。
    ×自分で分からない言葉を辞書で調べさせる
 ⑤ 視写
    ○『うつしまるくん』
    ○お手本と答えが同じ用紙
    ×教科書をそのままノートに写させる
 ⑥ 百人一首
    ○スピードを上げて速く読む
    ×ゆっくりと読む

[ 算数 ]
 ① 指導法
    ○向山型算数
     =教科書どおりに教える
    ×問題解決学習
    ×1時間に1問か2問、みんなで話し合う
 ② 計算指導
    ○あかねこ計算スキル
     =スモールステップになっている
    ×百マス計算
     =集中力が続かない
 ③ ノート指導
    ○ゆったりと書かせる
    ○ミニ定規を使わせる
    ×つめて書かせる
    ×自由に書かせ、指導しない
 ④ ノート
    ○TOSSノート
     =縦線が薄く、大きな数字や小数などが書きやすい。
    ×方眼ノート
     =縦線が濃いので、小数点が分かりづらい。
      大きな数を書くとき邪魔になる。

[ その他 ]
 ① 忘れ物指導
    ○教師が黙って貸す
    ○お礼を言わせ褒める
    ○「明日持ってこれるよ」と励ます
    ×叱る・お説教
    ×忘れ物表をはる
 ② 掃除
    ○役割の明確化
    ○やり方を教える
    ×グループで、掃除場所が割り当てられている
 ③ トラブル指導
    ○向山型喧嘩両成敗
    ×長い話で言って聞かせる
    ×お説教
 ④ 給食配膳
    ○教師が仕切る
    ×子どもに任せる
 ⑤ 朝の会
    ○何をするかが分かるもの
    ○個人でできるもの
    ×具体的でないこと
    ×みんなで行なう活動
 ⑥ 帰りの会
    ○しない、または短い時間
    ×長時間行なう

■ブログ内発達症対応リンク■
発達障害の基礎 定義・授業対応等①
ADHD児を叱っても無駄
発達障害・掲示物を黒板周りに貼ってはならない
発達障害の基礎 発達障害研修会感想2006年度
発達障害の基礎1・ADHD特徴と褒める事
発達障害の基礎2・ADHD低い自己評価と不安
●発達障害中学(1)ほめられたことがない
(2)一度に一つのことしか覚えられない
(3)筆箱の中には必要なものだけを
(4)筆箱は定期的にチェック
(5)片付けるってどうすること

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