テレビでは連日甲子園の熱戦が報じられていますが、塾生達は甲子園での激闘を見ていますか?
恐らく君達が野球を上手くなる上で、最も参考になるプレーばかりだから、時間の許す限り観戦してね。
さて、最近の子供達が持っている道具と言うのは、塾長達が子供の頃とは比較にならないのです。
全員が本革のグローブを持ち、ブランド品のバットをこれまたメーカー純正のバットケースに仕舞って持って来ます。
グローブを持っていない子供は、マジックインキで手の甲に「ローリングス」などと書いた塾長達とは雲泥の差なのでした。
その持っている道具の中でも、最近はひときわ高くなったのがバット。
金属バットが登場して以来、バットの耐久性は抜群に長くなったのだけれど、中東の6日間戦争後に対戦車砲の技術が応用されたビヨンドマックスなんてバットが登場してからは、その価格もそれまでの物とは比較にならなくなりました。
その影響は子供達の道具にまで波及し、今や塾生達が持っているバットも5千円以下なんて物が見当たりません。
誰の家にあるスリコギが最も打ちやすいなどとデータを取っていた塾長達とは、随分と時代が変わったものです。
その高級品を持っている塾生達にバッティングを教えます。
正しい構え方、正しいバットの軌道、してはいけない事など。
一通り教え込んだら、後は徹底的に打たせてみます。
ほれ打て、やれ打て。
この日は卒部生達が応援に来てくれているので、とっても助かります。
それにしてもトムのバット軌道は酷いな・・・
上から叩くどころか、真下からバットが出てるぞ。
まともに当たったらキャッチャーフライ?
じっくりと時間をかけて、悪い個所を修正します。
身体は開かなくなったけど、まだまだバットが上から出ません。
たまに何のスポーツか解らない奴もいます。
これが当たると、なまじ飛ぶから始末が悪い。
指導陣は熱く熱く教えるのです。
そうじゃない、こうだっ!
だから、そうじゃないってば。
前の膝を曲げるなっ!
だからこうだって言ってるだろっ!
おいっ! そこっ! 見てるか?
だからっ!
もっと思い切り振らんかぁ!
あのね。
君達のはね。
周って来~いっ!!
数千円もするバットの元が取れるまでは、果てしない道のりが横たわっているのでした。