大井川鐵道 電車急行用急行券

大井川鐵道の電車急行用急行券です。

   images (千頭駅発行、現行券)

これは千頭駅に設備されている現行の様式で、日本交通印刷製のB型券です。
表題は「急行券」となっており、乗車距離が「千頭から40㎞まで」と表記されています。
電車急行の走る大井川本線は全長39.5㎞の路線であり、この表記は妥当のように思えますが、同鉄道の急行料金はどこまで乗っても同一のため、わざわざ有効距離まで謳わなくても良いような気がします。

   images (現行券、裏面)

こちらは裏面です。
裏面には発行当日の急行電車に限り有効であることと、JR東海の急行列車には乗車できない旨が記されています。
JR東海の急行列車とは、急行「東海」を指しているものと思われますが、急行「東海」を含め、金谷駅に停車しない寝台急行「銀河」も過去の列車となってしまい、この注意書きは今となっては無用の長物といった感じです。

   images (昭和時代の券、裏面)

参考までに、昭和の時代の券は当然ながら「国鉄の急行列車」となっています。

敢えて自社の急行が「電車」と表現されているのに対し、JR東海の急行が「列車」と表現されているのは、自社の急行列車には「電車急行」とSL列車である「SL急行」の2種類があり、それぞれ料金が異なることからトラブルを防止する意味からきているものと思われます。

この券を千頭駅出札窓口で購入する際、「電車急行は実際運転されていないので使えないですが良いですか?」と言われました。実際に乗車するためではなかったので購入した次第ですが、この券が設備されていること自体、疑問が残ります。

というのも、千頭駅で購入したのは平成18年4月であるわけですが、電車急行は平成15年8月に神尾駅構内で起きた土砂災害で金谷駅から福用駅間が運休になった時に運転が休止され、以後復活することなく事実上廃止(あるいは廃止)されており、同社のHPを見ても電車急行に関する案内や料金に関する記述はありません。
将来的に復活させる予定でもあるのでしょうか、何らかの理由があって設備が残されているものと思われます。

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