JR東海 天竜峡駅発行 三河東郷・新城・東上間ゆき 片道乗車券

1987(昭和62)年12月にJR東海飯田線天竜峡駅で発行された、三河東郷・新城・東上間ゆきの片道乗車券です。


   


桃色こくてつ過渡期地紋のA型一般式券で、東京印刷場で調製されたものです。

国鉄の末期、乗車券の機械発券化に伴う乗車券印刷業務の平準化によって、名古屋印刷場の管轄の一部であった静岡鉄道管理局管内の乗車券印刷業務を東京印刷場へ移管することが行われ、同駅の乗車券は東京印刷場で印刷されることになりました。
しかし、東京印刷場に移管されたからと言って様式のすべてを東京印刷場のものに切り替えるのではなく、名古屋印刷場の様式を残しつつ東京印刷場で調製する方法が採られ、それまで東京印刷場には存在していなかったA型一般式の近距離乗車券が誕生しています。この券は、国鉄時代の残券が承継利用されたものになります。


   


裏面です。券番の他、発行駅名と「下車前途無効」の文言があります。


着駅の中で新城駅だけ飯田線を示す「(飯田)」の符号が付けられています。これはかつて国鉄にあった大隅線新城(しんじょう)駅と区別するためのものと考えられます。しかし、この券が発券された同年の3月14日、JR九州に移管される直前に大隅線は廃線となり、大隅線廃線とともに新城駅は廃駅となりましたため、符号を付ける必要はなくなってしまっています。

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