JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
島原鉄道 第一種補充券3態
島原鉄道で使用されている出札補充券です。
本諫早駅発行のもので、ここでは「形態①」と呼びます。
発行箇所名を記入する欄には列車名を書く欄があり、「島鉄乗務区」と発行箇所名が印刷されています。
このことから、この券は本来、車内補充券用として印刷されたものを転用して設備しているものと思われます。
島原鉄道の列車はその殆どがワンマン運転で運転されていますが、急行列車には車掌さんが乗務しています。
こちらは207列車車内にて車掌さんにお願いして発行して頂いたものです。列車名欄には該当列車の番号が記載されています。
本諫早駅に設備されているものと同じ様式(形態①)の券が使用されています。
こちらは吾妻駅で発行されたもので、ここでは「形態②」と呼びます。
「形態①」と良く似ていますが、発行箇所名は「島鉄車掌区 乗務員発行」となっています。
ワンマン運転が主流になった現在、同鉄道では「車掌区」は「乗務区」に統合(?)されており、恐らく「形態①」より「形態②」の方が古い様式であると思われます。
双方の裏面を比較してみますと、特に変化は無い様です。ただ、
注意書きの(2)の部分において、「旅客鉄道会社線各駅で~」の部分だけ活字が違っています。
国鉄が民営化された以降に「国鉄線各駅で~」から修正された痕跡でしょうか、ここだけが活版印刷ではなく、しかもぎゅうぎゅうに詰められており、とてもバランスが悪くなってしまっています。
最後はある駅で発行されたもので、ここでは「形態③」と呼びます。
等級制であったころの残券のようで、少なくとも昭和44年以前に印刷されたものであろうと推測されます。たまたま「ある駅」に残っていましたが、購入した時点であと数枚しか残っていなかったようです。
発行箇所名は駅名を記入するようになっており、列車指定欄もあります。また事由欄もブランクであり、こちらはもともとから出札補充券用として印刷されたもののようです。
裏面は等級制であったころの標準的なもので、特定市内制度も大阪市内・東京都区内・東京電車環状線内(東京電環)および横浜新横浜間しかありません。
次に地紋を見てみましょう。
形態①および形態②は「RTCてつどうじょうしゃけん」の地紋であり、形態③は島原鉄道のオリジナル地紋です。
このように、島原鉄道には同時に3種類の第一種補充券が存在していたことになります。