趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
由利高原鉄道の硬券乗車券 その2
由利高原鉄道の硬券乗車券として忘れてはならないものとして、開業(転換)当時に発行された地図地紋の硬券乗車券がありました。
由利高原鉄道は羽後本荘・前郷・矢島の3駅にて乗車券の発売をしていますが、開業当時は各駅で地図地紋の硬券乗車券を発売していました。
これは前郷駅発行の薬師堂ゆき地図地紋券です。これをここでは便宜的に「1型」と呼ぶことにします。
1型の地図を良く見ますと羽後本荘・薬師堂・子吉の各駅が描かれており、発行駅である前郷駅はありません。
次の券は矢島駅発行の前郷ゆき地図地紋券です。これをここでは「2型」と呼ぶことにします。
2型の地図には鮎川・黒沢・前郷・久保田・西滝沢の各駅が描かれており、やはり発行駅である矢島駅はありません。
次の券は2型と同じ矢島駅発行の乗車券で、川辺ゆき地図地紋券です。これをここでは「3型」と呼ぶことにします。
3型の地図には発行駅である矢島駅と川辺駅が描かれています。
訪問した時は、各発行駅ごとに地図の図柄が異なっているものと思っておりましたが、以上からわかるように、各駅の口座を調べて参りますと、これら3種類の地図券の法則があり、3種類の地図地紋の図柄の選択は、着駅ベースで決められていたことがわかります。
また、これら地図地紋券には特徴があり、1~3型それぞれを縦に3枚並べると、次のようになります。
印刷の具合で若干ずれているものの、由利高原鉄道の路線図が出来上がります。
このような独特なデザインの地図地紋券ではありましたが、若干券面が見づらいからなのかコストがかかってしまうからなのかわかりませんが、訪問した昭和62年9月には、在庫が無くなった分から、前回エントリーさせていただいたような自社地紋のペラ券に切り替わってしまいました。
しかしながら、2代目の「ペラ券」も現在は3代目にあたる日本交通印刷の硬券に変わり、消滅しているようです。