大阪市交通局 地下鉄2区間用回数乗車券

本年(平成30年)4月、大阪市交通局が運営していた市営地下鉄が開業85年目に民営化され、大阪メトロ(大阪市高速電気軌道株式会社)という株式会社組織になりました。

管理人は関東圏育ちのために大阪市営地下鉄は日常の足にはなりませんでしたが、親戚が大阪市内に住んでいるため、年に1~2回程度は利用していました。


   


今回御紹介致します券は、大阪市営地下鉄時代の2区間用回数券です。
若草色の大阪市営地下鉄自局地紋で、乗車する際の発駅印を捺印するところが丸く抉られ、ここに発駅印が捺印された時点で乗車時の入鋏になります。

発駅印と乗車区間を示す「区間ゆき」の間の矢印の上下に、上には大阪市営地下鉄のマーク「〇にコ」と下にはニュートラムのマーク「N」が入っています。

点線で1枚づつ切り離せるようになっていますが、一番上の表紙部分に有効期限が記載されるために「乗車前切り離し無効」となっています。


まだ学生時代であった昭和60年9月に乗車した際、自身が使用した乗車券を持ち帰りたい旨を梅田駅の改札口で申し上げたところ、対応された改札氏が「こんな珍しくもないもので良いのなら」とそのまま改札を通していただけました。
そしてそのとき、「回数券が1枚あるけど、一緒に持っていきますか?」と言われ、有り難く頂戴したのがこの1枚です。

当時は「金券屋」なんてものが一般的ではありませんでしたから、「よそ者」が回数券を入手するには一冊まるまる購入しなければなりませんで、このようなものを戴けるのは大変有難いことであったわけです。裏面は白色で何も印刷されていませんが、梅田駅の無効印が捺されています。



   


地紋部分を拡大してみました。地下鉄のマークを囲むように上段に「おおさかしこうつうきょく」が、、下段に「こうそくちかてつ」の文字がデザインされているもので、このような体裁の地紋は各地で見られますが、文字がマーク2つ分に跨ったようなデザインのものは意外と少ないかと思います。


地下鉄のマークは昭和初期に制定されたもののようで、〇はトンネルで、コは電車をあらわして地下鉄を表現しているものだと聞いたことがあります。「赤字が多くてコマル」とよく揶揄されていたとも聞きますが、いかにも大阪らしいユーモアあるエピソードです。

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