東京急行電鉄 新玉川線渋谷から100円区間ゆき片道乗車券

前回エントリーで東京急行電鉄(東急電鉄)東横線渋谷駅で発行された片道乗車券を御紹介いたしましたので、今回は同日に新玉川線渋谷駅で発行された片道乗車券を御紹介致しましょう。


   

1985(昭和60)年2月に新玉川線(現・田園都市線の渋谷~二子玉川間)渋谷駅で発行された100円区間ゆきの片道乗車券です。東横線渋谷駅同様にPJRてつどう地紋の券売機券になりますが、こちらは青色地紋になります。
そして、開業から1997(平成9)年12月までの間、建設費用を積み立てるための新玉川線区間の加算運賃制度が適用されており、初乗運賃が東横線の80円より20円高い100円が初乗運賃になっています。


   

発駅名の部分を拡大してみました。駅名の前に「〇新」という符号が付けられていますが、これは「新玉川線」の「新」であり、新玉川線の渋谷駅で発行されたことを示します。
この符号は2000(平成12)年8月に新玉川線と田園都市線が統合され、渋谷~中央林間間が田園都市線に一本化された以後も、2013(平成25)年3月に東横線が地下化されて改札がひとつに纏められるまで付けられていました。


当時の東急電鉄渋谷駅は田園都市線(新玉川線)と東横線の改札が分離され、同じ会社なのに全く違う駅になっていました。これは新玉川線がかつて国道246号線を走行していた玉川線という路面電車を1969(昭和44)年に一部廃止のうえ地下化させた路線であったことに由来します。
当時は両駅は別の駅の扱いで、東急電鉄の社内では田園都市線の渋谷駅を「(田都)渋谷」駅、東横線の渋谷駅を「(東横)渋谷」駅と区別され、やろうと思えば「(田都)渋谷」駅から「(東横)渋谷」までの乗車券を購入することも可能でした。


   

改札が分離されていた最終日の2013(平成25)年3月15日に「(田都)渋谷」駅で発行された「(東横)渋谷」までの片道乗車券です。券売機で260円区間を購入すれば乗車できる区間ですが、敢えて特別補充券で発行して頂きました。本来であれば券売機で購入できる区間の特別補充券での発行はNGですが、当日は特別に発行することが許されていたようで、数枚作り置きが準備されていました。
乗車経路は「(田都)渋谷」~(田園都市線)~二子玉川~(大井町線)~自由が丘~(東横線)~「(東横)渋谷」という営業キロ20.5kmの区間になります。
現在は同社の旅客営業規則が改正され、このような区間の乗車券を購入することはできません。

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