特殊貨物検査票

久しぶりにきっぷ以外の紙ネタです。

あまり聞き慣れないかもしれませんが、特殊貨物検査票というものを御紹介いたしましょう。


   



特殊貨物検査票は特大貨物や車扱(貨車一車を丸ごと借り切る輸送形態)による1パッケージ(PK)あたりの実重量が1トン以上の転動防止を要する貨物、密閉梱包貨物や甲種鉄道車両貨物を輸送する際に、客貨車区など鉄道側に於いて貨物の状態を事前検査をして該貨に表示する車票です。

御紹介のものは、4年くらい前、岳南鉄道比奈駅のイベントで、1枚100円くらいで投げ売りされていたので、その希少性から購入した次第です。


鉄道省時代より、特大貨物を貨車で輸送する場合には事前検査をする規程が存在し、当初は木札を使用して表示していたようですが、昭和15年頃になって専用の検査票が制定されているようです。その後、何回かの様式改定が行われ、御紹介のものは昭和42年に改定された現在の様式と思われます。
ただし、御紹介のものは盛岡鉄道管理局で特別に作成された様式のようで、「段積承認欄」のある、通常の様式とは少々違うものです。


最近では貨物列車は激減し、また、車票そのものが廃止されてしまっていますから縁の薄くなってしまった感がありますが、特殊貨物検査票は甲種鉄道車両輸送では現在も使用されており、車両の窓に貼り付けられたものを御覧になられた方も多いかと思います。


エントリーの表題や本文中では「特貨物検査票」と表現していますが、現物は「特貨物検査票」となっています。これは、当初は特種貨物検査票というものでしたが、「特種」から「特殊」への呼称が変更されたことにより、現在は特殊貨物検査票が正式な名称となっています。
しかし、なぜか現物は「特種」のままのものが殆どで、「特殊」に様式変更されているものの方が珍しいように感じます。

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