花巻電鉄 花巻から花巻温泉駅ゆき 片道乗車券

1972(昭和47)年1月に岩手中央バス(旧・花巻電鉄)花巻駅で発行された、花巻温泉駅ゆきの片道乗車券です。


   


灰色TTDてつどう地紋のB型金額式大人・小児用券で、日本交通印刷で調製されたものです。
この頃はすでに花巻電鉄は岩手中央バスと合併していましたが、乗車券は花巻電鉄のままとなっていました。

この当時の花巻電鉄線は、この券が発行された約7年前の1965(昭和40)年7月に中央花巻(現在のJR花巻駅前右側のなはんプラザ付近)~西花巻間が廃止され、さらに約3年前の1969(昭和44)年9月に花巻~西花巻~西鉛温泉間の軌道線が廃止されており、残された路線は花巻~花巻温泉間の鉄道線のみとなっていました。
花巻駅は島式ホーム1本の駅で、国鉄の花巻駅から跨線橋で接続しており、跨線橋からホームへ降りた所に花巻電鉄の改札口がありました。

鉄道線が残された同社路線ですが、この券が発行された1か月後の1972(昭和47)年2月に全線廃線となってしまい、1976(昭和51)年には岩手県交通に統合されてしまっています。


花巻電鉄というと驚異的に細い面構えの「馬面電車」デハ1形電車が有名ですが、この車両は軌道線用の車両となっており、軌道線廃線後も在籍はしていたものの、通常の運用からは離脱しており、晩年は殆ど運転されていなかったようです。


   (花巻電鉄デハ1形デハ3)


しかし、同社の車両のなかで一番「らしさ」のあったデハ1形デハ3号は現在も花巻市内で保存されており、その姿を見ることができます。

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