西武農業鉄道 高田馬場から新井薬師前ゆき 片道乗車券

1946(昭和21)年6月に西武農業鉄道(現・西武鉄道)村山線(現・新宿線)の高田馬場駅で発行された、新井薬師前駅ゆきの片道乗車券です。


   

経年のヤケで地紋の判別が難しい状態ですが、同社の硬券が戦後の物資欠乏期の影響かとは思いますが無地紋だったりしていますので、この券も無地紋であった可能性があります。
矢印式大人・小児用の半硬券的な軟券で、B型券に近いですが、若干横幅が短いサイズです。

小児断片には高田馬場から新井薬師前というということを示すために「高馬場 薬師前」と略して記載されていますが、高田馬場駅と「高馬場」と略す方法は長く使用されているようで、近年ではそれがさらに略されて「高馬」となり、近年の同社の連絡乗車券の経由欄に於いて使用されている例を見かけます。

実際に使用されたものになりますので入鋏がなされていますが、同駅では戦前から平成のスタンパーに変わるまで、西武鉄道と国鉄(鉄道省・JR)および営団(東京メトロ)では一貫して同一の鋏痕が使用されていましたが、御紹介の券に入れられている鋏痕は同駅のそれではありませんので、一時的にどこかの駅のものが代用として使用されていた可能性があります。


   

裏面です。券番が真ん中に一カ所あるだけです。

西武農業鉄道は戦前の武蔵野鉄道(現在の池袋線系統および多摩湖線)および(旧)西武鉄道(現在の新宿線系統および多摩川線)が戦後に合併して1945(昭和20)年9月に誕生していますが、御紹介の券が発行されてからまもなくの1946(昭和21)年11月に新生の西武鉄道となり、現在に至っています。

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