三菱鉱業大夕張鉄道の地図式券

   images (表面)

三菱鉱業大夕張鉄道(のちの三菱石炭鉱業大夕張鉄道)は北海道内の私鉄としては、第三セクター化された北海道ちほく高原鉄道と公営交通を除き、最後まで残った私鉄でした。しかし、大夕張炭鉱の閉山に伴い、昭和48年12月に南大夕張~大夕張炭山間が廃止され、昭和62年7月には、残された清水沢~南大夕張間の全線が廃止されてしまっています。

今回御紹介いたしますのは、南大夕張~大夕張炭山間にあったシューパロ湖駅発行の地図式硬券乗車券(廃札券)です。
シューパロ湖駅は昭和37年6月に開業しましたが、7年後の昭和44年10月、合理化によってあっけなく廃止されてしまった駅でした。

同鉄道は臨時駅の農場前駅を含めて10駅ありますが、なぜかシューパロ湖駅の20円券だけが地図式となっていたようで、その他の駅発の地図式券は未見です。
北海道交通印刷製と思われる地図式券ですが、活字を巧みに組み合わせ、なんとも涙ぐましい努力の伺える秀作です。

   images (裏面)

表面はにぎやかですが、国鉄の地図式券と違って注意書きの類は表に記載されていますので、裏は大変シンプルです。

   images (大夕張からシューパロ湖ゆき)

同時期に発行された、最遠の着駅である大夕張からシューパロ湖ゆきの券は、同社では一般的な一般式の券でした。
この中で、「通用発売日共1日」という表現は常備硬券としてどうかと思う節がありますが、これは同社の他、夕張鉄道などの北海道交通印刷券によくある表現のようで、内地ではなかなかお目にかからない独特なものでした。

この記事は菅沼天虎様のブログ「菅沼天虎の紙屑談義」8月22日エントリーの「道南バス 地図式乗車券」および8月24日エントリーの「大夕張鉄道の有効当日の表記」からトラックバックを戴きましたので、こちらからもトラックバックさせていただきました。

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