JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
上野駅発行 トラベラーズ・キャリー切符 ~その2
上野駅で発行された、トラベラーズキャリー切符の話題の続きです。
前回エントリーで台紙部分を御紹介いたしましたので、今回は切符の部分を御紹介いたしましょう。
最初にお断り致しておきますが、拙ブログでは乗車券や指定券などの「乗車券類」については「きっぷ」、手回り品切符などの「諸料金切符類」については「切符」と表記させていただいております。
1985(昭和60)年12月に上野駅で発行されたトラベラーズ・キャリー切符です。桃色こくてつ地紋のD型券で、東京印刷場で調製されたものと思われます。
日付や「上野駅➡協定店」の表記、金額、「昭和61年3月31日までの間に1回限り使用できます。」の文言、発行箇所名については乗車券類でよく見られる体裁ですが、特殊な券であるためか、ぎこちなく活字を組んだ「トラベラーズ・キヤリー」という題字が印象的です。
裏面です。
券番が片券番になっており、注意書きが記載されています。
内容に拠るとこの券は上野駅限定のようで、指定された区間につき、荷物1個を託送することができるようです。「託送」という言葉は最近あまり聞き慣れない言葉ですが、運輸機関が手荷物を旅客から預かって輸送することを指し、一般に「チッキ」と呼ばれていました。
話は変わりますが、前回エントリーの時に御紹介した表紙の写真を再掲します。
前回エントリーの時は触れませんでしたが、下に「JAPANESE NATIONAL RAILWAYS」と記載されています。これは「JNR=国鉄」ということであることは想像できますが、管理人はかつて、国鉄の英文表記は「JAPAN NATIONAL RAILWAYS」であると教わってきました。
JAPAN NATIONAL RAILWAYSであれば「日本国有鉄道」と訳すことができますが、JAPANESE NATIONAL RAILWAYSですと「日本の国有鉄道」になってしまいます。しかし実際、外国で日本の国鉄を紹介するときには「日本の国有鉄道」という意味でJAPANESE NATIONAL RAILWAYSと紹介されていることが多く、この切符はそれに倣っていたものと思われます。