富内線 日高町駅の補充券の記号表示

廃線を2ヶ月後に控えた昭和61年9月に富内線日高町駅発行で発行された、補充片道乗車券(補片)です。

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富内線は日高本線の鵡川駅から日高町に至る全長82.5kmの北海道総局管轄の路線で、国鉄時代の昭和61年11月1日に廃止された路線でした。

北海道総局は昭和45年8月に国鉄の支社制度廃止に伴って、それまでの北海道支社を北海道総局に改称し、さらに札幌鉄道管理局を統合して発足しますが、昭和51年11月には再度札幌鉄道管理局が分離されました。しかし、その後昭和60年3月には再び札幌鉄道管理局は北海道総局に統合され、JR北海道に引き継がれます。

左上に表記されている発行管理局名を示す記号表示は「○道」となっており、北海道総局を示すものと思われます。
富内線は廃止時には北海道総局管内の路線であったものの、昭和60年3月以前は旧札幌鉄道管理局管内の路線であるため、この補片はオフセット印刷の国鉄末期の様式から見て、昭和60年3月以降に設備された、比較的新しい券であると推測されます。

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こちらは同じ日に同駅で購入した補充往復乗車券(補往)です。
往復券となると片道券ほどの需要が無かったことが理由であったのか、もしくはたまたま在庫があったからなのかは定かではありませんが、こちらの発行管理局名を示す記号表示は「○札」となっており、札幌鉄道管理局を示す旧券がそのまま使用されているものと思われます。

先にも書きましたように、富内線日高町駅はこれらの券は2ヵ月後には路線廃止と共に廃駅となっており、2ヶ月間の間に北海道総局発行を示す「○道」表示の補往が設備されたのかどうか、興味のあるところです。

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