小田原急行鉄道 代々木八幡駅発行 小児用乗車券

日付が曲がって印字されているので不明なところがありますが、恐らく1939(昭和14)年8月に、小田原急行鉄道(現・小田急電鉄)代々木八幡駅で発行された、新宿・小田急本社前、下北澤・豪徳寺間ゆきの小児用片道乗車券です。


   

桃色PJRてつどう地紋のB型矢印式券となっています。

発駅である代々木八幡駅から新宿方面の着駅は新宿駅および小田急本社前(現・南新宿)駅で、小田原方面の着駅は下北澤(沢)・豪徳寺間となっており、その区間内には世田谷中原(現・世田谷代田)駅・梅ヶ丘駅の2駅が含まれます。
当時の同社普通乗車券の有効期間は発売日共2日間であったようで、途中下車が可能であったようです。ただし、運賃が同額である共通区間内は途中下車できないようでしたので、実質的には新宿方面では参宮橋駅・山谷(廃駅)駅が、小田原方面では代々木上原駅・東北沢駅が途中下車可能駅となります。

小田急本社前駅は現在の南新宿駅になります。同駅に小田原急行鉄道の本社が隣接していたことからこのような駅名になった駅ですが、戦時中の1947(昭和17)年5月に同社が東京横浜電鉄などと合併して東京急行電鉄(大東急)となった時に南新宿駅に改称されているようです。小田原急行鉄道当時の本社ビルは現在でも小田急南新宿ビルとして現存していますが、南新宿駅は新宿駅の重層化工事の際に分岐線を作るうえで支障となり、小田原方面に路地1つ分移転しています。


   

裏面です。
券番のほかに「共通區(区)間内下車前途無效(効)」の文言と「代々木八幡驛(駅)發(発)行」の発行箇所名が記載されています。
いちばん上の「い」というのは循環符号であると思われます。

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