インテリジェント ワークス

子供達との泣き笑い

裏切り

2020年08月10日 | 塾長の独り言

平成塾を運営していて一番辛かった出来事と言えば、あるコーチの裏切りでしょう。
僕はこのコーチを最も信頼していましたし、事あるごとに相談も持ち掛けていました。
時には笑い、時には涙しながら子供達の現状を話し合い、ともかく子供達の為になる事をやれるよう頑張ろうと、お互いが誓っていたものだと信じていたのです。

ですが、ある飲んだ席で、このコーチが平成塾に参加しているのは全く別な目的があると告げられます。
これを聞かされた時はハンマーで脳天を叩かれたような気分で、一緒に乗った帰りのタクシーの中で一言も発せられなかった事を覚えています。

もともとこのコーチはTPOを弁えないで、あまりにも軽率な言動を繰り返す所はありました。
それはこの発言を聞かされる数年前の出来事ですが、ある別なコーチが不祥事を起こしたのでコーチを辞めたいと電話で申告をして来た事があったのです。
たまたま僕はその日は忙しくて、その電話での会話継続が難しく後ほど改めて話そうと言う事になったのですが、その電話をかけて来たコーチが次に電話をしたのが当該コーチでした。

不祥事を起こしたと主張するコーチの口調、更にはエコーが響く通話音。
まともに考えれば、電話はオープンボイスになっており、後ろで誰かが聞いているのはすぐに判ります。
にも関わらず、当該コーチはある事無い事話し始めました。
このコーチを慰めようと思ったのか、そんな不祥事は自分もやった、それだけじゃ無くて他にもあいつもやったし、こいつもやったしと本人の思い込みをあたかも事実のように伝えてしまいました。

これこそ飲んだ席で言うなら冗談で済んだかも知れません。
ですが午前中の電話で現役のコーチが発言した内容は非常に重く、この話しはその日の内にお母さんネットワークを通じて近隣の団体に伝わりました。

何と言う思慮の浅さ、何と言う愚かさ、この噂を他の団体から聞かされた自分は、呆れかえって物が言えませんでした。

更に当該コーチ本当は参加できる練習にも顔を出さなくなって来ます。
その日は当該コーチが自分の野球がある事は知っていました。
ただそれは午後1時からの試合で、こちらを11時に出れば集合時間は充分に間に合うタイミングだったのです。
平成塾は8時から足立東校で練習が行われており、指導者がほとんど休みであった事も知っていた筈でしたが、このコーチがグラウンドに現れる事はありませんでした。

そんな時の先の発言です。
そのショックは筆舌に表し難いほどのショックを受けました。
子供の為の団体と言う自負があったからこそ、学校や協議会を敵に回してでも子供の為と戦って来たんです。
本当に子供達の為に出来る事をやろうと思ったからこそ、大人の都合で平成塾を利用しようとする団体を排除して来たのです。
ところが、どうでしょう。
実際にはそんな事を微塵も考えていない人がコーチとして在籍していたと言うのは、まさしく裏切り行為以外の何物でもありませんでした。

翌日、その日は平成塾の納会前の親子大会の日であり、グラウンドで僕はそのコーチに昨夜の発言の真意を問いました。
するとそのコーチは、飲んだ席の発言なんかどうでもいいだろと会話を一方的に終わらせたのです。
もしここで、昨夜何かまずい事でも言いましたか?などと発言があれば、まだ救いようがあったでしょう。
ですが、このコーチは明らかに自分の発言を覚えていました。

故談志師匠の言葉で、酒がその人を変えるんじゃない、酒がその人の本性を暴くんだと言う有名なセリフがありますが、まさにこの件はそれが当てはまるでしょう。

とは言え、最も信頼していたコーチです。
発言が軽率で、最近はまじめに練習に出てこない事はあっても、長い時間苦楽を共にした仲間です。
どうしようか本当に悩みました。

ですが、足立ポップスは途中から自浄作用を失ってチームが暴走を始めました。
その結果として多くの子供達が泣く思いをしたのです。

泣いて馬謖を切るの例え通り、このコーチの本音を知ってしまった以上は、ここに置いておく事は出来ませんでした。
これが僕にとってどれだけ辛い出来事であったかは、当該コーチも他のコーチも知る由は無いでしょう。